納税者がBNFLの廃棄物債務に資金を出す
Taxpayers to fund BNFL waste liabilities


2002年7月17日(水) ザ・ガーディアン
デビッド・グロー 産業記者



BNFLは昨日、納税者によって支払われる廃棄物負債の余分な20億ポンド[3600億円]を受け取ることによって、民営化された原発の運転及び清掃の専門家としてその再出発のための行動準備に取りかかった。

営業利益2200万ポンド[40億円]の後に記録的な23億ポンド[4140億円]の損失を発表して、BNFLは提案された新しい債務管理機関、すなわちLMAを立ち上げるための立法を急ぐよう政府に強く求めた。このLMAは、そのサイトの400億ポンド[7兆2千億円]以上の負債を引き継ぐであろう。

BNFLが、LMAを管理する立法が議会の次の会期で発表されるよう強く要求したとき、そのグループの2つの米国会社(ウエスティングハウスおよびBNFLインク)が米国の政党に何十万ドルを払っていたことが浮上した。社長のノーマン・アスキュー氏は、彼と彼の役員会の両方が最近までこれら論争の的になっている支払いに気づかなかったと述べた。

その国有の会社BNFLは、約10万ポンド[1800万円]が昨年米国の政治献金に払われたと認め、支払いは今止められたと述べた。

BNFLは、立法が議会の次の会期に発表され、かつ2003年の秋か遅くとも2004年4月までにできれば制定されることを望んでいる。

LMA[債務管理機関]は「会社の残りの部分を非常に競争力が高くそして利益の上がる状態におくことを可能にする」と会長のヒュー・コラムは、彼が2006年に開始するだろうと今信じている部分民営化の計画をほのめかしながら、述べた。

「LMAの設立は会社を解放するだろう」と彼はBNFL年次報告の中で述べた。その報告は、1ダースの新しい原子力発電所の建設を促すための持続したロビー活動の一環であると反核運動家は見ている。その報告書は今月末に公表される予定だ。

昨年のBNFLの損失は、2つのマグノックス原発(コールダーホールおよびチャペルクロス)の早期の閉鎖に対する準備によって3億7500万ポンド[675億円]に増大した。その発電事業はさらに1億6000万ポンド[288億円]の損失であった。そしてソープ再処理工場の縮小された処理量がまた収益を低下させるであろう今年には、たぶんより一層の損失となる。

「私たちは技術的に支払い不能である」とアスキュー氏は認めた。それは、彼がBNFLの純資産の欠損が現在18億4000万ポンド[3312億円]であると報告したときである。しかし、そのグループは取引を続けることができる。なぜなら、10億ポンド[1800億円]の資金と、さらにその負債の純負担分(128億ポンド)に見あう政府からの保証として90億ポンド[1兆6200億円]を持っているからである。

「私たちは、これまで長期間、これらの債務を返済するために金銭を使い果たしてきた」と彼は述べた。「私たちは、LMAができる時、これは私たちのバランスシートを改善するだろうという国務長官の声明を頼りにする」。BNFLは負債の中の約200億ポンド[3兆6千億円]をLMAに移すつもりだ。

その負債は、そのサイト、主にセラフィールドでの歴史的な核廃棄物の管理を変更するBNFLの決定によって膨れあがった。これらの負債は、50年代にさかのぼる英国独自の原子爆弾計画および初期のマグノックス原子炉からの廃棄物がほとんどであると、アスキュー氏は述べた。

その廃棄物はもともと廃棄物管理団体ニレックスによって貯蔵所で保管される予定だった。しかし、その計画は中止となった。「私たちはもはや待つことができない、そして安全で不活性な形でそれを保持しなければならない」と、新しい諸施設の必要性を指摘しながらアスキュー氏は述べた。

その廃棄物はたぶんコンクリートで保護され、ステンレス鋼のドラム缶に詰められるだろう。しかし、グリーンピースのピート・ロッチ氏は述べた。:「実際の狙いは、LMAを利用して、BNFLが好き勝手により多くの原子炉を建設するための自由を与えることである。そしてこれは、彼らが管理方法を知らないより多くの廃棄物を生み出す自由を与えることである。」

アスキュー氏は述べた:「これは原発の新設とは全く関係ない、今日の計画は廃炉に対処するために立てられている。」BNFLは、2015年頃からの期間に最新のウエスチングハウス型の原子炉を採用するよう大臣達に圧力をかけている。その頃には新しい原発が建設されなければならないだろうと。



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