イタリアは、再処理後に発生する放射性廃棄物、ウラン、プルトニウムのすべてを英国に保管することを含む新たな再処理契約を英・BNFLに提案している。イタリアは、チェルノブイリ事故後、国民投票によって1987年に原子力政策の放棄を決定した。閉鎖された原子炉からの使用済み核燃料の最終処分場計画は、2003年に国民の大規模な反対行動によって白紙撤回された。イタリアは、この使用済み核燃料235トンを再処理名目に英国に送り、イタリア国内に処分場ができるまで、英国に保管させようとしている。英国政府は昨年末に、再処理後の核廃棄物は発生国に返還すべきとの方針を転換し、中レベル廃棄物を高レベル廃棄物に「等価交換」することを認めると発表した。しかし、イタリアの提案は、「等価交換」どころではなく、やっかいな核のゴミも、使い道のないウラン・プルトニウムも、すべて英国が保管するという内容である。セラフィールド再処理工場のあるカンブリアで活動するCORE(環境の放射能汚染に反対するカンブリア人の会)は、イタリアの提案に反対するよう呼びかけている。英ガーディアン紙は、イタリアとの契約の詳細の公表を拒む英政府に対し、情報公開法に基づいて、公開を求める要求書を提出した。 |