英国原子力グループ(BNG)の役に立たなくなったソープ再処理工場は、来年3月まで閉鎖されたままになりそうである。情報公開法2000(FoIA)に基づきコアがBNGから入手した文書に示されていた運転再開日は、セラフィールド施設の常務取締役であるバリー・スネルソンが今年6月に、施設は2005年12月頃には運転再開できるであろうと予想した日よりもおよそ3ヶ月後になっている。 2005年6月の「ソープ清澄セルの総合再生計画の詳細」と題されたBNG文書に書かれている情報によれば、会社は今年12月に原子力施設検査局(NII)へ運転再開プランを提示する意向であり、来年1月下旬までにNIIの承諾を得ることを期待している。承諾が与えられれば、ソープは1月末までには「いつでも運転できる」状態に置かれ、2月中旬までにソープ前処理部門で最初の使用済み核燃料がせん断されて溶解され、3月上旬には化学分離のアクティブ運転が再開されるであろう。 コアのスポークスマンであるマーティン・フォワードは本日次のように述べた。「これらのプランでさえ多少懐疑的に見るべきであろう。なぜなら、ソープが再開できるには克服すべきなお多くのハードル−BNG文書で『決定的で重要な諸段階(critical milestones)』として認識されているハードルがある。施設は実質的に丸々一年の事業を失い、それに伴って、NDA(原子力廃止措置機関:施設の所有者)が期待していた収入を失った。」 一つの主要なハードルは、問題の供給清澄セル−そこから溶解された燃料22トンが漏れ出ていたことが4月に発見されたもの−に対してBNGが採用を計画している技術上の改修策について、BNGがNDAとNIIから承認を得ることであろう。改修策−そのコストは現在のところ不明だが莫大であろう−は漏出配管とそれにつながる計量タンクにバイパスをつけること、残っている一つの計量タンクでソープを操業することを不可欠とするであろう。核物質の計量は、ユーラトム(ヨーロッパ原子力共同体)の検査官の同意が得られれば、下流の調整タンクで実施されるであろう。たった一つのタンクで操業するマイナス面は、ソープが設計取扱量の50−60%での操業に追い込まれることである−前処理部門は、設計での取扱量7トン/日ではなく、使用済燃料を一日約3トン取り扱う。 BNGからの情報はさらに次のことも明らかにしている。6月にセル床から回収された漏出溶液はまだセルの調整貯蔵タンクに保管されていて、来年ソープが運転再開するまでそのままにされるであろう。このことは、NIIの懸念を考えると、驚くべき決定である。情報公開法でコアに開示されたNII文書で暴露された、NIIの懸念は次のようなものである「施設材は汚染されるであろう、そして、ソープでのこれまでの経験から分かるように、工程にわたる汚染は化学分離施設の長期操業に破壊的な影響を及ぼし得る。」(コア強調)。NIIはさらに、「これらの溶液を処理するいかなる提案も、化学分離の設計として元来想定された仕様をはみ出すようであれば、施設の安全性説明書への挑戦[訳注:施設の安全性に問題を引き起こすもの]とみなすであろう」と述べていた。 |