ソープ漏えい事故最新情報
いくつかの顧客の燃料が漏えいに含まれていた、
そして、英国原子力グループは1台の計量タンクのみで
ソープを再開することを計画している。
THORP Leak Update.
Several customers' fuel involved in the leak and British Nuclear Group plans
to re-start THORP using just one Accountancy tank.


CORE[環境の放射能汚染に反対するカンブリア人の会] ブリーフィング
2005年7月11日


http://www.corecumbria.co.uk/newsapp/pressreleases/pressmain.asp?StrNewsID=218


9ヶ月という期間にわたってソープの供給清澄セル内に漏えいしていた83立方メートルの溶解液は、ドイツ(COREブリーフィング2005年第8号参照)だけでなく、オランダとスイスから送られて来た使用済核燃料の溶解溶液から成り立っていることをCOREはつきとめた。COREが入手した英国原子力グループ(BNG)報告書は、それぞれドズワード原発〔オランダ〕、ベズナウ原発〔スイス〕、ウンターベーザー原発〔ドイツ〕であることを具体的に特定している。

5月26日に出されたBNG調査委員会報告書が述べているように、その溶解液は2004年7月から2005年4までセル内に漏れ続けていたのであり、少なくとも3つの再処理「キャンペーン」がこの期間に実施されていたことが確認されているが、観察者たちは、さらにもうひとつ欧州の顧客からの燃料が含まれていたとしても驚かないだろう。オランダの燃料より前に再処理されていたブリティッシュ・エナジー社のAGR燃料もまた含まれている可能性がある。

BNG調査委員会報告書は、2004年7月以降、計量タンクBに供給している配管が疲労応力の結果として完全に破断した今年の1月中旬まで、漏えいの割合が時間とともに増大したと結論付けている。それゆえ、配管の完全破断後に再処理されたドイツの燃料が、漏れた83立方メートルのうちの大部分を占めており、スイスとオランダの燃料、そしておそらく英国のAGR燃料はより少量であるらしい。顧客の契約や要求に応じて工場ラインで個々の顧客の生成物(プルトニウムとウラン)を抽出することに関して、異なる国々からのこの核燃料カクテルをどのようにして適切に処理することができるのか、それだけではなく、異なる炉型(BWR、PWR、おそらくAGR燃料)からの核燃料カクテルをどのようにして適切に処理することができるのかということについて、BNGはいまだにいっさい説明していない。また、この溶解液にはタンク周辺の支持枠から溶解した鉄骨も含まれている。

セル床面から漏えい溶解液を回収するのと同時並行で、BNGはソープ運転再開の選択肢を特定してきた。これら選択肢の詳細は、情報公開法(FoI)にもとづき、原子力廃止措置機関(NDA)によってCOREに明らかにされた。5月24日に更新され、明らかにされたBNG情報では、BNGは、「最も妥当な」選択肢として、計量タンクAのみの使用でソープを再開する、従って、供給に使っていた破損配管とタンクBを永久に隔離するということを選んでいた。タンクAは、汲み上げタンクとしてのみ使われ、そして、溶解燃料の計量は、下流にある調整槽で実施されることになる。

今のところ使用が見込まれている配管の信頼性と安全性について詳細な調査が実施されるだろうが、BNGは、計量タンクBで破損した配管の流れとは異なり、より柔軟な配管の流れで構成されていると述べている。BNGの選んだ選択肢にもとづいて、溶解液の計量が将来、1台の調整槽でどのように実施されるかについても、2台のタンクのかわりに1台で操業しなければならない結果としてソープの処理量が確実に低下することについても、詳しい説明は一切なされていない。

BNG調査委員会(BoI)報告書は、情報公開法にもとづいてNDAから受け取った情報と合わせて、漏えい事故の原因となったヒューマンエラーと設計エラーの一覧を明らかにしている。最重要なものを以下で強調する。

BNGは、「新しいプラント」文化がソープで働いている経営者から作業員にまではびこっていると批判している。彼らは、「このようなスケールの溶液喪失が漏えいによって起こるのは、まずありえないことであり、書類に何かの間違いがあるにちがいない」と信じていた。(BNG調査委員会)

この工場で以前に事故があったにもかかわらず、「新しいプラント」文化は続いており、教訓は汲み取られていなかった。「そのような事象の歴史経過がある以上、この報告における勧告が包括的に履行されたとしても、さらにプラントの故障が将来起きる(COREの強調点)可能性は相当な程度残されそうである」。(BNG調査委員会)

計量タンクは(計量できるよう)垂直に揺れる設計になっていて、撹拌や地震の際にタンクの水平方向の揺れを抑制するために設備が設計されていた。この抑制装置は一度も設置されておらず、より強い水平方向の振動を許すことになるタンクを支える鉄骨の設計変更がなされたことが、今では明らかになっている。この振動は、その40ミリの配管がタンクにつながっている箇所で、疲労破壊をもたらした。(BNG情報開示)

「このような応力は、設計変更と容器の動きを抑制するという目的が引継がれなかった結果である。」(BNG調査委員会)

計量タンクにつながる配管は、タンク稼動中のビデオにおいて観測された振動レベルを想定すると、理論上の寿命予測値を超えていた。(NDA情報開示―2005年5月24日BNGソープ工場供給清澄セル最新情報)

最近になって、一様な試料を得るために、計量タンクが以前に必要であったよりも長い時間、撹拌されていたことを示す証拠がある。(BNG調査委員会)

セル床面において、定期的なサンプル採取と溶解液水位計測が要求されているにもかかわらず、「水位検出装置とサンプリング検査とが示していたどちらの『異常』状態に対しても、運転スタッフは適切に対応しなった」。(BNG調査委員会)

運転員たちはセルのサンプ・アラームによる警報を受けなかった。「調整サンプ水位計に関連する異常なアラーム動作の深刻な履歴がある。2004年7月1日から2005年3月22日までの期間、アラームは100回以上、低、あるいは低低状態の信号を出していた。この期間に検査または補修がなされた証拠はない。」(BNG調査委員会)