イタリアは核廃棄物問題を英国に輸出することを計画している
Italy planning to export nuclear waste problems to UK


CORE プレスリリース

2005年1月4日


[CORE:Cumbrians Opposed to a Radioactive Environment 環境の放射能汚染に反対するカンブリア人の会]


 原子力産業の定期刊行物「ニュークリア・フュエル誌」が、イタリアが再処理するために使用済み燃料235トンを英国に輸出するという以前から疑われていた計画を確認している。イタリア国内にこれら核廃棄物のための処分場がないことが、核燃料が現在保管されている貯蔵所に対する核防護と安全性への懸念ともあいまって、そのような輸出計画を前に進めさせるようにはたらいたようである。
 イタリア政府は、チェルノブイリ後の国民投票を受けて、国の原子力計画を1987年に放棄した。最後の原子炉が1990年に閉鎖され、この時点ですでに、いくつかの使用済み燃料はセラフィールドで再処理する契約が結ばれていた。しかしながら、残りの燃料(最新の計画では235トン)は、再処理の契約がなされておらず、イタリアでの長期管理・処分が予定されてきた。イタリアの他の核廃棄物と同様に、未契約の使用済み燃料の管理は政府所有機関SOGIN(Societa Gestione Impianti Nucleari)が責任を負うべきことになっている。
 2003年、イタリア政府とSOGINは、公衆の反対によって、国内貯蔵所として適切であると確認していた2箇所のサイトの断念を強いられた。そのような処分場の必要性が声高に叫ばれるようになればなるほど、イタリア各地の貯蔵所で1990年以来保管されている核物質に関する防護上の懸念が(9/11の後に)高くなっていた。不安を強めているのは、当初は一時貯蔵施設とされていた貯蔵所のいくつかで、「保管期間」の期限が近づいている問題にある。
 ニュークリア・フュエル誌の記事(2005年1月3日号)は、今年2月か3月に使用済み燃料の将来の管理について提案し、2005年4月から6月の間に、評価を行い、契約について結論をだすとのSOGINの見解を引用している。さらに「再処理事業者(BNFLまたはCOGEMA)が、イタリア国内の最終処分場が使えるようになるまで、処理後の廃棄物生成物を貯蔵し続けるよう、イタリアは要求するだろう」そして、再処理によって使用済み燃料から発生するプルトニウムとウランの再利用が不可能であることは、「(イタリアは)燃料資源のすべてをBNFLに残そうとしている」。
 英国政府は、核物質問題を他国に責任転嫁しようとするイタリアのこのような図々しい企てについてすでに警告を受けている。1997年には、放射性廃棄物管理諮問委員会(RWMAC)が「海外の問題が、おそらく不適切で危険いっぱいの貯蔵となるとみなされている「廃棄物管理」問題自体を免れるために、英国の企業との再処理契約を進んで受け入れるような状況が生じることが想像される」と警告した。
 バロー埠頭を経てセラフィールドに輸送されたイタリアの使用済み燃料の輸送を物理的に抗議したことに対して、2003年に刑事裁判所から有罪判決を受けたCOREは、イタリアの最新の計画について英国諸機関に警告をし、他地域からの反対を促している。