セラフィールドのプルトニウム搬出がまもなく行われる
Sellafield plutonium shipments in the offing


2003年8月14日

CORE プレスリリース
[CORE:環境の放射能汚染に反対するカンブリア人の会]


http://www.corecumbria.co.uk/default.htm


英国と欧州間のプルトニウム輸送の見とおしについて、最近、業界紙ニュークリア・フエルへのBNFLの見解によって拍車がかけられた。8月4日の記事では、BNFLのスポークスウーマンが、まだプルトニウムは輸送されていないが、どのようにプルトニウムの移転を行うかについて合意を達成する方法をBNFLは模索していることを確認した。これは、昨年の常設仲裁裁判所(PCA)に対するBNFLの確認―─あるプルトニウム輸送が最近計画されていて、さらなる輸送が続くでしょう―─を踏襲している。

BNFLがプルトニウムを移転する必要性が浮上したのは、予想されていたよりSMPの起動開始が遅れているからだ。SMPでの遅れのため、BNFLは2つのMOX燃料受注を欧州の競争製造会社(コジェマとベルゴニュークリア)に「下請け」に出さざるをえなかった。これら欧州の会社は、BNFLのために燃料を製造する際、自らの顧客の貯蔵分からプルトニウムを用いたことを意味する。製造会社・顧客のプルトニウム台帳のバランスを取るために移動または交換がなされることになる。

2002年10月のPCAへの証言で、BNFLの証人は裁判所に対して、1回のプルトニウム輸送が確実に行われることを確認した。輸送に必要な許可を得るには3年近くかかるかもしれないが、BNFLはすでに輸送に関してOffice for Civil Nuclear Security(OCNS)に連絡をとっており、OCNSが原則として異議を唱えていないと証言している。プルトニウム交換のおおよその量を尋ねられた証人は、個々の交換は、1度に「数百キログラム」にもなりうると見積もった。

2002年のPCAでの尋問の際に、BNFLは次のことを認めたとニュークリア・フエルが報じた。すなわち、「これまで、BNFLは交換を実施するための調整ができなかった。そのため、セラフィールドから欧州大陸へプルトニウムを物理的に輸送することによってこの調整を謀る見通しだ。輸送を実行するための準備は既に計画されている」と。

輸送はおそらく海上輸送になる。しかし、この数年間のうちにセラフィールドから一回、または一回以上のプルトニウムの海上輸送が行われる可能性は、アイリッシュ海やスコットランドの地域社会と政治家達、またNGOらから即座の非難をもたらされるのは必至だ。また、テロリストの活動が増加している時期に、英国と欧州の海洋をテロリストにとって最良の物質である二酸化プルトニウム粉を輸送するという、そのことについての安全性や叡智に関して憂慮または疑問の声が増加するであろう。

*常設仲裁裁判所は、2002年ハーグにおいて、SMPに関する問題についての英国政府の諮問に対してアイルランド政府の提訴を尋問するために開かれた。