セラフィールドは、爆発警報を無視した


2001年2月11日 オブザーバー ニック・パトン・ウォルシュ



 カンブリアのセラフィールド核廃棄物施設で2000トン以上の高レベル核廃棄物が爆発寸前だった際、大惨事が辛うじて、回避されたと、オブザーバー紙が暴露している。
 先月、廃棄物貯蔵施設のひとつで、安全手順が非常にいいかげんだったために、作業員達は、爆発性ガスの増加を警告する警報を3時間近くにわたって、無視した。ガスは、致死的な廃棄物が100トン入った21個のタンクにたまっていた。
 さらに10時間放置していれば、タンクは爆発していただろうと、専門家は述べている。
 大臣達は、先週火曜日に、セラフィールド工場の連綿と続く安全スキャンダルの中で、最悪のものだった、この事故の概要について説明を受けた。ピーター・ヘイン・エネルギー大臣は、政府の原子力安全チームである原子力施設検査局NIIより、1月26日に工場で事故が起っていたと知らされた。
 NIIは大掛かりな調査を開始し、工場に検査官を送り、工場の所有者BNFLに4週間以内に安全手順についての報告を行うよう要求している。
 「この事故は、非常に不安にさせるものである。」と、社会民主党のエネルギー担当のアンドリュー・スタンネルが述べた。「これは、原子力産業に50年間つきまとう傲慢な態度を示している。」
 地域活動グループCOREのキャンペーン・コーディネーターで、この地域に25年住んでいるマーティン・フォワードは、「政府とBNFLは絶えず、懸念すべきものはなにもないと、安心させる説明をおこなっている。この事故は、我々がいかに破滅的な事故と隣り合わせであるかを示している。」
 BNFLは、スタッフが2時間30分の間、警報を無視していたことを認め、この状況は「不適切」だったと述べた。そして、臨界し、爆発に発展するには、10時間よりさらに長い時間を要するだろうと、BNFLは述べた。ソープ再処理工場は、この事故の結果、停止していることを、BNFLは確認した。
 「原子力施設の敷地内にある、この21個のタンクは最も危険な物質を大量に含んでいる」世界を代表する原子力エンジニア、ジョン・ラージが述べた。同じ大きさのタンクが1957年にロシア地域内のチェリャビンスクで爆発して、ロンドンの中心地の大きさに相当する地域を荒廃させた。
 「このような事故がヨーロッパで起きた唯一の例は、70年代のフランスで、タンクを冷やし、爆発を防ぐために、緊急軍用発電機を急いで使った。」
 この事故は、エンジニアが爆発性ガスがタンク内で増加するのを止める換気システムの改善を行っていた午後8時30分に起きた。エンジニアは、間違って、換気装置の配線をつないだ。



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