12月18日に確認した調査事項とこれまでの未回答事項等に関する
とりまとめ質問書



文部科学省 御中

2001年1月12日
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
大阪市北区西天満4丁目3番3号 星光ビル1階
TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581

 質問書No.8(2000年10月23日)および、「11月10日に確認した調査事項等について」に対する「回答」ですが、長い調査期間がありながら、ほとんどの項目が「調査中」というまったく不真面目なものであり、不誠実きわまりない貴省の姿勢に強い憤りを感じざるをえません。
 12月18日(月)に確認した調査事項と併せて、これまでの未回答事項について、再度とりまとめました。以下の点について、必ず1月26日(金)までに文書で御回答ください。

                                 記

1.本米崎小学校で撮影されたモニタリング車について

 本米崎小学校での連続測定について、サイクル機構と科技庁は、「16:03頃まではA車が当該地点で作業を行い、その後学校側の要請によりA車は同小学校を離れました。その後、那珂町の依頼に基づきB車が同小学校に入り16:55頃から測定を開始しました(12/18文書回答)」と説明してきました。
 しかし、事故当日16:10に、本米崎小学校で撮影されたモニタリング車の写真と、複数の報道関係者の証言から、これまでの説明がまったくの嘘であったことはもはや明らかです。

(1)写真に写っている16:10〜16:30頃の測定データを公開してください。

(2)写真に写っているモニタリング車は、3台のうちどれですか。

(3)13:55〜16:03、A車は一体どこで測定を行ったのですか。再度、測定地点を明らかにしてください。測定場所の移動等があれば、それぞれの時間・場所を明らかにしてください。測定場所は地図上で示してください。
 これまでの回答では、測定場所は体育館前ということでした。しかし、那珂町の職員は、「サイクル機構からは、測定場所は学校のグラウンドと聞いている」「測定地点は1カ所に固定していたと報告を受けている」としています。測定地点を明らかにしてください。

(4)15:40頃、ゴルフ練習場付近での測定値を公開してください。

(5)「教頭あるいは、教頭らしき人に学校から出ていってくれと要請された」とのことですが、本米崎小学校の校長、教頭は、そのような事実はなかったと言っています。教頭によれば、「モニタリング車が測定に来ることは、那珂町から連絡を受けています」「車を移動してくださいとは言っていません」とのことです。何時何分、誰から「出ていってくれ」という要請があったのか、明らかにしてください。

(6)茨城県が今年発行した「核燃料加工施設臨界事故の記録」には、核燃サイクルが事故時に取った行動として、「14:10 那珂町役場へ情報収集要員を派遣(2名)」「15:18 那珂町からモニタリング車とモニタリング配置図の要請」と記載されています。那珂町からモニタリング要請があったのは何時何分ですか。


2.B車による測定データについて

(1)16:55以降、本米崎小学校で定点連続測定を実施したモニタリング車(B車)は10分毎に測定値をプリントアウトするシステムで測定していたにもかかわらず、18:21および20:01のデータが存在しないのはなぜですか。その理由を説明してください。

(2)サイクル機構によれば、元となった生データ(プリントアウトしたもの)が見つからないとのことですが、それは本当ですか。本当ならば、なぜ、どのようにしてデータを紛失したのか、調査の上、説明してください。


3.4時半頃のガンマ線実測値のピークについて

(1)JCO周辺数十km範囲の気象データをすべて公開してください。自治体、サイクル機構、原研等が設置している、風向・風速の測定機器、降雨量の測定機器、気温・湿度の測定機器の場所と測定値をすべて明らかにしてください。
 @アメダスデータはいただきましたが、1時間毎のデータしかありません。1分毎のデータを出してください。
 ASPEEDIには、自治体、サイクル機構、原研等のモニタリングポストからの気象データがすべて集中、記録されているはずです。アメダスだけではないはずです。全データを公開してください。

(2)原研那珂研究所MP1・MP2のガンマ線データですが、9月30日16:30前後に大きなピークが記録されています。また、サイクル機構による本米崎小での測定データ、県による原研那珂東側道路での測定データも、16:30前頃にガンマ線の大きなピークがあったことを示しています。このピークの原因は何か、説明してください。もし、放出放射能によるものだとされるのであれば、そう判断する根拠を具体的に示してください。

(3)この16:30頃の大きなガンマ線ピークについて、事故調査委員会は、一切検討を行っていません。また、これまでの回答でも、原因については「整理がついていない」とされています。それにもかかわらず、事故調報告は「住民への被曝影響はない」と断定しています。なぜ、被曝影響がないと言えるのか、その根拠を示してください。


4.固定観測局の測定データについて

(1)固定観測局の空間ガンマ線量率の測定値ですが、1時間平均の値しか公表されていません。サイクル機構のデータについてはいただきましたが、茨城県、原研、原電の各固定観測局で測定された9月30日と10月1日のガンマ線量率の1分毎の測定値についてはまだ明らかにされていません。すべて公表してください。

(2)実測値に基づいて求めた、各モニタリングポスト毎の積算線量を明らかにしてください。


5.サイクル機構によるJCO事務棟2階での中性子線測定について

(1)サイクル機構が17:20頃に測定した事務棟2階での測定値約600μSv/hは、これまで、事故調査委員会資料として公表されていませんでした。なぜ、公表しなかったのか、その理由を説明してください。

(2)また、23:15に事務棟2階窓際で測定されたデータは約550μSv/h(事故調資料5-2号の別添6)とされています。一方、事故調資料として公表されている1:58以降の連続測定値(2-8-3号)は、250μSv/h前後で推移しています。同じ測定機器を使い、同じ場所で測ったにもかかわらず、なぜ1:58以降のデータは半分以下の低い値となったのか、その理由を説明してください。

(3)事故調資料として公表されている1:58以降のデータの元となったプリンタ出力の元データを公開してください。


6.サイクル機構等の中性子線量測定について

(1)サイクル機構、原研、JCOが測定した17時05分以前の中性子線のデータについて、測定時刻、測定地点、測定値をすべて公開してください。

(2)サイクル機構、原研、JCOが測定した17時05分〜19:09の間の中性子線のデータについて、測定時刻、測定地点、測定値をすべて公開してください。

(3)もし、17時05分以外のデータが存在しないとされるのであれば、なぜ17時05分以前に測定がおこなわれなかったのか、なぜ17時05分以降、2時間もの間、測定が行われなかったのか、その理由を具体的に説明してください。

(4)17時05分の中性子線量率の測定方法を説明してください。

(5)17時05分の中性子線量率の測定を行ったモニタリング車は、それ以前はどの地点で、何時から何時まで、何を測定していたのか、17時05分以降は、どこに行き、何を測定したのか、明らかにしてください。


7.(株)ジェー・シー・オーが行ったガンマ線および中性子線量の測定について

(1)15時25分から19時09分まで、約4時間もの間、事業所周辺でのガンマ線の測定をJCOが実施しなかったのは、「事業所内が混乱した状況にあったため」とのことですが、4時間もの間、JCOは何をしていたのか、「混乱した状況」を時系列で具体的に説明してください。

(2)JCO周辺および敷地内でのガンマ線モニタリングは、事故発生とほぼ同時にJCOによって開始されたはずです。10時35分から11時36分の間のJCO周辺および敷地内でのガンマ線のデータを公表してください。


8.原研那珂研究所サーベイポイント(700m)の測定データについて

(1)事故調査委員会資料第2-8-3号の8頁には、原研那珂研究所の「サーベイポイント(γ,n)(約0.7km)」との記述があります。この「サーベイポイント」で、9月30日〜10月1日に測定されたガンマ線および中性子線のデータをすべて公開してください。


9.JCO敷地内のガンマ線エリアモニタについて

(1)JCO第1加工施設棟内のガンマ線エリアモニタ3台のうち、粉末貯蔵室のモニタの値(1999年12月24日付「事故最終報告書」図U-4-1)を採用している理由を説明してください。
 科技庁資料(http://sta-atm.jst.go.jp/jicst/NC/teirei/siryo99/siryo78/siryo113a.htm)では、「本モニタ(粉末貯蔵室のモニタ)は事故現場から近距離にあり」となっています。そうであれば、3台のモニタのうち最も近距離であることを図面で示してください。


10.350m圏内の住宅全戸の窓ガラスの測定データについて

(1)350m圏内の住宅全戸の窓ガラスの汚染検査の結果について、各戸毎のデータを公開してください(事故調資料5-7-2号別添12)。



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