科学技術庁 原子力安全課 様 (御担当 水元様) 2000年10月23日 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 大阪市北区西天満4丁目3番3号 星光ビル1階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581 サイクル機構等の中性子線量の測定データ等について、bWの質問書をお送りします。10月27日(金)までに、文書で御回答下さい。 10月11日付質問書No.6および10月16日付質問書No.7について、回答期限を過ぎておりますが、まだ回答をいただいておりません。質問書No.6・7に対して至急回答してください。 質 問 事 項 1.核燃料サイクル開発機構等の中性子線量測定について (1)9月30日に、核燃料サイクル開発機構が実施したJCO敷地境界での中性子線量当量率の測定ですが、事故調資料第2-8-3号では、「17時05分頃」のデータしか公開されていません。しかし、『ウラン加工工場臨界事故調査委員会報告』の「参考資料」には「16時30分、サイクル機構が中性子線測定を開始」と記述されています。さらに、住田健二原子力安全委員(当時)も、その著『JCO臨界事故体験(筑摩書房)』の中で、「(サイト周辺の中性子サーベイを)16時30分頃からサイクル機構の保物関係者が県の要請で行った」と述べています。また、JCOがサイクル機構の測定器を使って、敷地周辺で中性子線量率の測定を開始するのは19時09分であり、17時05分以降、2時間もの間、中性子の測定が行われなかったことになっています。 @サイクル機構、原研、JCOが測定した17時05分以前の中性子線のデータについて、測定時刻、測定地点、測定値をすべて公開してください。 Aサイクル機構、原研、JCOが測定した17時05分〜19:09の間の中性子線のデータについて、測定時刻、測定地点、測定値をすべて公開してください。 (2)もし、17時05分以外のデータが存在しないとされるのであれば、なぜ17時05分以前に測定がおこなわれなかったのか、なぜ17時05分以降、2時間もの間、測定が行われなかったのか、その理由を具体的に説明してください。 (3)17時05分の中性子線量率の測定方法を説明してください。 (4)17時05分の中性子線量率の測定を行ったモニタリング車は、それ以前はどの地点で、何時から何時まで、何を測定していたのか、17時05分以降は、どこに行き、何を測定したのか、明らかにしてください。 2.(株)ジェー・シー・オーが行ったガンマ線および中性子線量の測定について (1)JCOが測定した、事業所周辺でのガンマ線の測定データですが、事故調資料によると15時25分から19時09分までの約4時間、測定データが公表されていません。データを公表してください。 (2)測定そのものがなされていないのなら、約4時間もの間、JCOは何をしていたのか、なぜ測定を行わなかったのか、その理由を説明してください。 (3)JCO周辺でのガンマ線モニタリングは、事故発生とほぼ同時にJCOによって開始されたはずです。10時35分から11時36分の間のガンマ線のデータを公表してください。 (4)@〜Oの測定点のうち、測定点Jについては「測定箇所欠番」とされ、測定位置および測定データが存在しないことになっています。「測定個所欠番」とはどういう意味か、なぜ測定点Jが「測定個所欠番」とされているのか、説明してください。 (5)事業所周辺でのガンマ線および中性子線量の測定方法を説明してください。 3.原研那珂研究所MP1・MP2のガンマ線データについて (1)原研那珂研究所MP1・MP2のガンマ線データですが、9月30日16時30分前後に大きなピークが記録されています。このピークの原因は何か、説明してください。もし、放出放射能によるものだとされるのであれば、そう判断する根拠を具体的に示してください。 4.原研那珂研究所サーベイポイント(700m)の測定データについて (1)事故調査委員会資料第2-8-3号の8頁には、原研那珂研究所の「サーベイポイント(γ,n)(約0.7km)」との記述があります。この「サーベイポイント」で、9月30日〜10月1日に測定されたガンマ線および中性子線のデータをすべて公開してください。 5.気象データについて (1)JCO周辺数十km範囲の気象データをすべて公開してください。自治体、サイクル機構、原研等が設置している、風向・風速の測定機器、降雨量の測定機器、気温・湿度の測定機器の場所と測定値をすべて明らかにしてください。 6.固定観測局の測定データについて (1)固定観測局の空間ガンマ線量率の測定値ですが、1時間平均の値しか公表されていません。茨城県、サイクル機構、原研、原電の各固定観測局で測定された9月30日と10月1日のガンマ線量率の1分毎の測定値を公表してください。 7.集団被曝線量に基づくリスク評価について (1)新聞報道によると、一時滞在者等の線量評価が終了したとのことです。以下のそれぞれについて、線量の総和はいくらですか。 @一時的に滞在した周辺住民28人の線量の総和 A防災業務関係者175人の線量の総和 B報道関係者26人の線量の総和 (2)以前から質問しておりますが、上記とこれまで公表されたJCO職員、一般住民全体の集団被曝線量に基づくリスク評価はどうなりますか。6月30日付回答では「リスク評価については、線量の推定結果のとりまとめと併せて検討する必要がありますので、もうしばらくお待ちください」とのことでした。現時点では、線量の推定結果のとりまとめも終了しています。 (3)リスク評価を行わないのであれば、その理由を説明してください。 |