科学技術庁 原子力安全課 様 (御担当 水元様) 2000年10月11日 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 大阪市北区西天満4丁目3番3号 星光ビル1階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581 9月7日付けの質問書(No.5)に対する回答を10月2日に受け取りました。それに関連して、今回bUの質問書をお送りします。前回の回答が非常に遅かったことを反省し、今回は即座に御回答下さい。10月13日(金)までに、文書で御回答下さい。 質 問 事 項 1.モニタリング車の配置換えについて (1)本米崎小学校での定点連続測定を中断してまでも、モニタリング車を移動させる必要があったのか、その理由を具体的に説明してください。 10月2日付回答によれば、15:30まで本米崎小学校で定点連続測定を行っていたモニタリング車(以下A車)は、16:03に本米崎小学校を出発し、その後、JCO西側近傍で試料採取を開始したことになっています。そして、A車の替わりに本米崎小学校での測定を再開したのは、大洗工学センターから派遣されたモニタリング車(以下B車)だとされています。 A車によるJCO西側近傍での試料採取開始時間は、これまでに公表された資料からすれば、16:24であると考えられます。しかし一方、B車による本米崎小学校での測定再開時間は16:55であり、大きな違いはありません。 B車を西側近傍に移動させて試料採取を行い、A車を移動させずに定点連続測定を継続させることも十分可能であり、その方がずっと合理的であったと考えます。それとも、B車とわざわざ交代しなければならない特別の事情があったのですか。 (2)核燃料サイクル開発機構大洗工学センターから派遣されたモニタリング車(B車)が本米崎に到着した時刻は何時ですか。 (3)回答のような配置換えが行われたとしても、A車による空間ガンマ線量の最終測定時間である15:30と出発時間である16:03までの33分間に測定が行われなかったのはなぜですか。 (4)配置換えの途中に測定されたデータがありますか。あれば公表してください。 (5)17:00以降、翌日1日の17:01までの測定間隔はほぼ10分刻み(20:11以降は正確に10分刻み)であるにもかかわらず、14:50から15:30までの40分間、14:32から14:50までの18分間、14:32から14:50までの22分間等、13:55〜17:00までの定点連続測定データは、測定間隔が大きく、その幅もまったくランダムになっています。それはなぜですか。 (6)モニタリング車に搭載されている測定装置(NaI(Tl))は、時間的に連続した線量率を自動的に計測・記録してゆくことが可能です。9月30日、本米崎定点連続測定での測定方法を明らかにしてください。チャートによる連続的測定、あるいは10分間隔というようにある間隔をくぎって測定する方法、それとも別の測定方法であったのかを明らかにしてください。 2.モニタリング車の台数について (1)γ線量率・中性子線量率および核種分析の試料採取のため、9月30日と10月1日に核燃料サイクル開発機構は何台のモニタリング車を使用したのですか。 (2)各々のモニタリング車ごとに、何を測定したのか、測定時刻、測定地点、測定値をすべて明らかにしてください。 3.定点連続測定について (1)これまで公表された資料によれば、定点連続測定が行われたのは、本米崎小学校のみです。定点連続測定場所に本米崎小学校を選んだ理由はなんですか。 (2)8月7日付回答で、本米崎定点連続測定の位置を地図で回答されましたが、非常に見にくいため、別紙地図に測定位置をきれいに記入してください。 (3)そのほかに、9月30日〜10月1日に定点連続測定を行った個所はありますか。あればその場所、時刻、測定値等を公表してください。 4.核燃料サイクル開発機構のγ線空間線量測定について (1)事故調資料第2-8-1号にある核燃料サイクル開発機構がγ線空間線量を測定した@〜Gの測定地点を地図上で明らかにしてください。 (2)JCO近傍での測定について JCO西側近傍での測定データですが、核種分析のための試料採取は17:51〜22:42まで行われているにもかかわらず、γ線空間線量の測定は17:55のみの1つのデータしか公表されていません(事故調資料第2-8-1号)。さらに、JCO北側近傍での測定データについても、核種分析のための試料採取は17:10〜22:57までおこなわれていますが、γ線は17:03〜18:20までの8つのデータしか公表されていません。 また、核燃料サイクル開発機構のホームページによると、JCO東側近傍、南側近傍でも測定がおこなわれていたと考えられますが、これらのデータについても一切公表されていません。そこで、 @核燃料サイクル開発機構がおこなったJCO西側近傍でのγ線空間線量の測定時刻と実測値をすべて明らかにしてください。 A核燃料サイクル開発機構がおこなったJCO北側近傍でのγ線空間線量の測定時刻と実測値をすべて明らかにしてください。 BJCO東側近傍、南側近傍でのγ線空間線量の測定時刻と実測値、および核種分析等全ての測定結果を明らかにしてください。 5.遮へいを含んだフィッティング式について 原研が9月30日20:45に実施した中性子線量の測定データですが、測定地点@の実測値が大幅に低くなった原因が「遮へいによる影響」であることについては、10月2日付の回答で確認されました。 したがって、実測値@等に基づいて作成されたフィッティング式には遮へい効果が含まれており、これを使って推定した住民・労働者の被曝線量には、遮へい条件の違いによって、実際よりも過小評価されているケースが存在していることは明らかです。 この点について、質問書No.5では、フィッティング式による過小評価があるのかないのか、明確な回答を求めたはずです。 しかし、10月2日付の回答は、「フィッティング式は...妥当なもの」というものでした。これでは、質問に対する回答にはなっていません。 フィッティング式による被曝線量の評価には、過小評価のケースが存在するのか、しないのか、再度明確に回答してください。 6.転換試験棟からの放出放射能による被曝線量について 転換試験棟からの放出放射能による被曝線量に関して、8月7日付回答によって以下の2点が確認されました。 @本米崎小学校での定点連続測定データのピーク値(フィッティング式の最大約9倍)、および茨城県が測定した原研那珂東側道路でのγ線実測値(フィッティング式の最大約80倍)の原因は、「転換試験棟から大気中に放出された放射性物質からの線量の影響」である。 Aフィッティング式は転換試験棟からの直達のγ線のみを考慮したものであり、放出放射能による外部被曝や、呼吸摂取や経口摂取による内部被曝については除外されている。 以上2点の確認の上に立って、以下の通り質問します。 (1)8月7日付回答では、放出放射能による被曝は「0.1mSv程度である」とされていますが、その根拠となった原研による試算(事故調資料5-2-2号)は、モニタリングポストの測定値との比較・検討のみです。そのような試算を根拠に、本米崎と県のデータについて「0.1mSv程度である」となぜ結論づけることができるのでしょうか。原研試算によって、本米崎と県のデータが再現できるかどうか、比較・検討されたのですか。なされているのならその結果をを示してください。 以上 |