JCO臨界事故の被曝評価等に関する質問書bT


                                               科学技術庁 原子力安全課 様
                                                       (御担当 水元様)

                                                        2000年9月7日

                                         美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
                                     大阪市北区西天満4丁目3番3号 星光ビル1階
                                         TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581


 7月26日付けの質問書(No.4)に対する回答を8月7日に受け取りました。それに関連して、今回bTの質問書をお送りします。
 9月18日(月)までに、文書で御回答下さい。 

                         質   問   事   項

1.那珂町本米崎でのγ線定点連続測定について

 8月7日の回答では、15:30の次は16:55と1時間25分も測定が行われなかった理由は、「JCO敷地周辺のモニタリング対応のため、モニタリング車等の配置換えを行ったため」とされています。
 事故調査委員会の資料によれば、核燃料サイクル開発機構が、JCO敷地周辺でガンマ線測定を行ったのは17:03〜18:20の間であり、本米崎とJCO敷地周辺で平行して測定が行われていたことになっています。
 普通に考えると、15:30まで本米崎で連続測定を行っていたモニタリング車を、わざわざJCOに移動させ、その替わりに別のモニタリング車を本米崎に移動させて測定を再開したということになります。しかも、たった700メートルの移動に1時間33分もかけています。こんな不合理な「配置換え」がおこなわれたとはとても考えられません。

(1)では15:30まで本米崎で定点連続測定をおこなっていたモニタリング車は、何時何分に本米崎を出発し、何時何分にどこに到着し、測定を開始したのでしょうか。

(2)JCOの敷地周辺で17:03〜18:20の間測定を実施したモニタリング車は何時何分にどこを出発し、敷地周辺に到着したのは何時何分なのでしょうか。

(3)16:55から本米崎での測定が再開されていますが、この時測定をおこなったモニタリング車は、15:30以前のモニタリング車と同一の車なのでしょうか。

(4)16:55分以降の測定を行ったモニタリング車は本米崎に到着するまではどこで測定をおこない、そこを出発したのは何時何分なのでしょうか。

 以上具体的に説明してください。


2.原研が9月30日20:45に測定した地点@と地点Nの中性子線線量について

(1)原研が9月30日20:45にJCO周辺22地点で実施した中性子線線量の測定データですが、地点@と地点Nは、転換棟からほぼ同じ距離(約500メートル)にあるにもかかわらず、地点@の測定値12μSv/hに対して、地点Nの測定値は45μSv/hと約3.7倍も大きくなっています。地点@は窪地の底である一方、地定NはJCO敷地を直接見通すことのできる位置にあります。実測値の差の原因は、地点@が地形による遮へいの影響を受けている一方、地点Nにはほとんど遮へいがなかったためと考えられますが、どうですか。

(2)実測値の差が、遮へいによるものではないとするならば、測定点@と測定点Nの間で、3.7倍もの差が生じた理由を説明してください。

(3)測定点@のすぐ側の本米崎小学校のグラウンドは、測定点@よりも高い位置に存在しており、グラウンドからはJCOの敷地を見通すことができます。実測値の差が、遮へいの有無によるものだとすると、測定点@と比較して遮蔽効果のより小さなグラウンドや校舎にいた子ども達は、測定点@での実測値よりも高い線量を浴びたことになります。ところが、フィッティング式は遮へいの影響を受けている測定点@を含んだデータに基づいて作成されているのですから、フィッティング式を使って推定した子どもたちの被曝線量は、過小評価されていることになるのではありませんか。

(4)さらに、測定点@を含んだフィッティング式では、住民・労働者の被曝線量全体を過小評価することになるのではありませんか。

(5)また、測定地点D、21、22の実測値については、あまりにも値が低いという理由で、フィッティング式の算定からあらかじめ除外されてしまっています。測定地点D、21、22について、他の値と比較して大幅に低い値となった原因を、各々の測定点毎に具体的に説明してください。


3.原研が9月30日20:45から10月1日7:50までに測定した22地点での測定について

(1)原研は9月30日20:45の「第1回」から翌10月1日7:50の「第9回」まで、JCO周辺22地点で、中性子線とガンマ線の測定をおこなっています。「第1回」の測定は22地点すべてで測定が行われているにもかかわらず、「第2回」〜「第4回」は2地点のみの実測値しか存在していません。なぜ「第2回」〜「第4回」の測定では20地点の測定がおこなわれなかったのか、その理由を説明してください。

(2)「第2回」〜「第9回」まで、測定時刻の間隔は1時間〜1時間30分となっています。ところが、「第1回」の20:45から「第2回」23:58までは、3時間14分間も間隔が空いています。他と較べて、なぜ「第1回」と「第2回」の測定間隔がこれほど空いているのか、その理由を説明してください。


4.金の放射化からの推定被曝線量について

 周辺住民から提出を求めた金製品からの推定線量について公表してください。最低限、サンプルの総数、各サンプルについて、事故現場から採取地点までの距離、放射化によって生じた同位体の量(Bq/Kg)、同位体量から求めた1センチメートル線量当量等のデータを明らかにしてください。



トップ