「JCO臨界事故の被曝評価等に関する質問書bU
への科技庁の回答
(2000年11月10日)


1.モニタリング車の配置換えについて
(1)小学校側から、生徒が下校するため移動してほしいとの申し入れがあり、それを受けて移動したと聞いています。
 A車とB車の動きについては、当時の判断としてその様な配置になったものであり、特段の理由はないと聞いております。
(2)16:55の測定直前に到着したと聞いております。
(3)空間γ線量率の測定以外に試料採取等の作業を行っていたためです。
(4)B車が移動中の16:28に、小学校から約200m東海側でデータを測定しております。
(5)現場の作業状況に応じて行われたため、測定間隔が不規則になったものです。
(6)測定時間15:30以前のモニタリング車Aと測定時刻16:55以後のモニタリング車Bともに、車載のNaI(Tl)空間γ線量率計により測定したものです。
 A車については、作業状況にあわせ任意の時間に表示値を読んだものであり、B車については、10分毎に測定値をプリントアウトするシステムにて測定したと聞いています。

2.モニタリング車の台数について
(1)5台(モニタリング車3台、サーベイ車2台)を使用したとのことです。なお、モニタリング車、サーベイ車では、中性子線は測定していません。
(2)
 ○ モニタリング車1(A車)
9月30日
13:55〜15:30 本米崎小学校(空間γ線量率)
13:55〜16:03 本米崎小学校(大気塵埃、ヨウ素捕集、土壌採取)
16:24〜16:42 JCO近傍W地点(大気塵埃、ヨウ素捕集)
18:10〜19:04 JCO近傍(走行サンプリング 大気塵埃、ヨウ素捕集)
18:15〜18:29 JCO近傍(走行サーベイ 空間γ線量率)
10月1日
02:48〜04:00 東海村内38地点(移動サーベイ 空間γ線量率)
場所、測定結果は別紙参照
  09:58〜11:48 10q圏内2qメッシュ(移動サーベイ 空間γ線量率)
  14:46〜16:30 JCO近傍W地点(大気塵埃、ヨウ素捕集)
  14:52〜16:38 JCO近傍N地点(大気塵埃、ヨウ素捕集)
  15:12〜16:53 JCO近傍S地点(大気塵埃、ヨウ素捕集)
  17:42〜19:06 JCO近傍E地点(大気塵埃、ヨウ素捕集)

 ○ モニタリング車2(B車)
  9月30日
  16:28 本米崎小学校から約200m東海側(空間γ線量率)
  16:55〜10/1 08:01 本米崎小学校(空間γ線量率)
  10/1
  09:53〜11:48 10q圏内2qメッシュ(空間γ線量率)

 ○ モニタリング車3
  9月30日
  13:52〜14:03 南2q(空間γ線量率、大気塵埃、ヨウ素捕集、土壌採取)
  14:34〜14:45 西2q(空間γ線量率、大気塵埃、ヨウ素捕集、土壌採取)
  15:25〜      (JCO周辺のモニタリング支援)
  10/1
  08:11〜17:01 本米崎小学校(空間γ線量率)

 ○ サーベイ車4
  9月30日
  14:25〜14:48 東2q(空間γ線量率、大気塵埃、ヨウ素捕集、土壌採取)
  15:02〜15:17 北2q(空間γ線量率、大気塵埃、ヨウ素捕集、土壌採取)
  17:50〜18:20 敷地北(空間γ線量率)
  17:10〜22:57 JCO近傍N地点(大気塵埃、ヨウ素捕集)
10/1
  10:28〜15:53 10q圏内2qメッシュ(土壌・葉菜類採取)

 ○ サーベイ車5
  9月30日
  14:25 本米崎小学校でモニタリング車1から試料回収
  14:40 東海事業所へ帰還
  15:15 本米崎小学校でモニタリング車1から試料回収
  15:30 東海事業所へ帰還
  15:50 JCO近傍モニタリング
  17:03〜17:40 敷地北(空間γ線量率)
  17:51〜20:45 JCO近傍W地点(大気塵埃・ヨウ素捕集)
  20:50〜22:42 JCO近傍W地点(大気塵埃・ヨウ素捕集)
  18:20 事故調資料 表3−2 A(空間γ線量率)
  18:33 事故調資料 表3−2 G 敷地南(空間γ線量率)
  10/1
  01:15〜04:12 日立港:海洋モニタリング
  10:29〜16:16 10q圏内2qメッシュ(土壌・葉菜類採取)

 ○ 車両を特定出来ないデータ
  9月30日
  19:57 舟石川モニタリングステーション2(空間γ線量率)0.25μGy/h
  20:42 JCO敷地西(空間γ線量率)7μGy/h
  20:30 JCO敷地北(空間γ線量率)2.2μGy/h
  測定地点は別紙参照

※測定結果が記載されていないものは、「茨城県 環境放射線監視季報第109報」に載っております。

3.定点連続測定について
(1)核燃料サイクル開発機構が自主的に測定を開始したものと聞いています。
(2)別紙のとおりです。
(3)その他にはありません。

4.核燃料サイクル開発機構のγ線空間線量測定について
(1)茨城県の監視季報第109報30ページ図4参照
(2)
 @ JCO西側近傍
  9月30日  
   17:55 10.1μGy/h
   20:42  7μGy/h
 A JCO北側近傍
9月30日
 17:03 6.2μGy/h
 17:09 5.0μGy/h
17:34 4.2μGy/h
17:40 3.9μGy/h
17:50 4.3μGy/h
18:00 4.1μGy/h
18:10 3.8μGy/h
18:20 3.4μGy/h
20:30 2.2μGy/h
 B JCO東側近傍、南側近傍
・空間γ線量率
9月30日
 敷地東 18:20 8.2μGy/h
 敷地南 18:33 60μGy/h
・大気塵埃
10月1日
 敷地東 17:42〜19:06 検出されず
 敷地南 15:12〜16:53 検出されず
・大気中ヨウ素
10月1日
 敷地東 17:42〜19:06 検出されず
 敷地南 15:12〜16:53 検出されず

5.遮蔽を含んだフィッテング式について
測定点@を除いてフィッテングをしなおしても式に大きな差はなく、また線量の評価まで行って比べても殆ど差がないことから、過小評価のケースはないと考えます。

6.転換試験棟からの放出放射能による被ばく線量について
(1)モニタリングポストのデータから算出した放出率は、原研が溶液から試算した希ガス生成量とも、よく一致していることから、これを用いた線量推定は合理的であると考えます。
(2)県のデータを計算で推測すると、実測値も推測値も0.1mSv以下であります。
(3)本米崎小学校のデータを計算で再現することは困難であります。



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