9月16日、東海村臨界被ばく事故裁判の第2回控訴審が東京高等裁判所822号法廷で開かれた。前回同様、約50の傍聴席はほぼ原告(控訴人)の支援者で満席になった。 冒頭、裁判長が交代になったことが知らされた。原告側は準備書面(4)〜(7)を陳述、被告JCOは準備書面(2)を陳述した。原告側準備書面では、[1]大泉昭一さんの紅皮症悪化が草刈りによるとしているJCOの主張を批判し、[2]1審判決が医学的に見て明らかに誤っていること、[3]放射線被ばくの確定的影響と確率的影響の機械的2分論としきい値についての評価が、最近の原爆症裁判における裁判所の判断に反していること等を主張している。 法廷では、原告側海渡弁護士から、意見陳述を次回にまとめて口頭で行いたいと申し出がなされた。裁判長は「そうですか。わかりました」と答え、この日の結審を期待していたJCO側弁護士は多少困惑した様子を見せた。JCOは大泉恵子さんの精神状態について、事故前後で大きな変化がなく、事故によるPTSDはなかったと主張している。これに対して原告側は、2人の証人申請を行った。一人は恵子さんの主治医、もう一人は幼なじみで事故当時同じ職場に勤めていた友人である。事故のため、快活な性格が一転してしまった様子などを証言してもらうというものである。 JCO側弁護士は、「新たな証人は必要ない。意見陳述について必要であれば、この場で10分程度すればすむはず。結審を求める」と発言、いつものように早期決着を求めた。 これに対して原告側は、JCOが提出した準備書面(2)への反論が必要と考えていること、意見陳述は30分程度ほしいと主張した。 裁判長は「その後のことも含めて合議します」と、一旦休廷した。法廷再開後に裁判長は、意見陳述について30分は長いので20分で行うこと、次回は意見陳述とし、その後の進行についてはその後決めると述べた。原告側の反論はそのときに間に合えば提出することになった。次回期日は10月2日16時からとなった。裁判はいよいよ大詰めを迎えている。最後まで支援していこう。 (J) (08/09/27UP) |