第24回東海村臨界事故裁判報告
判決が2月27日に決定
「提訴は原告2人だけだ。そのことからも健康被害はなかったと言える」(被告JCO)



 11月14日、第24回東海村臨界被ばく事故裁判が行われ、原告、被告双方が最終準備書面を陳述し、結審した。
 法廷の場では原告2人がそれぞれ一言ずつ裁判官に訴えた。
 大泉恵子さんは「JCO事故の前日まで普通に仕事をしていました。PTSDでもうつ病でもパニック症候群でも病名は何でもよいですが、事故後仕事をしないといけないのに会社に行けなかったのは紛れもない事実です。(JCO側は五感に感じないからPTSDはありえないと書いているが)五感に感じないからこそ恐ろしく、不安が大きく膨らんでいったのです」と少し涙ぐみながらもしっかりと訴えた。
 大泉昭一さんは「JCO事故は一生忘れられない。今も苦しみは続いている。経済優先で安全をおろそかにする態度は電力会社の原発運転の姿勢に今も続いており、JCO事故から何も学んでいないということが腹立たしい。未だ健康被害を認めていないことは許されない」と訴えた。
 続いて原告側海渡弁護士から、恵子さんは事故による精神的な状態から裁判の前半までは直接会って詳しく聞き取りを行うことも困難だった。裁判の過程でやっと詳しい内容が判明し、裁判に反映できるようになったと補足された。同じく伊東弁護士からは、放射線の確定的影響について、しきい値以下でも5%以下の症状が発生する事実をJCO側が見逃した主張をしていること、また中性子線の人体影響についてよくわかっていないことはJCO側も認めていることを主張した。
 これに対して被告側JCOと住友金属鉱山の弁護士は、「多くの住民がいながら健康被害を受けたと提訴しているのは原告2人だけだ。そのことからも健康被害はなかったと言える」と主張した。原子力村の東海村で裁判を起こすことがいかに大変であるかということを無視して健康被害が言いがかりであるかのような全くひどい態度に終始した。
 その後、判決言い渡しが2月27日午前10時からに決定した。判決に多くの人が集まり、最後まで支援していこう。

(07/11/19UP)