内部告発で明らかになった
福島第一原発1号機からのα核種の放出等に関する
情報公開を求める要求書bQ



東京電力株式会社社長 勝俣恒久 様

                                                         2002.11.15

 前回、11月1日に出した「情報公開を求める要求書」に対し、11月11日に電話とFAXにより回答がありました。この日の回答は極めて不十分なものであるため、下記のとおり、追加して情報公開の要求をいたします。

1.福島第一原発1・2号機共用排気筒でのα核種の濃度データは「1978年9月から測定しており、データは存在する」とのことでした(国への報告は1982年から)。そのため1978年9月〜1979年4月までのデータは公表するとの回答を受けました。ただその場合、データを「見やすいようにするため、18日(月)まで待ってほしい」とのことでした。
(1)「見やすいように」とは、データに手を加えられる恐れがあるので、当時の生のデータを即刻公表すること。

2.前回の質問2である「1981年10月以前の原子炉建屋床表面汚染密度検査測定結果等の資料公開」については、データは出す必要はないとの回答でした。その理由として、第一に、データは存在するが、週に1度各フロアを測定しているためデータの量が膨大になること、第二に、被曝問題に関しては、国に報告しているとおり線量限度を超えていないとの事でした。
 後者については、貴社が国に対して行った報告に多くのウソがあったことが明らかになった今回の不正事件に照らして、非公開の理由にはもはやなり得ません。そのため残るのは「データ量が膨大」という理由だけです。そのため、以下のとおり期間等を限定しますので、そのデータを公表してください。
(1) 福島第一原発1号機の第6回定検を含む時期(1978年9月〜1979年2月)における、管理区域の床表面放射性物質の密度測定結果のうち、以下の値に該当する測定値に関して、測定値・測定日時・場所(たとえば、ドライウエル内のどこ、原子炉建屋内の何階フロアなど)を明らかにすること。
 @ α核種の密度が10−5μCi/cm2を超える測定値
 A α核種以外の密度が10−4μCi/cm2を超える測定値
(2)福島第一原発1号機の第6回定検を含む時期(1978年9月〜1979年2月)における、管理区域の空気中放射性物質の濃度測定結果のうち、以下の値に該当する測定値に関して、測定値・測定日時・場所(上記と同様)を明らかにすること。
@ 核種の濃度が10−12μCi/cm3を超える測定値
A α核種以外の濃度が10−9μCi/cm3 を超える測定値

3.福島第一原発1号機の第6回定検で明らかになった燃料棒破損事故に関する資料をFAXでいただきました。しかし、破損した22体の燃料集合体すべての配置図がありません。また、この資料は当時のものではなく、肝心の破損の大きさすら記されていません。電話では、ひび割れの長さは6本とも「10数p」とのことでした。ところが添付されている図に描かれている1本だけのひび割れの長さは約5pしかなく、しかもひび割れの幅が信じられないくらい細いものです。
そのため、以下を明らかにしてください。
(1) 破損した22体すべての燃料集合体の配置を図で示すこと。
(2) ひび割れの見つかった燃料棒6本それぞれについて、ひび割れの大きさを数値で示すこと。
(3) 破損した燃料棒のすべてのひび割れ部分の写真(あるいはスケッチ)を公開すること。
(4) これだけのα核種が出るような場合、燃料ペレットの中心温度はおよそ何度になっているか、その推定値を示すこと。
(5) 破損した燃料は、その後に何処にいったのか明らかにすること。

4.1980年前後数年間にわたるα核種の放出・建屋全体の汚染は、「当時燃料破損が頻繁に起きており、放射能が冷却材中にとけ込み、定検で圧力容器のふたをあけた時に空気中に出ていった」ことによるとの回答でした。また、「第5回定検(1976年)でも14本の燃料破損があった」こと、さらに、「1984年以降α核種は検出されていない」と述べられました。これらに関し、下記の資料を公開してください。
(1)第5回定検での14本の燃料破損に関する事故報告書
(2)第1回〜第4回定検での燃料破損に関する事故報告書
(3)「1984年以降α核種は検出されていない」とは、排気筒で検出されていないという意味なのか、ドライウエル内や建屋床表面でも検出されていないという意味なのか、明らかにすること。同時に、それを裏付ける測定データを公表すること。

 上記内容について、11月20日(水)までに、文書で御回答ください。

    2002.11.15

いわきに風を  脱原発福島ネットワーク  福島原発30キロ圏ひとの会  
原発反対刈羽村を守る会  プルサーマルを考える柏崎刈羽市民ネットワーク
みどりと反プルサーマル新潟県連絡会  グリーンピース・ジャパン
原水爆禁止日本国民会議  ストップ・ザ・もんじゅ東京  
東京電力と共に脱原発をめざす会 福島老朽原発を考える会 グリーン・アクション 
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 
 大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル1階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581



トップ