「外装板とフィンとの溶接部の外観検査を行い異常なし。 足場を組んで、フィン全数(約100枚)・全周(約6m)を検査した。 6/17(月)に1時間かけて行いました」(国交省) ↓ 両側溶接部1mをわずか6秒で検査!!! こんな検査で溶接部の腐食やすきまの有無が分かるのか? |
6月18(火)に国交省から文書回答が届きました(別紙参照)。あまりにいい加減な回答だったため、電話で内容を確認しました。 ■腐食検査は1時間で終わった。 フランスで保管中の容器に腐食が見つかったが、今回の返送用容器では水の進入を防ぐ密閉構造となっている。ただ、外装板とフィンとの溶接箇所の腐食については外観検査で確認したと言います。 はじめの電話では、外観検査は17日から始まった国の検査では、まだ行っていないとのことでした。いつ行う予定かとたずねると、30分以上待たされて、以下の回答です。 国 「間違っていました。腐食の外観検査は17日(月)に既に終わっていました。外装板とフィンとの溶接部の外観検査の結果、異常ありませんでした」 美浜 「フィン全てを検査されたのですか」 国 「はい」 美浜 「約100枚くらいありますけど、その全てを検査したんですね」 国 「はい」 美浜 「フィンの全周全てを検査されたんですね」 国 「はい」 美浜 「輸送容器は縦向きに置いてありますね」 国 「さっきは横と言いましたが、確かに縦向きに置いています」 美浜 「容器の全長は約6m程あり高いのですが、上の方は何かにのって検査されたのですか」 国 「はい。足場を組んでおりますので、高い所もそれで検査しています」 ■この内容をまとめると以下のようになります。 @外装板とフィンとの溶接部の腐食検査は、6月17日(月)に1時間で行った。 A検査方法は外観検査。もちろん、目でみるだけ。 Bフィンの全数、約100枚全てを検査した Cフィンの全周、約6mを全て検査した D足場を組んで高い所(約6m)も検査した。 ■計算してみると、フィンの両側にある溶接部1mをわずか6秒で検査! ・1時間=60分=3600秒 ・3600秒÷100枚=36秒 → 1枚のフィンの検査は36秒 ・フィンの円周は約6m → 1mをわずか6秒で検査 ・今回の返送用の容器は、フィンの両側を外装板に溶接しています。そのため溶接検査は両側を行うこととなります。→ 両側溶接部1mを6秒で検査。片側溶接部1mなら、3秒の検査です。 ・1秒の休憩もなく検査をやったとして、両側1mを6秒です。 ・さらに足場を組んで高い所も検査したと言いますから、足場の昇り降りに時間がとられます。そうなると両側1mをほんの数秒でしょう。 ・また、容器は円筒形ですから、高い所の足場では、歩くだけでもさぞかし時間がかかるでしょう。それとも、足場がメリーゴーランドのように動く足場だったのでしょうか。その点は確認するのを忘れました。 ■6月21日にはMOX燃料を容器に入れる予定。 国の検査は、17日、18日と行い、21日(金)には容器にMOX燃料を入れる予定だと言います。その後、24日、25日に燃料を入れた段階での「検査」を行い終了予定だといいます。 ■まったくずさんな国の検査。 これが、国の検査の実態です。こんないい加減な検査で、溶接部の腐食や、隙間の有無などが分かるはずがありません! フランスで見つかった腐食の原因についても、関電が「水が原因」と言っているだけで、国としてそのことを確認してはいません。それにもかかわらず、関電の宣伝マンのように、腐食の見つかった容器と返送用容器は「構造が違う」。フィンは外装板に両側から溶接されているので、密閉構造だから水は入らない。だから溶接部の腐食検査は、わずか1時間の外観検査でOKと言うのです。 このずさんな国の検査の実態を、福井県民や、輸送に反対する輸送ルート沿岸諸国等に広く知らせて行きましょう。輸送反対の声をあげていきましょう。 ■関電は交渉にすら応じようとしない。 私達は、関西電力に対し、輸送容器の腐食問題等に関する交渉を早急に行うよう要求しています。しかし関電の回答は、「交渉は7月1日か2日」と言うものです。関電は返送輸送を7月上旬にも強行しようとしています。輸送の直前に形だけの交渉を行おうというものです。輸送容器の安全性等について、何のやましいことがないのであれば、正々堂々と、早急に交渉に応じるべきです。 |