高浜町内でのアピールデモ(午後1時〜2時)。色とりどりの横断幕が風にひるがえる。「BNFLは二度とくるな」「プルサーマルをやめよ!」「海上輸送をするな!」じりじりと照りつけるような初夏の強い日差しの下、力強いシュプレヒコールが、高浜町内に響き渡った。 高浜町役場で高浜町長への要請書を提出。高浜3、4号でのプルサーマル実施計画の白紙撤回して欲しいという強い要望が町にぶつけられた(受け取っているのは助役)。 町内デモと要請行動を終え、関電高浜原発へと移動の途中、福井県警による検問にぶつかった。機動隊が原発に近づく車を一台一台止めている。「責任者の名前は」「身分を証明できるものは」「バスの中に女性は何人乗っているのか(?)」等々、明らかな嫌がらせである。 関電高浜原発ゲート前での要請書提出行動(午後3時頃)。しかし関電は、門を閉ざし出てこない(上)。警備員(セコム)が門のすぐ後ろで仁王立ちになっている(左下)。ここでもシュプレヒコール。「関電出てこい」コールの末、ゲートを人一人分だけ明け、職員が一人出てくる。読み上げられた要請書を憮然とした表情で受け取り、「承りました」を繰り返すのみだった(右下)。 不正MOX燃料返送用の輸送容器の積み込みを終え、出航を待っているパシフィック・ピンテール号。舳先には、20mm機関砲が周囲を威圧するように鎮座している。その向こうには多数の海上保安庁の巡視船が遊弋している。 関電への要請書提出行動の後、音海地区の帯ヶ崎海岸で、出航しようとする輸送船に向かって抗議行動を開始した(午後3時半〜)。高浜原発に向けて横断幕を並べ、途切れることなくシュプレヒコールを続ける。 やがてパシフィック・ピンテールが離岸、イギリスに向けた航海を開始した。周囲を20隻以上の海上保安庁の船が取り巻いている。機関砲で武装した輸送船が、同じく機関砲で武装した何隻もの巡視船に守られ見送られて、高浜を出て行くのだ。まったく異様な光景である。上空には報道関係のヘリコプターが何機の飛び回っている。 海上では、「STOP PLUTONIUM」と書いた抗議の凧を上げ、グリーンピースのアークティック・サンライズ号が抗議行動を開始した。その行動を海上保安庁の巡視船が妨害する。グリーンピースのボートを何台もの海上保安庁のボートが追い回す。 海岸では、輸送船が見えなくなるまで、シュプレヒコールが力強く続けられた。目の前を輸送船が通る。最後の最後まで住民の声を無視し続けてきた関西電力に対する怒りがわき起こる。「BNFLはもう来るな」「プルサーマルをやめよ」輸送船に向けてこぶしが突き上げられる。 最後の挨拶で、福井県民会議の小木曽さんから「不正MOXはBNFLに向けて出て行ったがこれで終わりじゃない」との総括報告が行われた。使い道のない燃料をイギリスに持って行くことは、どうしようもない猛毒の物質をイギリスの人々に押しつけることにもなる。核廃棄物の発生源である原発がある限り、この矛盾はなくならない。今回のことを、核のゴミ問題を考える出発点にしたいという報告は参加者の心に深く残った。核廃棄物を産みだし、どうしようもない矛盾を押しつけてくる原発を止めるため、プルサーマルの最後的断念に向けた取り組みを強めて行きたいと決意を新たにした。 |