グリーンピースの派手なデモのなかを、MOX燃料を積んだ輸送船が19日夜、シェルブール(マンシュ県)から日本に向けて出港する予定だ。しかし、日本の反原発専門家は、燃料の品質が不良であると見ている。日本の裁判所がこの問題の判断を下すことになっている。この訴訟によって、日本の電力会社のMOX利用は遅れる見通しだ。 (略) 品質管理 日本の反原発団体は、ベルゴニュークリア社(ベルギー・デッセル)が下請けで製造し、1999年にコジェマが東京電力に送った燃料[福島T−3原発用MOX]についても、同様のミスがあった可能性があると指摘している。大阪の大学の数学者で市民団体「美浜の会」代表の小山英之氏は、この核燃料に関して入手できた数少ないデータをBNFLの製品に用いられたのと同じ方法を使って分析した結果、BNFLが(公開データの)単位として1ミクロンを用いるのに対して、ベルゴニュークリア社のものは4ミクロンであり、この単位では不良品が隠されてしまう可能性があるとの結論に達した。 この論争は、核燃料の品質管理に関わるものだ。核燃料は多数の燃料棒の集合体が集まってできているが、核燃料棒には約千個のペレットが入っている。ペレットのサイズ(直径約10ミリ)には高度な正確さが要求され、大きすぎると炉のなかで核分裂した際に危険な現象が起きる恐れがある。しかし、ペレットは非常に数が多く、一つひとつ検査することができないため、サンプルによる品質管理が行われている。 ベルゴニュークリア社のイヴァン・ヴァンデルボルクMOX部長は、電話インタビューに答えて、「確認作業は、日本顧客と日本政府が何重にも行っており、彼らはBNFLの一件を十分承知している」と語っている。ヴァンデルボルク氏は、ベルゴニュークリア社は1986年以来23万本の燃料棒を製造しているが、燃料に帰せられるようなトラブルが発生したことはかつて一度もないことを強調している。同氏は、(公開された)ペレットの単位が4ミクロンであることは認めているが、「それは顧客側からの指定によるものだ」と語っている。 この問題は、現在日本の法廷で争われている。日本の多数の市民団体(グリーン・アクション、グリーンピース・ジャパンなど)が、原発へのMOX装荷に反対する裁判を始めており、福島地方裁判所ではすでに5回の審尋が行われている。福島地方裁判所は、1月18日に公表された書簡のなかで、東京電力に対してベルゴニュークリア社の品質管理データの提出を求めるとともに、小山氏の指摘にも詳細に回答するよう求めている。 翻訳 グリーン・アクション |