集 会 宣 言

 私たちは昨年5月27日に実施された、「新潟県刈羽村のプルサーマル住民投票一周年」を記念し、全国から世界最大の原発基地のある柏崎刈羽に集まりました。
 刈羽村がプルサーマル反対の民意を示したにもかかわらず、未だ当地のプルサーマル計画は正式に中止されていません。むしろ、国や東京電力は理解活動と称する問題行為を強めています。「プルサーマル連絡協議会」は推進計画を作り、「市民参加懇談会」は住民を懐柔しようとしています。今年3月東電は、説明もなく次期MOX燃料の製造を開始しました。柏崎市長は民意を確認せずプルサーマル推進を表明し続け、刈羽村長も新潟県知事も推進寄りで、あいまいな態度です。彼らは今年の夏のプルサーマル強行を画策していますが、続発する原発事故や電力自由化の進展など、プルサーマル反対の民意は強まるばかりです。
 このような状況の中、プルサーマルを中止すべく、全国から結集しました。集会初日(6月1日)の、基調報告と記念講演、市中デモ行進と交流会に続き、2日目は、「住民投票、再処理・MOX・プルサーマル、原発震災、原発の老朽化、エネルギー政策、原発入門」についての分科会と全体集会を開催しました。
 私たちは、原発問題の深刻さと行き詰まった、原子力政策の現状を確認しましたが、原子力関係者は惰性の推進路線を改めず、「原発震災」など一層深刻な原子力事故が危惧されます。
 核燃料サイクル政策は破綻しているにもかかわらず、青森県では危険な再処理工場やMOX工場の建設が依然進められています。このままでは、事業主体の経営破綻で、消費者・国民に負担が強いられることになるでしょう。
 事業者や文部科学省は「原子力・エネルギー教育支援事業交付金」などを使い、原子力の優位を説き、放射線の影響を受けやすい、子供たちや母親を原発見学に連れ出しています。
 現在原発を抱える地域では、点検・修理コストの削減や老朽化など危険性が高まっています。
 また、使用済み核燃料の中間貯蔵施設や高レベル廃棄物貯蔵施設建設、放射性廃棄物のスソ切り処分、ITER(国際熱核融合実験炉)誘致などが、国内外の反対を押し切って強行されようとしています。
 国や事業者は、嫌がられる危険な核利用を推進するため、「地域振興」と称して多額の投資を続けています。こうした政策は、地域の自立を妨げ、真の発展には役立っていません。刈羽村の「ラピカ事件」のような問題を各地にもたらします。
 私たちは、核利用のもたらす諸問題を知るにつけ、核と人類−生物は共存できないと確信します。核兵器原料を作る原発を止め、「再生可能な自然エネルギー」を開発することこそが、核のゴミを残される将来世代への責任を果たす道だと確信します。

以下、関係各位に要請します。
1.プルサーマル計画を中止すること
2.使用済み核燃料の再処理工場建設を中止すること
3.高速増殖炉もんじゅを廃炉にすること
4.高レベル放射性廃棄物の貯蔵施設建設を中止すること
5.使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設計画を中止すること
6.MOX燃料製造工場の建設計画を中止すること
7.原発震災を未然防止するため原発を停止すること
8.原発の運転コストや処分費用などすべての情報を公開すること
9.原子力推進のための教育や宣伝活動を中止すること

2002年6月2日
住民投票1周年プルサーマル中止を求める全国集会参加者一同



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