抗 議 声 明
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玄海3号の放射能漏えい燃料棒の特定や原因は明らかになっていない |
高浜3号プルサーマルの営業運転開始に抗議する |
関西電力は本日(1月21日)、昨年からの地元福井県、高浜町、そして関西の多くの人々の不安と反対の意思を踏みにじって、高浜3号プルサーマルの営業運転を強行した。私達は強く抗議する。 昨年12月8日に発生した玄海3号プルサーマル炉での一次冷却水への燃料漏えいについて、現時点では、ガドリニア入りウラン燃料集合体から放射能が漏えいしたことが明らかになっただけだ。漏えいした燃料棒の特定も、原因究明もまだこれからである。それにもかかわらず関電は、玄海3号の調査結果を待つことなく、スケジュール最優先で営業運転を開始した。 MOX燃料棒は初期内圧が低いために、燃料棒と支持板の間に隙間ができ、燃料棒が支持板とこすれて放射能漏えいが起きやすいという固有の危険性がある。だからこそ九電は通常は週1回のヨウ素測定を、玄海3号プルサーマル炉に限って週4回と監視を強めていた。今回の漏えいがMOXからではなかったとは言え、この固有の危険性はなくなっていない。 もし玄海3号の漏れがガドリニア入り燃料棒からであったとすると、MOX燃料の危険性が裏付けられることになる。なぜなら、ガドリニア入り燃料棒は、これまでの漏えい事例から、燃料棒内圧が低いため支持板との間に隙間ができ、燃料棒が支持板とこすれて穴があく可能性が高い。すなわち、MOX燃料とよく似た状況にあるからだ。 関電は、玄海3号の漏えいにより測定回数を増やしていた一次冷却水中のヨウ素濃度の監視を、営業運転開始から通常どおり週1回の測定結果公表に戻そうとしている。これは、MOX燃料固有の危険性を無視するものであり、漏えいが起きた場合ほぼ1週間放置することになる。安全第一の姿勢とはほど遠い。 六ヶ所再処理工場の行き詰まりによって、使用済MOX燃料は高浜現地に半永久的に捨て置かれる。また、関電の原発内の使用済燃料原発プールは満杯状態に近づきつつあり、今後5年の内に燃料取替が困難になるほどである。原発プールでの臨界事故の危険性、老朽化に伴い放射能で汚染されたプール水の漏えい等の危険が待ちかまえている。 このような中で高浜3号プルサーマルの営業運転を開始したことに強く抗議する。 2011年1月21日 |
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(11/01/21UP) |