抗 議 声 明
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関西電力初のプルサーマル炉起動に抗議する |
高浜町が核のゴミ捨て場になることを知り始めた人々の意思は |
より大きな重しとなって関電に跳ね返る |
関西電力はついに、多くの人たちの反対を押し切って高浜3号プルサーマル炉を起動した。このことに強く抗議する。 プルサーマルはウラン燃料用に設計された原発で、異質で危険なMOX燃料(プルトニウム燃料)を燃やすという異常な行為である。さまざまな面で安全余裕を切り縮めることは関電自身も政府も認めている。 特にこの間、私たちは次のような点からプルサーマルの開始に強く反対してきた。 第一に、同じプルサーマル炉の九州電力・玄海3号機では、12月9日に燃料棒に孔が開いて放射能漏れを起こした。昨年12月2日のプルサーマル運転開始以来、約1年間しか経過していない。その炉に装荷されているメロックス社製のMOX燃料には製造上の欠陥があり、放射能漏れはMOX燃料から起こった可能性がある。 その同じメロックス社製のMOX燃料が高浜3号機にも装荷されている。昨年8月に関電は理由も示さず4体のMOX燃料を不合格処分にしたが、そのことと燃料漏れは関連しているかも知れない。それゆえ、玄海3号機での放射能漏れの原因が解明されるまで、高浜3号プルサーマル開始を待つのは当然であった。この疑問の声を無視して関電は炉の起動を強行したのである。 第二に、3〜4年後に炉から取り出される使用済MOX燃料は六ヶ所再処理工場に運ぶことができない。どこにも搬出されることなく、高浜原発敷地内の使用済燃料プールに留め置かれる。原発自体が廃炉になった後まで、孫子の世代がその核ゴミに脅かされることになる。 そのような事態になることを地元・高浜町の人たちは何も知らされていなかった。私たちが町民に戸別ビラ入れを行い話しあうことで初めて知ったということだ。町の人々に不安の声が広がり、真実を知りたいとの声、隠されていることへの憤りが上がり始めたそのときに、関電は炉の起動を強行したのである。 第三に、高浜原発の使用済燃料貯蔵プールには、臨界の危険性があることが最近明らかになった。関電が臨界評価の参考にしたという合理的な米国の規格を適用すれば、関電が安全評価に用いた数値のままで臨界の危険性があると結論される。関電の独自評価方式には根拠のないことが明らかになった。この点を福井県の知事と安全専門委員会に検証してもらうべく、私たちは再々要望書を12月18日付で提出した。その検討結果をもまたずに関電は炉の起動を強行した。 これらの深刻な問題に封印をして炉の起動を関電は強行した。そのツケは、より大きな重しとなって関電に跳ね返るに違いない。私たちはそのような方向で運動をいっそう広げ、強化していくであろう。 2010年12月22日 |
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(10/12/22UP) |