西川県知事は、3月15日午前10時30分に、県庁で記者会見を行い、関西電力のMOX契約を了承すると発表しました。しかし、この発表は、県議会の議論も無視した、極めて異様なものです。今日(3/17)の県議会最終日には、自民党議員でさえ、県議会での議論を避けていると批判しました。関電は、地元での公開討論会も開かないと断言しました。それでも、県知事は、20日に関電社長に、MOX契約に入ることを了承すると伝えようとしています。 県知事は、県議会の議論も高浜町長もそっちのけで、「3月中に契約」という関電スケジュールを最優先させています。全国から300通を超えるメールがこれまでにも知事に送られています。さらに県知事に抗議のメールを送ろう。 知事宛メールはこちらから 福井県 知事秘書室 FAX 0776−20−0620 ■ 県議会最終日、自民党議員ですら県議会での議論を避けたと批判 「15日の了承会見は、委員会での議論を避けるためにやったとしか思えない」(予算特別委員会委員長、自民党の関孝治議員) 今日、3月17日は、福井県議会の最終日でした。県会自民党の分裂・再分裂が影響したのか、当初は午後2時から開催予定でしたが、大幅に遅れ、3時40分頃から始まりました。議会最終日ですから、各委員会での議論の報告がありました。 予算特別委員会の委員長関孝治議員は、委員会報告の最後に、「・・・以上をもちまして委員会報告といたします。しかしながら、知事に申し上げておきます。3月11日、12日の2日間にわたって予算特別委員会が開催されました。そして13日、14日の2日間は休みました。15日、知事は記者会見で、原子力の方向づけをいたしたわけでありますが、私は思います。委員長の立場から言えば、委員会の議論を避けるためにやったとしか思われないようなものです。以上、ご注意申し上げておきます」と異例の発言をしました。 事実、11・12日の予算特別委員会では、自民党議員が原発問題の判断について、「週明け早々にも、遅くとも年度内に判断を示すよう」発言していました。しかし知事の答弁は「現在整理している」等々の発言のみで、自らの見解を明らかにすることはありませんでした。県議会の開催中、本会議や他の委員会でも、プルサーマル問題等について知事の判断を問われても、一度として自らの主張を述べることがはりませんでした。 それが突如、3月15日に記者会見を行い、MOX契約了承と敦賀3・4号炉増設了承を発表したのです。推進派の自民党議員でさえ批判するように、知事は県議会での議論を一切さけて、ゴーサインを出したのです。 県議会の議論もそっちのけで、関電の年度内契約というスケジュールを最優先にしています。 ■ 高浜町長と会う前に、知事が先に了承を発表 これまで知事は、高浜町の意向、県議会での議論を確認した上で、判断すると述べてきました。県議会の議論については、上記の通りですが、さらに、知事が判断を下すときには、高浜町長の意向を確認すると言っていたわけですから、当然、高浜町長と会って、その上で知事としての判断を示すと思われていました。 しかし、知事が高浜町長と会ったのは、3月16日でした。自ら見解を出した後に高浜町長の意向を聞くというように、順番は逆転しました。 高浜町長は、3月5日、関電のMOX契約については「原子力安全委員会での議論と、今後の地域振興策を見てから判断する」と町議会で述べました。一部新聞社のWEB版の記事では「町長判断先送り、年度内契約は困難」という記事が流されました。この町長の発言後、県から圧力があったようです。そして安全委員会は突如11日、関電の品質保証体制は十分という、保安院の評価をそのまま引き写したような「評価」を出しました。その翌日には高浜町長が「安全委員会の確認もとれた」として関電のMOX契約を了承する意向であると報道されました。 ■ 関電は、「地元でも大阪でも反対派との公開討論会は開かない」と回答(3/17) こんな態度の関電にMOX契約を了承するのか。これで県民理解は深まったと言えるのか 関西の市民は昨日16日、関西電力本店でMOX契約を結ばないよう申し入れを行いました。その中で、3年半前に約束していた「地元で公開討論会を開く」を守り、MOX燃料加工契約前に、討論会を開くよう要求しました。翌17日に電話で返事を聞くことになりました。返事の内容は「地元でも大阪でも公開討論会は開かない」ということでした。BNFLデータねつ造事件の後、2000年8月に大阪で行った公開討論会の場で、地元の方から「公開討論会を開いてほしい」との発言があり、会場全体で確認しました。関電は今回、「ビデオを見直したが、『検討する』としか言っていない」等と言いだしました。これまでも再々要求してきているのに、「検討する」の回答が3年半もたってからとは、呆れてしまいます。 関電は、「地域で少人数の説明会をやっている、これがいい方向だ」「大規模な討論会のようなものはやらない」と今回述べました。多くの人々の前で、反対派と討論することがそんなに怖いのでしょうか。まさにコソコソです。 県民の前で正々堂々と討論会もできないような関電の態度を前にしても、西川県知事は、関電のMOX契約を了承するというのでしょうか。15日の会見の際、記者に「県民理解は深まったか」と質問され、「『一定の評価はしたい』と一言。『引き続き努力する必要はあるが・・・』」[3/17付福井新聞]と答えています。こんな関電の姿勢では、県民理解などあり得ません。 ■ 3月20日(土)、知事は関電社長に了承を伝える予定。抗議の声を 西川県知事は、20日に関電社長を県庁に呼んで、関電が海外加工メーカーとMOX契約を結ぶことを了承すると伝えると言います。わざわざ休みの日にです。 県知事に、「関電のMOX契約を認めるな」の抗議の声を送ってください。 知事宛メールはこちらから 福井県 知事秘書室 FAX 0776−20−0620 <この間の経過> 3/5 高浜町長が、「判断は、安全委員会の評価と地域振興策を見てから」と町議会で発言 3/11 安全委員会 関電の品質保証体制は改善されたという保安院の評価は妥当と発表 3/12 高浜町長が記者会見で「安全委員会の見解がでたので」と事実上承諾を表明 3/11・12 県議会の予算特別委員会(12日が県議会審議の最終日)3/15 知事が突然記者会見 MOX契約の了承を発表3/16 知事と高浜町長が県庁で会見。3/17 県議会最終日 自民党議員が「15日の知事の了承記者会見は、議会での議論を避けるためにやったとしか思えない」と批判の発言。 |