英国原子力施設検査局が高浜4号MOX燃料のデータ不正を認める!

 12/9発表の英国原子力施設検査局(NII)の第三期(7/1〜9/30)報告書が手に入りました(イギリスの環境保護団体コアから)。このなかで高浜4号に装荷予定のMOX燃料にデータ不正燃料ペレットが含まれていることがはっきりと指摘されています。

原子力施設検査局の第三期(7/1〜9/30)の報告書より抜粋
・・・データが「異常」(unusual)であるとクラス分けされた1ロットのペレットが存在する。その諸ペレットは、最近日本に輸送された8体の燃料集合体のうち、2体の中に存在している。この問題に関するHMNIIの独立の検証の一部として、HSEの統計学者がBNFLの試料検査データの詳しい解析を実行する準備がなされてきている。それはBNFLの検証の完全性をチェックするためである。HMNIIの検証はまた、その問題(事件)の原因に関係寄与する可能な要因を決定することをさがし求めている。                                           (仮訳・美浜の会)

高浜4号データ不正疑惑を伝える「ガーディアン」紙
(1999年12月9日、抜粋)
日本におけるこの状況に対する英国政府および会社側の対応は、結束して黙りを決め込むというものだ。BNFLの元々の対応は、三人の労働者が安全性チェックのデータのねつ造に責任があるとし、彼らを解雇するというものだった。そして、日本に送られた燃料は関係していないと主張した。

会社側は、その後、この主張を修正し、日本に送られた燃料の中には、危険をもたらすものはなく、原子炉に装荷しても安全だということで顧客の関西電力が満足したと述べるようになっている。これは、基本的に、裁判における関西電力の立場を守るものとなっている。(なぜなら、今となっては、安全性に関する記録が改変されなかったと主張すれば、立場が危うくなるからだ。)

BNFLの主張には、当初から矛盾があった。最初、会社側は、11ロットだけが関係しているといっていたが、その後、その数字を22に増やし、それでも日本にはこれらのどれも送られていないと主張した。

この事件についての調査を指示された原子力施設局(NII)は、政府に対し、会社側のこの主張は真実ではないようだと報告している。いくつかねつ造されたロットが日本に送られたというのである。原子力産業の伝統に則り、この決定的な情報は、秘密にされ、日本側にも知らされないことになるだろう。

NIIの立場は、「英国では、この安全性データのねつ造によって危険にさらされたものは誰もおらず、危険にさらされるものがあるとすれば、日本人で、彼らは、我々の管轄権の外にあるから、我々としては発表する義務はない」というものである。

このような態度は、日本ですんなりと受け入れられるものではない。地元の県が住民投票の実施に踏み切り、そこで住民がMOXに「ノー」ということになるかもしれない。もう一つの選択肢は、NIIの報告書を発表するというものだ。だが、もし、リークが示唆している通り、日本への燃料の輸送を容易にするためデータがねつ造されたということを報告書が示しているとすれば、この選択肢もBNFLの助けにはならないだろう。どちらにしても、会社側は、向こう2、3カ月は、不安な日々を送ることになるだろう。

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