抗 議 声 明 |
4月8日開始予定のMOX燃料海上輸送計画に強く抗議する |
2010年3月30日 |
私たちがフランスから入手した情報によると、関西電力と九州電力はMOX燃料の海上輸送を4月8日に開始しようとしている。MOX燃料は4月7〜8日未明(フランス時間)にシェルブール港に到着し、その後MOX燃料輸送船に積まれ、8日中(フランス時間)に出港する予定という。 今回輸送されるMOX燃料は、関電用12体と九電用20体の合計32体であり、約1.3トンのプルトニウムが含まれる。危険極まりないMOX燃料の輸送は、輸送中に臨界事故を引き起こす危険がある。 電力会社は「万全の安全対策を施したうえでMOX燃料を海上輸送します」と宣伝している。しかし、輸送容器の安全性は、「万全の対策」とはほど遠いのが実態だ。 政府(国土交通省)の規則では、臨界事故を防ぐために輸送容器の安全性を確認するため、「当該核分裂性輸送物と同一のもの」で、落下試験(9mの高さから固い鋼板の上に落下)、耐火試験(800℃で30分)、浸漬試験(深さ15mの水中に8時間)などが義務づけられている。しかし、電力会社は、実機を模擬した試験ではなく、これら試験を解析で済ませてしまっている。電力会社のホームページやパンフレットでは、図入りであたかも実際の試験を行っているかのような宣伝を行っている。これに対して国土交通省は、自らが出している告示で「解析でよい」とはどこにも書かれていないことを認めながら、「輸送容器は100トン以上もあり、実際に落としてやるというのは危ないし、非効率」として、自らの規則を平然と踏みにじり、輸送を許可している。 輸送容器の安全性も確認されないまま強行しようとするMOX燃料海上輸送は、実際の輸送がまさに危険な実験そのものである。輸送ルートにあたる諸国には、事前の説明さえ行っていない。 このように危険に満ち、傲慢な姿勢でMOX燃料輸送を強行することに対し、関電・九電、そして政府に強く抗議する。MOX燃料の海上輸送を中止するよう求める。 |
2010年3月30日 |
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(注:日本とフランスの時差は約7時間。例えばフランスの7時は日本では14時) |
(10/03/30UP) |