あの不正MOX燃料を積んだピンテール号は、本日(7月4日)午後4時前、怒りのシュプレヒコールの中、数十隻の海上保安庁の船に守られ、高浜原発専用港を出港した。音海海岸からの激しい抗議の声と連携し、グリーンピースの船とゴムボートが海上で抗議行動を展開した。私たちは、不正MOX燃料の返送強行に強く抗議する。 関電は1999年に人々の声に耳をかさず、情報を隠してまで、この不正燃料の装荷を強行して人々を危険にさらそうとした。関電はそのことについて、未だ何の反省も謝罪もしていない。同時にこの不正の経過によって、MOX燃料製造には本質的な困難があるがゆえに、その困難が不正を生み出すことが明らかになった。福島原発や柏崎刈羽原発でも、プルサーマルを実施すべきでないことが貴重な教訓として残された。しかし、この教訓を未だ関電は汲みとろうとせず、自らの誤りを認めないまま、今回不正MOX燃料を送り出すことで、過去の罪をすべて水に流そうとしている。BNFL社と再びMOX製造契約を結ぼうとしている。 また、この不正MOX燃料を運ぶEXCELLOX型容器は腐食している疑いが濃厚である。それにもかかわらず、腐食はないと頭から決めつけ、6年以上に渡って一度も本体胴の腐食検査をしないまま今回輸送を強行した。 さらに、関西電力は、輸送ルートにあたる国の人々の不安を一顧だにしていない。これらの国からは、何も協議にさえ来ていないという強い抗議の声が上がっている。しかし、説明に行くのはまだこれからだというのである。傲慢極まりない態度である。 これらの姿勢は、関電がBNFL社のMOX不正事件から何も学んでいないことを如実に示している。また再びBNFL社と契約を結ぼうとする意図がその姿勢から見えている。しかし関電はこれまで、新しいMOX契約については、地元住民及び都市の市民を含めて多くの人々の了解を求めると公約している。ことことを反古にしないよう強く要求する。 不正MOX事件から私たちは多くを学びとった。プルサーマルという異常な危険な試みを私たちはけっして認めない。全国的な連携、並びに国際的な連携をますます強め、プルサーマルの息の根を止めるまで断固として闘う決意である。 |
2002年7月4日 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 |