コジェマMOXについての経産省との交渉報告



 2002年2月12日 大島令子衆議院議員(社民党)の紹介で、午後1時半過ぎ〜4時前まで衆議院第1議員会館・会議室において、「関電のコジェマ製MOX燃料を不合格にした」理由について経済産業省に問いただした。また、製造中の東電MOX燃料を不合格にすること、六ヶ所MOX工場計画を廃棄することを申し入れた。
 経産省から出席した原子力安全・保安院原子力発電検査課 有倉企画班長と同院原子力発電安全審査課 水元企画班長の2名が回答した。
 市民側は、大島令子議員と議員秘書、福島瑞穂議員秘書の竹村氏、市民は、新潟、福島の地元と東京、大阪、京都からの計11名であった。

*最初に大島議員からあいさつがあり、その後申入書を読み上げて渡す。
まず、質問書(ホームページに掲載)に沿って一通り回答を聞いた後、回答の確認と質疑を行った。
 保安院の回答は、ことさら実態・内容に立ち入らず、報告書・文章のみの形式的判断に終始する「官僚的」答弁であった。異様なまでの答弁が、本当の不合格理由が隠されているとの疑惑を深めることとなった。参加者から「国は、東電に甘く、関電には厳しく対応しているように思える」と感想が出されるほどの「答弁」は何を意味するのか。関電はダメで、東電はOKの根拠はどこにあるのか。長くなることを承知で、交渉の全容を明らかにしたい。
       (注)(見出しの番号――1.(1)など――は質問書の番号と対応させている)

《 回 答 》
■ 制度改正(2000年7月)時点で、不合格は決まっていた!
■ 関電は「うそ」をついていた
■ 「化学エッチング法(ペレット検査方法)で、プルトニウム濃度の確認はしない」

《 質疑応答 》
■ 「2000年7月に問い合わせがあれば、今回と同様、不合格の返答をした」! 
■ 「化学エッチングの精度については、(関電と)議論していない。」
  化学エッチング法の写真をみせても、スポットを指し示すことができない水元氏。

■ たった2枚の報告書で、関電のコジェマ製MOX燃料(60億円相当)を不合格?!
■ 「25%濃度のスポットがあってもよい。」
 「エッチング法では、プルトニウム濃度は測れない。」

■ BNFL不正スキャンダルから何を学んだのか!


■ 制度改正(2000年7月)時点で、不合格は決まっていた!
   ――――この1年半は何に費やされたのか?――――


1.(1)「品質保証に関する説明書」の提出要求は、平成12年(2000年)7月14日付け通商産業省通達「MOX燃料体に係る輸入燃料体検査について」の第5条の「但し書き」が適用された結果と考えてよろしいですか。
     ↓
A: 大きな改正は品質保証に関する説明書を添付すること。この改正以降のものは全てそのようにする。一方手続きの変更点は、製造開始前に(輸入燃料体検査申請を)申請すること。
 5項は、製造前に申請ということで不都合が生じたため、経過的措置として設け、それらは日本へ輸送する前に申請することでよいとした。
 したがって関電のMOXについては、新制度が開始されていたので、5項の但し書きを適用して輸送前に申請を行えばよいとした。
 ただし、申請時点で施行規則は改正しているので、申請にあたっては、品質保証に関する説明書を添付して申請することとした。

(2)関西電力に対する貴省の前記要求「貴社自らがMELLOXへの事前監査及び評価を行うこと」は、製造開始前の時点からなすべき活動を要求しています。他方、当該MOX燃料は通達が出された時点ではすでに製造中であり、第5条の「但し書き」はそのようなMOX燃料のために付けられたものと考えられます。両者の整合性はどうなっているのですか。
     ↓
A: 申請時点の内容を規定するものなので、品質保証活動の内容に変更を加えたものではない。したがって、品質保証活動に関する要求事項というのは、7/14以降に申請されるものについては、いつから製造していたかに関わりなく要求されるもの。

(3)貴省の前記要求にある「製造期間を通じてMELLOXへ社員を派遣」とは、どの程度の頻度を要求しているのですか。
     ↓
A: 「製造期間を通じて」というのは、これ以上具体的規定はない。
ただし、例えば、常駐を求めているものではない。例えば、製造工程を分けて、ある工程でまったく監査をしていなければ「製造期間を通じて」とは見なされない。
 製造期間を通じて、継続・反復して派遣をしておればよい。

(4)今回の貴省の判断をそのまま受け止めれば、当該MOX燃料は通達が出された時点で直ちに不合格になっていたものと考えられますが、基本的にはそのような理解でよろしいですか。
     ↓
A: 通達が出来た時に申請があったのではないので、仮定の話に応えるのはないと思うが、制度改定の時点で関電から申請があれば、今回と同様の回答を行った。

■ 関電は「うそ」をついていた

2.(1)コジェマ社ではプルトニウム・スポットの検査方法として化学エッチングを採用しています。貴省はこの事実を関西電力から聞いたと思いますが、貴省がこの事実を知ったのはいつの時点ですか。
     ↓
A: この点について情報を得たのは去年の2月と聞いている。
  [ 関電は、国に報告していないと回答していた。(後段の議論編参照)]

■ 「化学エッチング法(ペレット検査方法)で、プルトニウム濃度の確認はしない」
  
2.(2)プルトニウム・スポットの検査法としての化学エッチングの精度についてはどのように認識していますか。例えば、化学エッチング法でプルトニウム・スポットの径が100μm以内にあると結論されている場合、その結論は信頼できると考えられますか。
     ↓
A: 具体的に検討しているわけではないので、特段の回答を有しているわけではないが、ただ化学エッチングは特殊な方法ではなく、検査でよく使われており、他の方法と比較して問題があるとは思っていない。

3.(1)(燃料集合体信頼性実証試験に関する)報告書には、「本事業は経済産業省資源エネルギー庁原子力安全・保安院からの委託で実施したものです」と書かれていることからしても、貴省としてはこの報告内容についてどのように判断しているのですか。その結果を重視していると考えてよいですか。
     ↓
A: これは照射前の燃料のデータを取って、照射後の試験と比べるもの。

3.(2)この報告書には、2社のMOX製造会社の名前が明記されています。MIMAS法を採用している唯一名前の明記されていない製造会社はコジェマ社と考えてよいですか。
 また、その検査対象であるPWR用MOX燃料ペレットは、コジェマ社で関電用につくられる製造過程で2000年3月と4月に不備が発見されて廃棄になった2体分のMOX燃料ペレットと考えてよろしいですか。
     ↓
A: 試験に使ったのは、メロックス社製で関電用の燃料。しかし廃棄になった分ではない。

3.(3)(a) 図4.4.1-9aのグラフを見ると、第1次混合粉末のプルトニウム濃度約25%がそのまま残っていることが示されています。事実、53頁には「プルトニウム濃度25%付近のピークは1次混合粉末のプルトニウム濃度に近い値であり、プルトニウムスポットに起因するピークと考えられる」と説明されています。すなわちこのグラフは、MIMAS方式の第2次混合過程がうまく行っていないことを示しているのではないでしょうか。
     ↓ 
A: 第2段の混合がうまくいっていないということではない。

3.(3)(b) その1mm四方領域の平均プルトニウム濃度を計算すると、高富化度の場合約18.0%にもなっています。これは通常の富化度約8%の2倍以上ですが、これほどまでに濃度に偏りがあるのは異常ではないですか。貴省としてはどれくらいまでの偏りまでなら妥当と考えているのですか。
     ↓
A: 18%をどういう形でだされたのか分からない。1o四方の濃度は(b)のグラフで、これで計算するとプルトニウム濃度の平均は約10%。

3.(3)(c) このような高濃度の領域がどの程度まで広がっているかという確認はなされていますか。
     ↓
A: 18%があるとは思っていない。スポットは均一に分布している。

3.(3)(d) 化学エッチングでこのような濃度測定はどのような精度でできるのですか。
     ↓
A: 化学エッチングは、スポットの大きさを確認するためにやっている。濃度の確認はしていない。

3.(4)原子力安全委員会のいわゆるプルサーマル指針(「発電用軽水型原子炉施設に用いられる混合酸化物燃料について」平成7年5月 原子炉安全基準専門部会)には、プルトニウム・スポットについての記述はあるものの、高濃度領域に関する記述はありません。プルトニウム・スポットが存在する場合の試験研究もまだ継続中ですが、かなり広い高濃度領域が存在する場合の危険性については試験研究、安全確認はなされていますか。あるとすればどこに書かれていますか。
     ↓
A: 安全性は指針にそって確認されている。

3.(5)このようなプルトニウム濃度の著しい偏りは、MIMAS方式における第2次混合過程がうまく行かないことを示しており、この会社の製造能力が低いことを示しています。そのようなMOX燃料を使った場合の安全性は保証されないゆえ、この会社で製造中の東京電力のMOX燃料は、輸入燃料体検査を待つまでもなく事実上の事前審査で不合格との判断を示すべきではないでしょうか。このようなMOX燃料は直ちに廃棄にされるべきではないでしょうか。
     ↓
A: 第二次混合がうまくいっていないという認識はもっていない。


【質 疑 応 答】
■ 「2000年7月に問い合わせがあれば、今回と同様、不合格の返答をした」!
   ――――そもそも不合格! 関電の経営責任は重大!――――        
   ――――1年半の間、通達の解釈論議のみ?!――――
        

Q 但し書きは関電コジェマと柏崎ベルゴに適用されるものか?
A はい。福島分は既に申請されているので通達は当てはまらない。
  しかし、手続きは但し書きが適用されるが、内容は通達が当てはまる。
  同様の問い合わせが、制度改定の時にあれば、同じ答えをしていた。関電がどうするかは関電の問題。
  合否の可能性について問い合わせがあったのでそう答えた。通常の申請があれば、しかるべき手続きをとった。

Q なぜもっと早くダメにしなかったのか。なぜもっと早く指導しなかったのか?
A 交渉の過程で解釈を示していたが、関電の方で、どう取り扱うか検討していたと理解している。
  申請を受けて判断するのが基本。通常は申請があって以降判断する。今回の件は、11月の手紙で早く答えを出してほしいという文書をもらったので回答を出した。

Q 交渉の中で、合格にできないと言ったのか?
A 解釈の内容については説明してきた。合格にならないと明確には言っていないが、解釈について伝えた。合格か不合格かと明確に言ったわけではない。
  原則は申請を受けて判断する。議論の過程では、最終的に判断してほしいという議論はなかったものだから、要請をうけていない以上、回答はしていない。

Q 何をいったい議論していたのか?
A 品質保証活動について内規を定めているが、その内規について議論してきた。内規として定めたものがどういうものか明確にして。

1.(3)について
Q 「製造期間を通じて・・・・」とあるが、関電の場合、具体的に何か悪かったのか?
A 平成11年11月から平成12年3月までの間[関電が常駐する前の時期]、社員を継続・反復的に派遣して製造状況などを確認したわけではないから。

Q 平成11年12月にはペレット立会検査をやっているがそれでもダメなのか?
A 継続・反復的にやったと理解していない。ペレット立会検査をやったということだが、継続・反復的にやられたものではない。

Q 通達のどこに「関電自らが」と読める文書があるのか?
A 内規で出ている。内規の2(1)項。主語は「電気事業者」となっている。内規には「自ら」という文言はないが厳しく判断してそういうこと。

■ 「化学エッチングの精度については、(関電と)議論していない。」
  他方で、「他の検査法と比較して問題ない。」
   ――――申請書も提出されていない、どうして判断できるのか?――――


■ 化学エッチング法の写真をみせても、スポットを指し示すことができない水元氏。
  それでも、「スポットの径はエッチング法でも分かる」?!


2.について
Q 関電は化学エッチングの事を前から知っていたのか?
A それはどうか・・・

Q エッチングでプルトニウム・スポットの径がわかるのか?
A エッチング法とは、薬品をぬって顕微鏡で見るもの。組成の違うものが入っていれば色が変わってわかる。

Q  結晶粒の大きさは20ミクロンで、それは出ているが、100ミクロンのスポットはわからないのでは?
A それはプルトニウの粒の大きさが20ミクロンだからそうなっている。

Q 径が分かるというのだから、どれがプルトニウムか指してください。[報告書P95の写真を示す]
A これは拡大したものなので、径は・・・
  確認してこなかったので、後で

Q 119頁の写真で、どれがスポットか分かるのか?
A これももとはエッチングして・・・
  [95頁の写真は]詳細な部分だけ見ているので・・・。この写真は径をみているのではなくて・・・

Q エッチングでプルトニウム・スポットの径がわかる資料を出してください。
  [この点は、2月16日にも再度催促]
A エッチングの精度について[関電から]聞いているわけではない。精度について議論があったとは聞いていない。スポットの検査法がエッチングだということで、それ以上、精度などについては話していない。

Q 精度については聞いていない。
A はい

Q 誰から聞いていないのか。[前任の]坂内さんからか?
A えーと、そうです。

Q 坂内さんが担当[前任者]ですね。
A 当初、そうです。

Q 2001年2月にはだれとだれがどんな話をしたのか?
A 関電と坂内との間で、具体的精度については議論したとは聞いていない。

Q 聞いていない? 話がなかったとは言っていませんね。
A [声を震わせて]
  えーと、議論する必要もなかったと。当方が問題意識をもっていたわけではありませんでしたので、その部分にだけ関心をもっていたわけではなかったので、そういうことについて議論したということはありません。

Q それはそもそもどういう議論か、どういうテーマの[議論か]。
A 話で聞いているのは、コジエマの検査方法はエッチングという情報提供があったと。

Q 文書報告があるでしょう。議事録のような、メモのようなものがあるでしょう。
A メモのようなものは残していないです、特には。

Q 2月には、スポットについて議論はしていない。情報の提供を受けたと。国が情報を要求したのではなく、関電の方から言ってきたということか。
A はい。

Q 関電は、私達の質問に対して、国にはエッチングのことは言ってないと回答している。関電がウソをつかないよう指導してほしい。
A はい。[この点に関しては13日に要望書を提出し、16日に電話で東京支社の担当者を呼びつけて、口頭指導した旨回答があった。]

■ 報告書に「製造期間を通じて」の文言なしが、不合格理由?
   ――――東電は、この文章を記入していたから合格??――――

■ 素早い経産省の対応! 実態審査なし!
  たった2枚の報告書で、関電のコジェマ製
MOX燃料(60億円相当)を不合格とした?!


Q(大島議員) [2001年]11/28に手紙を出して翌日の11/29に回答とは、あまりに素早いのでは・・・。
A 関電から早く回答してほしいということだったので、関電の文書の内容をもとに判断した。その時の担当は私です。坂内は去年の7月までです。

Q(大島議員)審査には時間がかかると思うが、添付資料はどれですか。
A 本来であれば申請をして、必要ならば工場まで行って検査をするというのが普通なんですけども、関電はまだ申請を出しておらず、限られた情報で、その範囲内で判断をしてくれと求められ、判断しました。

Q(議員)社員を派遣していなかったというのはどうして分かったのか?
A 関電が送ってきた文書で、そう判断した。

Q 品質保証の中身はみないのか?
A 申請があればそれをみますが、申請がないので。

Q 1年以上にわたって話をしてきたというのは事実か?
A 我々の立場としては、[内規の]解釈の仕方を説明してきた。

Q 入り口の議論を1年以上やったということか?
A はい。関電の求めに応じて、ここの意味はどういう意味かと問われて説明してきた。
何回議論したか、詳しい記録は残っていないが、私は数回話をした。
我々がいただいた文書の範囲内で速やかに回答した。手紙本体と添付文書は1枚。この2枚だけで判断した。
 我々は品質保証活動の内容について、その解釈を説明することに関心をもっていたので、製造法について関心をもっていたわけではなかった。仮に申請があった場合にみればいいと思っていた。品質の中身についての議論はしていません。まったく。
 関電の文書には「製造期間を通じて」という言葉も入っていませんし。

Q 実態は問題なかったということか。その文言が入っていなかったからだけか?
A いいえ。私達は実態は審議しておりません。この文書の範囲内で審査をして回答をしたということです。

Q 実態は知らないのに、文言が入ってなかったからダメということか?
A 申請があれば、現地で立ち会って審査したりしますが、申請がない内で、これだけの情報について、どうでしょうかと聞かれたので、その内容で、内規を満たしていないと。
(議員)たった紙1枚で、1日で審査してというのは、保安院としては職務怠慢と受け止められますよ。

Q 実態については知らない。この2枚の紙で判断したということでいいか。
A はい。

3.について
3(1)A 照射前のデータを取るということ。そういう意味で報告書は尊重する。

3(2)
Q 関電の[試験用]燃料ペレットだか、廃棄された燃料[から取り出したの]ではないのか?
A はい。

Q 審査用に作られたのか?
A 作られたものの中から抜き取って検査に使っている。燃料棒の中からペレットを抜き取って。関電向けに作られたものから。

――――エッ!本当??――――
■ 「MIMAS法は、1次混合(25%のスポット)を残す方法。」
  「25%濃度のスポットがあってもよい。」
   ――――経産省・保安院の正式回答がこれ?!――――

■ 「エッチング法では、プルトニウム濃度は測れない。」
  「高燃焼度燃料の実験は、まだやっていない。」
   ――――安全性の根拠なしに、「でも、安全」?!!――――


3(3) P75のグラフの下の方で、25%の所に山があると説明。
A 25%は一次混合物の濃度。二次混合は、それ[25%]を残さないためによるのではない。
A スポットはもともとあるというのが前提です。

Q 25%の濃度のスポットがあってもいいということか?
A そうだ。


Q その根拠は何か?
A 基本的には1/3炉心・・[MOX指針のこと]で考慮してある。400ミクロン、1100ミクロンでも大丈夫と。

Q どんな実験か?
A 原研のNSRRの実験です。古い実験なので詳しい勉強はしていないんですけども。

Q 実験はいつ行ったものか?
A 十数年前。

Q 実験に使った燃料PWRのものか?
A Pというより、ATRだったと思います。

Q スポットをどんな風に入れているのか?
A それはちょっと・・・。詳細は聞いていない。

Q どこにスポットを付けているか知っているのか?
A ・・・

Q スポットで問題になるのは何か?
A 発熱です。

Q 高燃焼度(の燃料)では、どういう力がペレットを破壊するのか?
A 熱膨張で・・・

Q ガスが溜まるからでしょう。
A FPガスについても検討した上で・・・。

Q ガスはペレットの中に溜まる。それを表面にスポットをくっつけた実験では(意味がない)。
A ・・・

Q 実験ではスポットはいくつあるのか?
A 1個だったと、詳しくは知らないが。

Q 25%のスポットがあるものを燃やしても大丈夫という根拠はあるのか? 新品の燃料での実験で。
A 高燃焼度のMOXの実験は、これから原研にやらせようと。

Q MOXで45000の燃焼度の実験はまだやっていない。
A 一次混合の分が残っている。25%の高い分が残っている。もともとMIMAS法は当然残るものです。

Q ベルゴは[同じMIMAS法だが]残っていないが・・・。
A BNFLの方がスポットは小さい。他が悪いということではない。
A 混合が悪いということではなく、一次混合は残すという、もともとそういう製造法で。[これには全員が驚いた。えー、残す!!]
A 残すという言葉はなんですが・・・。

Q [MIMAS法は一次分の25%プルトニウムを]目的意識的に残す方法なのか?
A 二次混合で一次混合を均一化するような手法ではない。あえて2段階にしてヒバクをおさえるために開発した。1回で全てやるのではなく、2回に分けて混合する。

Q スポットは製造のどの段階で発生するのか? 一次か二次か?
A 一次混合でつぶしながら混ぜる。20〜30%で。二次では粉砕はせずにまぜるだけ。

Q 均一に混ざらなくてもいいのか?
A 均一には混ざっている。写真でもあるように。ほぼ全面に。分布がかたよっていない。

Q スポットはあってもかたよらなければいいということか。かたよらず、きれいなスポットができていると言っているのと同じだ。
A かたよって大きくなると・・・

Q どれくらいの大きさなら危ないとかいう、保安院としての基準はないということか?
A 製造段階では400ミクロン

Q プルトニウムの均一度のチエック項目はないのか?
A 品質保証活動の内容にはないが、添付書類、試験結果の項目にはある。

Q 400ミクロンであるのかどうかをどうやってみるのか?エッチングで分かるのか?
A 他と比べて精度が落ちるとは聞いていない。

Q 国は自分達で検証していないのか?
A それはしていません。

Q エッチングでは濃度は分からないだろう。
A エッチングはプルトニウムのあるなしを見るのであって、濃度は測れません

Q プルトニウムの濃度を確認する必要があるのではないのか?
A 燃料体としては確認する必要があるが、ペレットの品質に関してはスポットの大きさで確認する。プルトニウム・スポットごとの濃度が必要なわけではない。平均濃度は別の方法で出す。

■ 製造期間中の品質保証活動を要求しておきながら、保安院が行う製品検査方法の審査は製造終了後?! BNFL不正スキャンダルから何を学んだのか!

Q 東電のコジェマ製で輸入燃料体検査の申請が出ているが、エッチング法だと確認しているのか?
A 申請書には記載はない。製品ができて、試験結果について記載ができた段階で我々は把握する。

Q チェック機能はないのか?
A 申請書の添付書類としては2つがある。事業者が行う品質保証活動の調査結果と、物の試験結果、燃料体の直径がいくらであるとかの試験結果がある。プルトニウム・スポットの試験結果は物の試験結果のほうに記載しており、結果は製造が終わって、申請が出てこないと我々には分からない。

Q 東電のコジェマの検査法は何であるか全く聞いていないのか?
A はい。検査の方法についてはまだ検討していない。

Q 関電は(製造済みの)ペレットを取り出して検査してくれとも言ったはずだか・・・。
A 品質保証活動は、事前監査によって、その工場で同じ品質の燃料が継続・反復的に作られるかということがある。
その時私は担当だったが、そういう話がありました。我々としては、そういう検査制度をとっていません。そういう方法は品質保証活動を確認する手段にならない。
                                                              (以 上)



トップ