申し入れ書


経済産業大臣 平沼赳夫 様

 関西電力は、フランス・メロックス社で製造中のMOX燃料16体について、輸入燃料体検査に合格する可能性があるかどうかを平成13(2001)年11月28日付けで貴職に問い合わせ、それに対して貴職は、翌日29日付けで「申請が行われても合格とすることはできない」との判断を示しました。それによって、事実上の事前審査を貴職は行いました。
 元々この関西電力のMOX燃料は、1999年12月にBNFL製高浜4号用MOX燃料の不正が確定する前から製造開始されたものであるため、当然廃棄処分にされるべきものであったと私たちは考えてきました。その意味では貴職の不合格判断を是とするものですが、他方、貴職の示した不合格理由は実に矛盾に満ちたものです。そのため、本当の理由が他にあるに違いないと私たちは判断します。
 その本当の不合格理由は、貴職が原子力発電技術機構に委託した試験研究の結果によって強く示唆されています。その研究の対象となったMIMAS法によるPWR用MOX燃料とは、明らかにコジェマ社製の関西電力用MOX燃料であり、試験研究結果はその品質が劣悪であることを如実に示しています。すなわち第1次混合工程での酸化プルトニウム・酸化ウラン混合物が第2次混合工程で新たに加えた酸化ウランとうまく混ざり合っていないことを示しています。この場合、プルトニウム濃度の高い部分すなわちプルトニウム・スポットが生じており、このようなMOX燃料を用いることはきわめて危険です。それゆえに、このようなMOX燃料が不合格になるのは当然のことです。
 この結果は、メロックス工場のMOX燃料製造能力が低いことを事実で示しています。それゆえ当然にして、東京電力が現在メロックス工場で製造中の福島原発T-3号用MOX燃料の品質も信頼性のないものと考えるべきです。さらに、六ヶ所のMOX工場計画では、コジェマ社からMIMAS法の技術導入をする契約を結んでいますが、それは六ヶ所MOX工場自体の信頼性がなくなることを意味しています。そればかりでなく、プルサーマル実施の見通しが失われていることから、六ヶ所MOX工場計画自体がすでに無意味なものになっているのです。
 プルサーマル計画は安全性、経済性、核不拡散の面などから中止するべき計画です。刈羽村の住民投票結果を尊重し、貴職はプルサーマル計画を断念するべきです。
 私たちは次の事項を貴職に申し入れします。

                             申し入れ事項

1. 東京電力がメロックス工場で製造中の福島原発T-3号用MOX燃料をただちに不合格にすること。
2. 六ヶ所MOX工場計画を破棄すること。

2002年2月12日


いわきに風を
核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会
柏崎刈羽原発反対地元三団体
九電消費者株主の会
グリーン・アクション
グリーン・アクション・六ヶ所
グリーンピース・ジャパン 
原子力資料情報室 
原発とめよう埼玉連絡会
原発反対福井県民会議
ストップ!プルトニウム・キャンペーン
ストップ・ザ・もんじゅ 東京
脱原発ネットワーク・九州
脱原発福島ネットワーク
東京電力と共に脱原発をめざす会
東電MOX差し止訴訟の会
花とハーブの里
比企市民ネットワーク
福島原発30キロ圏・ひとの会
福島老朽原発を考える会
プルサーマル公開討論会を実現する会
みどりと反プルサーマル新潟県連絡会
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
六ヶ所村・ 牛小舎


以上の団体は青森県、福島県、新潟県、福井県、首都圏、関西、九州の団体です。



連絡先:
グリーン・アクション (代表:アイリーン・美緒子・スミス)
〒606-8203 京都市左京区田中関田町22-75-103
TEL: 075-701-7223 FAX: 075-702-1952 
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 (代表:小山英之)
〒530-0047 大阪市北区西天満4-3-3星光ビル1F
TEL: 06-6367-6580 FAX: 06-6367-6581



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