プルサーマル計画は、当初、関電高浜原発、東電福島、柏崎刈羽原発の順
に実施される予定であった。しかし、英国BNFL社製高浜原発用MOX燃料のデータ改ざんが明らかになり、高浜原発での予定は大幅に延期せざるを得なくなった。 このデータ改ざんは、BNFL社が公開した全データを解析した関西の市民団体の努力の成果であり、国・電力の安易な対応が批判されている。 このため、通産省は輸入MOX燃料に関する安全審査手続きを変更したが、既にベルゴニュークリア社(BN社)で製造済みの柏崎刈羽原発3号機用MOX燃料の安全性については、従来の手続きで承認しようとしている。 既に搬入済みの福島第一・3号機用MOX燃料については、その安全確認は済んだとしている。これに対し、市民団体が福島原発用MOX燃料の使用差し止めを福島地裁に提訴している。 昨年秋の東海村JCO臨界事故、MOXデータ改ざん、最近特に顕著な原発事故多発など、原子力に対する市民や国民の不信、不安は高まっている。 その上、現状では柏崎がプルサーマルのトップランナーになるかも知れないだけに、市民の不安、不満を無視できない思いがある。 BN社はMOX燃料の品質確認の資料は同社の占有権を主張し、公開を拒んでいるが、顧客にはデータを公開するとしている。 当議会はBN社がデータを公開することによって、住民、市民、県民の不信・不安が解消されることを期待している。 新潟県、柏崎市、刈羽村は、県民、市民、村民の思い、要請を真摯にうけとめ、下記により柏崎刈羽原発3号機用MOX燃料データ公開が実現されるよう求めるものである。 記 1 地域住民の安全確保を目的とする原子力安全協定に基づき、ベルゴニュークリア社へのMOX燃料の調査を実施する こと。 2 調査の結果、その安全性、健全性が確認されたときは、その根拠のデータを一般に公開すること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。 平成12年9月18日 柏崎市議会 理由 柏崎刈羽原発周辺地域の住民及び滞在者の安全と安心を絶対に保証するため。 |