昨年の感動的な刈羽村住民投票の勝利から1年あまり。プルサーマル反対の民意がはっきりと示されたにもかかわらず、品田村長は各集落で対話集会を開催し、それを利用して住民投票の結果を覆そうとしています。そのようなことは到底許されないと、刈羽村の人びとは女性を中心に、「住民投票の結果を守ろう」と村民への訴えを強めています。「ふるさとと子どもたちを守るために 答えは去年 出しました」と書かれたマンガパンフや、23日に行われた対話集会の模様を報告するビラなどを多くの宣伝物が作られ、それらを配りながら、村民の人々に訴えかけています。7月27日、28日の二日にわたってそのお手伝いをしてきました。 1年2ヶ月ぶりに訪れた刈羽村では、すでに早稲が穂をつけています。住民投票前に村内の至る所でみられた、プルサーマル反対、賛成への投票を訴える看板はもはやなく、投票が終わり民意が示されたことを実感させられました。 多くの人々が、住民投票を覆そうとする品田村長、東電、政府への怒りとプルサーマルへの強固な反対の意思を胸に抱いています。戸別訪問で伺ったお宅では、出てきたおばあさんが「嫌なものは嫌と思って去年の投票で反対した。村長はなぜそれを覆そうとするのか」と村長への憤りをあらわにされていました。「村長は自分の責任で住民投票を最終的に実施したのだからそれを守らねばならない。もともとプルサーマルもふつうの原発も危険性に変わりはない。だが刈羽はプルサーマルをすでに拒否した。東電は、プルサーマルを実施するのであれば刈羽以外のところでやってほしい。対話集会では是非その思いを言いたい」と述べる男性や、「オラ許さんで」と拳を振り上げる方もおられました。また「村長はベルギーで見てきたから大丈夫というが、30分ぐらい見たところで、その燃料がどのような被害をもたらすかなんて絶対わかるわけがない」と安全性を喧伝する村長への批判の声も聞かれ、本当に多くの方が怒りを抱いているということを戸別訪問で実感しました。 この問題に関する村民の関心は非常に高く、ある集落では、立ち話をしていた2人のかたに話しかけると、即座に「あぁプルサーマルのことでしょ」と了解され、こちらの説明をじっと目をみながら食い入るように聞かれていました。たまたま2種類のビラを持っていたところ、「こちらのビラには何が書いてあるの」と積極的に質問され、つたないこちらの説明をうなずきながら聞いておられました。別のお宅でも、話を終えて帰ろうとすると一言、「私も反対です」。またつぶやくように、「おっかないものはみんな嫌だからねぇ」と話された方。 一方で、「話はわかるけれど、東電に知り合いがいるので正面切っていえない」と打ち明けてくださった方もおられます。地元ゆえのしがらみの多い中では、声を上げることは容易ではありません。無記名の投票だったからこそ、昨年の住民投票ではみんなが本当の思いを表明することができたのです。村長は、「声を上げられない人の話をもっとききたい」と新聞のインタビューに答えていますが、声を上げられない人々が自分の意思を表明したのが昨年の住民投票であり、プルサーマル反対多数という結果には、それらの人々の思いが込められています。これを村長が勝手に踏みにじるなどということは絶対に許されません。今回の戸別訪問で村民の声を聞き、改めてこの思いを強くしました。村長は、住民投票の結果に従うべきです。また東電は、柏崎刈羽原発でのプルサーマル計画を断念すべきです。(Cy) |