現在のプルサーマル計画は、1997年2月の閣議了解に基づいて1999年度に関西電力高浜4号機、東京電力福島第一・3号機、2000年度に高浜3号機、柏崎刈羽3号機で実施すべく、電力事業者から関係自治体に要請があり、各自治体の事前了解がなされ、今日に至っている。 柏崎市議会は99年2月定例議会で、プルサーマル計画にかかわる住民投票条例制定を求める直接請求をめぐって、真剣な論議が交わされた。 この論議を踏まえ、市長は3号機でのMOX燃料使用についての「事前了解」を行った。 しかし、99年9月、高浜原発用MOX燃料のデータ改ざんが明らかになり、福井・高浜原発での計画はとんざした。 2001年2月、東京電力の福島・広野火力発電所増設計画凍結発表を契機に、福島県知事は、庁内に「県エネルギー政策検討会」を設け、プルサーマル計画凍結を含む核燃料サイクルやエネルギー政策の見直しを検討している。 柏崎刈羽原発のプルサーマル計画については、昨年5月、刈羽村の住民投票で反対が過半数を超えたことから、知事、市長、村長の三者会談で見送られた。 このように、福井、福島、新潟の立地県において、プルサーマル計画を容認するための前提条件である「MOX燃料の健全制」、「地元住民の理解」などが揺らいで、計画は先送りされてきた。 そこに、今回の東京電力の長期に及ぶ点検作業記録の改ざん・隠蔽という許しがたい不祥事の発覚、経済産業省・原子力安全・保安院のチェック機能不全の実態が明らかになり、原子力にとっての最重要課題である「安全性」についての国や東京電力に対する国民・住民の信頼は一挙に崩れ去った。 これによって、プルサーマル計画容認の前提条件はすべての根拠を失った。 前提条件が崩壊した以上、プルサーマル計画の「事前了解」は実質的に成り立ち得なくなった。 よって、柏崎市議会は、国及び東京電力に対し、プルサーマル計画中止(白紙撤回)を要求する。 また、新潟県、柏崎市及び刈羽村は直ちに事前了解を白紙に戻すこと。 以上、決議する。 2002年9月6日 柏崎市議会 |