玄海プルサーマル審査に関する原子力安全委員会への意見(6) 5月16日提出


 私の3月提出の4意見について、5月16日の貴委員会で議題にしていただいた扱いに感謝するとともに、そのご回答について若干の意見を以下に述べさせていただきます。
 意見(1)へのご回答では、基本的に玄海3号のMOX集合体が高浜と同じ規格になっていることが、特別な審査をしない判断の根拠とされています。しかし、審査の対象はMOX集合体ではなく炉心です。玄海3号MOX炉心は、それまでのウラン炉心とは基本設計が異なっており、その異なり方は高浜の場合とは別です。出力が違うがゆえに、プルトニウム量が異なり、MOX集合体の配置や時間経過も異なります。つまり、高浜の場合とは違う独自の基本設計になっているはずですが、この点の判断が何も示されていません。
 意見(2)へのご回答では、フランスでは90万kW級しか許されていないとの私の指摘に対し、ドイツでは130万kWでも許されているとのお答えです。指摘したフランスの場合に即したお答えをいただいていません。線出力密度だけで安全判断ができないことは、私が後で提出した意見(5)で示唆しています。
 意見(3)について、まさかこのようなご回答をいただくとは思ってもみませんでした。国民の不信感には何の関心もないということですか。今回、玄海原発周辺で大規模な海上デモが実行されたことはご存知と思いますが、私へのご回答内容のように、余りにも形式的、事務的な判断で強行されるなら、貴委員会への不信感はますます高まることでしょう。
 意見(4)のご回答の第4項については、独自に解釈されたようですが、それは完全な誤解です。その問題に関する私の意見内容は、5月8日に提出した意見(5)である程度くわしく述べていますが、それは受理していただいたのでしょうか。その内容について改めて審査していただいた上で、ご回答を出していただくよう、よろしくお願いします。