質問・要望書 |
MOX燃料に関する国の具体的審査基準は存在しません |
関西電力のMOX燃料の安全性は輸入燃料体検査では確認できません |
福井県知事 西川一誠 様 |
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2009年11月26日 |
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福井県は現在、関西電力のMOX燃料輸入燃料体検査について、関電ならびに原燃工への立入調査などを行い、独自に調査を実施し安全性について確認作業中とのことです。 一方、MOX燃料については、国の具体的審査基準がないことが明らかになりました。10月7日に近藤正道参議員事務所で行われた原子力安全・保安院によるレクの場では、保安院・検査課の石垣宏毅・総括安全審査官がこのことを認めました。また、11月6日に関西電力本店で行った交渉でも、関電は原子力事業本部の正式回答としてこのことを認めました。 ご存じのように、MOX燃料に関する国の法的基準は「発電用核燃料物質に関する技術基準を定める省令」です。第4条がウラン燃料に関する規定で、第5条がMOX燃料に関する規定となっています。例えば、ペレットの「不純物」に関しては、ウラン燃料では炭素、ふっ素、水素及び窒素の4元素が具体的にあげられ、それぞれ濃度上限値が示されています。しかし、MOX燃料についてはこのような具体的な規定はありません。 関電は11月6日の交渉で、「MOX燃料については具体的な元素、基準値は技術基準では示されていない」とし、「ASTM(米国材料試験協会)のMOX用規格、ウラン燃料で定めている不純物を考慮し当社が選定した」と回答しました。 これは、国の具体的基準がないために、電力会社任せになっていることを示しています。このことは、国の検査であるにもかかわらず、取り上げる元素の種類が電力会社によってまちまちで、関電は40種類、九電は28種類、中部電力は4種類となっている実態が何よりも如実に示しています。関電はまた、「保安院に当社の(不純物)上限値設定根拠を説明し、国が審査を行い妥当と判断したものと考えている」と回答していますが、このこともまた、国の統一的な具体的基準は存在せず、関電の説明が事実上の基準となっていることを示唆しています。 ペレット内の「不純物」は、被覆管の腐食を促進し、融点を下げるなど燃料の安全性に大きな影響を与えます。それほど「不純物」が重要な項目であるにもかかわらず、具体的基準が存在しないのです。 さらに、11月20日に佐賀県で行われた保安院説明会で、出席した保安院・検査官事務所の検査官は、「国の具体的基準はないが、専門家に検討してもらっている」と述べました。しかし、基準もないのに専門家の検討に委ねるだけでは、判断が選任された専門家の意向に左右されるのではないでしょうか。 また、保安院・審査課は、関電の「輸入燃料体検査申請における詳細設計の妥当性」を検討した資料を公開しています※。そこでは、関電が不純物の上限設定に当たって、一部の不純物についてウランペレットの規格より緩和した上限値を設定していることについて、「メロックスから緩和に対して強い要望があった」と記しています(添付2、2-1頁)。このことは、メロックス社の製造能力の低さに合わせるよう規格が調整されていることを示しています。国の基準もなく、そのため米国の規格に依拠しているとしながら、さらに基準を緩和して、実質はメロックス社のいいなりになっているのではないでしょうか。 以上のように、MOX燃料について、国の具体的審査基準がないという法的不備は、プルサーマルを開始する条件が備わっていないことを端的に示しています。このような状況を踏まえ、下記に質問と要望を行います。 |
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質 問 事 項 |
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要 望 事 項 |
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ウラン燃料と異なり、MOX燃料に関する国の具体的審査基準がありません。この状況のもとでは、MOX燃料の安全性を確認することができません。そのため、関西電力のMOX燃料輸入燃料体検査では、安全性が確認できないことを認め、その旨表明してください。 |
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2009年11月26日 原発設置反対小浜市民の会 代表:岩本敏行 グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之 ※「高浜発電所第3、4号機ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料について」(原子力安全・保安院 原子力発電安全審査課)2008年10月30日 総合資源エネルギー調査会、安全保安部会、燃料ワーキンググループ 資料 |
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(09/11/26UP) |