大飯2号機の二次系配管大幅減肉などで明らかなように
関電は、今も、美浜3号機事故の教訓をないがしろにしています
関西電力のプルサーマル再開に同意しないでください

要  望  書


福井県議会議長 石川与三吉 様

 11月26日、関西電力の森詳介社長は、高浜3・4号機でのプルサーマル再開に向けて準備を開始すると表明しました。私たちは、このプルサーマル再開発言に強い憤りを感じています。
 関電は、美浜3号機が運転を開始したことによって、プルサーマルの再開が当然許されるかのように振る舞っています。しかし、関電の老朽原発に対する管理のずさんさは、5名もの死者を出した美浜3号機事故以降も変わっていないことが、次の事実で明らかになりました。

◆今年11月7日に、大飯2号機の2次系配管で大幅な減肉が確認されました。2004年8月9日の美浜3号機事故の直前に、大飯1号の2次系配管の減肉が確認されていました。同じ玉型弁を持つ大飯2号の同部位をそのとき検査しておれば、大飯2号の減肉も確認できていたはずです。それにもかかわらず、大飯2号の検査を行わず、1990年に肉厚測定を行っていたことをもって「点検済み」としていたのです。関電は2005年に、2次系配管の「未点検箇所なし」と発表していましたが、実は15年間も点検していないものまで含めていたのです。結局、美浜3号機事故後の「総点検」でも、点検していなかったことが明らかとなりました。国の技術基準を割り込むほどに配管が薄くなった状態でいったい何年間運転していたのでしょうか。その間に地震が起きれば、「安全余裕」もなく、大事故につながります。このような状況では、第二の美浜3号機事故がいつ起きるかもしれません。
◆さらに、美浜2号では9月に蒸気発生器管台入口溶接部で、国の技術基準を割り込むほどの亀裂が確認されました。この箇所も、蒸気発生器取り替え以降一度も点検していませんでした。高浜3・4号機でもこの箇所は点検されておらず、大きな傷が入っている可能性があります。
◆関電の原発では事故やトラブルが頻発しており、今年に入って、20件にも達しています。安全管理がいかにずさんであるかを示しています。
◆耐震安全性の見直しについても現在作業中であり、最終的な報告は2009年です。

 以上の点からして、この12月県議会で、ブルサーマル再開に同意を与えることができる状況にはありません。まずは、大飯2号機の大幅減肉について関電の責任を明らかにさせ、老朽原発の徹底的な点検が優先されるべきと考えます。
 プルサーマル再開に同意しないことを、県議会の意思として示してください。

 2007年11月28日

 グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス
    京都市左京区田中関田町22−75−103 TEL 075-701-7223 FAX 075-702-1952
 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之
    大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581

(07/11/28UP)