日本の2番目に大きい電力会社である関西電力はプルトニウム‐ウラン混合酸化物(MOX)燃料の欧州からの受け渡し契約の交渉をまもなく開始するだろう。 この動きは、日本の電力会社が北日本にある六ヶ所村の再処理工場への5000億円の共同出資に続いて、論争の的になっているMOX燃料の使用を引きうけることを示している。 実際の燃料輸送中にBNFLが品質管理データをねつ造していたことが明らかとなったスキャンダルの後、MOX燃料の使用は日本の多くの地域で地元の政治家や住民グループによって反対されてきた。関西電力は昨年、英国にこの積荷を返送した。 大阪周辺に集中している日本で2番目に大きい産業地域に供給しているこの会社は、スキャンダルをおこしたBNFLを契約先(vendor)と見なすのは「困難」であろうと話した。 もっともありえそうな供給者として、今では仏国有Arevaグループの一員であるコジェマが残っている。ベルギー核エネルギーグループであるベルゴニュークリアも少量のMOX燃料を製造しているが、おそらく関西電力の需要に応えるには不十分である。 「私達は近い将来、協議を始めるだろう」(We will begin talks in the near future)と秋山喜久関西電力会長がインタビューで述べた。「いったん取引が締結されれば、運転を開始するのに少なくとも24ヶ月かかるでしょう。 BNFLは、英国政府による原子力産業の総体的な見直しの中でその将来が検討されているが、なお、日本の商業用MOX契約を獲得しなければならない。 BNFLは、契約交渉が再開されても早期に契約を獲得するのは難しいだろうと常に認識してはいるが、MOX供給が今再び考慮されていることでほっとしている。MOX工場は、損得なしにするのに十分な欧州大陸の契約をすでに獲得しているとBNFLは述べた。 日本での交渉が今年始まり、2004年に締結されることが期待されている。MOX工場を立ち上げて、運転するのは最も早くて2006年になりそうである。 いかなる取引もコジェマへの大きな利益となるだろう。コジェマは南フランスのマルクールにある工場でMOX製造に最低でも数ヶ月かかると示している。 関西電力は、BNFL事件の後、最大の問題は品質管理であると言った。MOX燃料使用の政府許可を得るために、この会社は安全管理が厳格であることを規制当局に納得させなければならないだろう。「この状況はまだ非常に微妙だ」と秋山氏は言った。 関電の原子力施設が集中している福井県の4月選挙で、西川一誠が知事として選出されたことに伴い、関西電力はMOX計画に政治的支持を得た。原子力問題は選挙の焦点となった。 東京電力は地元有権者からの反対のために、MOX計画を後退させなければならなかった。この会社はひび(クラック)が原子炉で見つかった後、公衆の信頼を失い、修理作業が行われる間、原子炉を停止せざるをえなかった。 一般的に原子力発電の重点は、とりわけMOX燃料は、外部からのエネルギー供給−とりわけ中東の石油−への依存を減らすための日本の努力の一環である。 |