フィジー政府の国会に対する答弁
Fiji Government Statement to Fiji Senate.


副大統領Dr Ahmed Aliの、労働党の質問に対する答弁(2002年6月14日)
Dr Ahmed Ali, Vice President of the Fiji Senate, Friday 14th June 2002.
Senate Answers to Labour questions, Senate, Suva, Fiji.



背景説明
 フィジー政府は、グリーンピースが差し迫っていると主張する、英国の再処理施設によるデータねつ造されたMOX燃料の日本からの返還のための輸送について、輸送国から何ら通告を受けていない。外務省及び海外貿易省は、グリーンピースとの会合を設定しており、そこで提供された情報を記録することであろう。

回答1
 もし輸送船が日本を目指して太平洋を進むのであれば、通常はニュージーランドとオーストラリアの間を通過し、ソロモン諸島とナウル付近を通り過ぎて北上するので、フィジーの排他的経済水域(EZZ)に 入り込むことは考えられない。輸送者達からは、輸送が国際的な規制に合致しているとの保証をこれまで得てきた。

回答2
 フィジー政府は、どのMOX輸送についても、輸送国から何ら通告を得ていない。しかしながら、輸送国は、いつも出港までには沿岸諸国に通告を行っていた。

回答3
 我々はフィジーにいる輸送国の代表者全てに情報提供を求めたが、彼ら自身自分たちの首都から情報を得ていなかったため、利用可能な情報は全くなかった。

回答4
(a)フィジーは、太平洋諸島フォーラムを通じて、環境影響評価の情報を得てきた。輸送国との会合において、我々は我々の地域を通過する輸送ルートに関連した情報を全て提供するよう求めてきた。我々は、9・11後においてより警戒を強める必要性があることを承知しており、政府は我々の人民、環境及び地域の防護を確実なものとするため、全ての必要な手段をとるであろう。情報が危険性を示している場合、我々の安全確保及び予防手段を確実にするために、フィジー政府はあらかじめ輸送国に対して連絡を取る。
(b)そのとおり、原子力産業に関連した様々な事故があるが、我々が知る限り輸送の間の事故、輸送に関する事故はない。船べりで事故にあったために乗組員が空輸されなければならなかった事態があり、我々はそれについては知っている。

回答5
 国際法(国連海洋法条約)下では、沿岸諸国は排他的経済水域内の通行を禁止することは出来ない。国連海洋法条約の条項では、これらの船は無害であることが前提とされている。グリーンピースは、この輸送は無害な通過ではないと主張し環境を保護することについての諸政党の義務について、国連海洋法の他の条項を頼みの綱としている。もちろんフィジー政府が輸送国に対し、領海内を通過しないよう頼むことに支障ははないし、情報や環境評価により、状況に応じて政府の行動が必要とされる場合、政府はそのように行動するであろう。

回答6
 フィジー政府は、排他的経済水域を通過する全てのMOX輸送に強固に反対しており、この立場を輸送国に常に明らかにしている。太平洋諸島フォーラムの一員として、我々は、直接的にまた二国間、多国間の決議を通じて、全ての地域の決定や、輸送国との対話への協力に参加してきた。例えば補償制度に対する現在の決定について、フィジーは積極的に参加してきた。

回答7
 フィジーと太平洋諸島フォーラムのメンバーの諸国は、1997年9月開催のクック諸島のラロトンガでのフォーラム、及び1999年10月にパラウ共和国コロルで開催されたフォーラムでのそれぞれの声明に従い共通の立場をとってきた。もちろんフィジー政府がより強硬な立場、例えば国連海洋法下で輸送国に領海を通過しないよう依頼することも可能である。フィジーが輸送国に領海通過を禁じることが出来るかどうかは疑わしい。これらのフィジーからの要求は、責任問題や補償問題を話合う輸送国とフォーラム諸国との議論において、輸送に対する懸念が決定的に高まっていることを輸送国に対しとりわけて示す政治的ジェスチャーとして有効であるので、フィジーはこの要求を行っているし、続けるであろう。



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