コジェマの違法行為発覚
仏政府の許可なしに
米国とMOX契約を結んでいた
関電のコジェマとのMOX製造契約を阻止しよう



■ コジェマ、仏政府の許可なしに米国とMOX製造契約
 関電がMOX製造契約を狙っている、フランス・コジェマのスキャンダルが発覚した。「ワイス・パリ(国際エネルギー情報サービス)」の情報によれば、なんと、コジェマは、仏政府の許可なしに、米国とMOX燃料製造契約を結んでいた(「MOX製造能力のカダラッシュからマルクールへの『移転』:次から次ぎへのスキャンダル」2003.9.9 WISE-Paris)。
 米国は、核兵器の解体に伴って生まれるプルトニウムを、MOX燃料にして一部の原発でプルサーマルを実施することを狙っている。デューク原発で試験的なMOX装荷を計画している。MOX燃料製造工場を持たない米国は、その試験用MOX燃料の製造をコジェマに委託した。米の試験用MOX製造は、カダラッシュにあるコジェマのMOX工場(ATPu)で行われるという。
 この契約は、8月12日に締結された。しかし、フランスの安全規制当局(DGSNR)はこの事実を知らされていなかった。ワイス・パリは「肝心なことは、契約を実施するために欠かせない政府と安全規制当局の許可を得ずに、この契約が結ばれていたことだ」と批判している。
 このことは、1999年の関電とコジェマとのMOX疑惑を思い起こさせる。関電は99年にコジェマ・メロックス工場でMOX製造を開始していた。しかし、60億円もの賠償金を支払って、2001年に製造を中止した。関電は製造中止の真相と責任を未だに明らかにしていない。当時、フランス政府の許可なしに製造していたのではないかという重大な疑惑についても、何も応えていない。

■ 違法行為を行うコジェマとのMOX契約なんて無効だ
 関電は、このような違法行為を平気で行うコジェマとMOX燃料製造契約を結ぼうとしている。関電の秋山会長は「近い将来、交渉を始めるだろう」と述べ、今年度中の製造契約、2007年に高浜原発でのプルサーマル実施を予定している。
 データねつ造スキャンダルのBNFLは、福井県議会でも、契約対象にあげることに不満の声が出ていた。またBNFLの新工場(SMP)では未だMOX燃料を製造できないという事情もある。ベルギーのベルゴニュークリア社は生産能力が低いため、関電の要求を満たすことができないだろうと言われている。関電がMOX契約を結ぶとすれば、コジェマのメロックス工場の可能性が最も高い。
 違法行為を行うコジェマとのMOX契約なんて無効だ。
 関電の三度目のMOX製造契約を阻止しよう。

 地震に耐えられないから閉鎖のはずだったカダラッシュMOX工場
 コジェマのカダラッシュMOX工場は、活断層の上に立っており耐震設計が不十分だとして、安全規制当局から95年に閉鎖を要求されていた。コジェマは今年7月にカダラッシュ工場で「商用のMOX生産」を終了したと発表した。このカダラッシュでの「商用MOX生産」終了に伴って、コジェマはメロックス工場の生産能力の拡大を要求し、9月3日には承認されている。誰もがカダラッシュ工場の閉鎖を予想していたが、こんどは米国の「軍事用プルトニウムを使用した研究用MOX」製造を続けるというのだ。メロックスMOX工場は生産能力を拡大し、カダラッシュMOX工場もまだ生産を続ける、それも政府の許可なしに、耐震性が不十分な危険な工場で。