2002年10月17日 |
関西電力株式会社御中 表記のテーマで、これまで9月11日付けで提出した質問書について10月8日に交渉を行い、それを基に、緊急性を要するものについて10月9日付けで3点の質問を行いました。今回、その3点に追加して以下の質問を行います。速やかに文書で答えていただくよう、よろしくお願いします。 1. これまで貴社が行った不正について (1) 東京電力が行ったのと同様の不正としては、美浜1号における燃料棒折損(1973年)、美浜1号でのSG細管の違法施栓、美浜2号でのSG細管の違法施栓があったとのことですが、この3件以外に、東京電力と同様の不正があれば全て記載してください。 (2) 上記SG細管施栓率の不正の場合、もし正しく施栓数を報告すれば、施栓率がそのときの許容施栓率を上回ったのではありませんか。 (3) これまでの不正の結果、いままでに具体的にどのような再発防止策を講じたのですか。 (4) 以上のような内容は今回の調査対象に入りますか? 2.政府からの不正指示の有無について (1)経済産業省や旧通産省から、検査の手抜きや報告の改ざん等を指示された事実はないとのことですが、それは何年に遡って調査した結果ですか。また指示でなくても、貴社の不正は容認されたことはありますか。 3.今回の点検調査の性格と範囲について (1) 今回行われる点検調査は、過去における定検と自主点検に不正とか嘘があったかどうかを調べる調査ではないのですか。 (2) 取り替えた上ぶた管台はなぜ今回の点検調査範囲に入らないのですか。 (3) 今回の貴社の調査は供用中のものに限るのですか。その方針について、経済産業省はどのような評価をしましたか。そのまま認めたのですか。 4.高浜3・4号と大飯3・4号の上ぶた管台検査を行わないことについて インコネル600の管台を持った古い上ぶた管台のままで動かしている高浜3・4号と大飯3・4号について、渦電流探傷検査(ECT)は「当面必要ない」とのことですが、最近新たに米国で一連の上ぶた問題が起こっています。どうして貴社は、材質が同じ高浜3・4号と大飯3・4号の上ぶたを検査しないのですか。検査しなくても安全性が確保されると判断する根拠を具体的に明らかにしてください。 (1) 大飯3・4号は一度も上ぶたECTをしていないということですが、ECTをする必要がないという根拠を具体的に示してください。いままでのところでは、目視以外調べたことがないので、詳しいことは全く分からないということでよろしいですか。 (2) 改造工事後の高浜3・4号の炉頂部温度は294℃となっています。他方、ひび割れが発見されたフランスのトリカスタン4号のそれは289℃です。このように頂部温度の低い海外の原発で、CRDM管台で応力腐食割れが発生しています。この事実について、どう評価しているのかを明らかにしてください。 (3) 温度低減化によって、応力腐食割れの発生開始時間と進展速度がどのように変化すると評価しているのか、根拠となった具体的なデータと資料(解析)を開示してください。 (4) 最近の海外での上ぶた管台のトラブルを参照して、貴社は解析をし直しましたか。していないとすれば、なぜやらないのですか。また、円周方向の傷も起こり得ないと思っているのですか。 (5) 関電の上ぶたの損傷に関する原則的考え方は、管台から1次冷却水の漏れが起こっても、漏れた後に対策を講じれば十分だというものですか。 5.上ぶた管台に関するこれまでのECT結果について (1) すべてのECT(上ぶた管台部計15回)について、各々の検査データを開示してください。もし開示できないのであれば、(a)開示できない理由、(b)検査データそのものが現存しているのかどうか、(c)検査データが破棄されている場合は破棄した年月日を明らかにしてください。(d)検査を行ったメーカーにデータが保管されているかどうかを明らかにしてください。 (2) ECTの結果損傷の兆候はありましたか。 (3) すべてのECT(上ぶた管台部計15回)について、管台の設置本数と検査本数を明らかにしてください。また、検査した管台の位置を図で示してください。 (4) 美浜2号の検査の場合、「条件の厳しい外周部を中心に検査を行った」ということでした。15回の検査各々について、全数検査を行わなかった場合の選択基準を明らかにしてください。 (5) 米のデービス・ベッセ原発では、今年に入ってから、上ぶたの中心部で損傷が起きています。これは、「条件が厳しい」のが「外周部」だけではないことを示しています。この事実を踏まえて、全ての原発で、とりわけデービス・ベッセ原発と同じ材質(インコネル600)の上ぶたをもつ、高浜3・4号、大飯3・4号の検査を行う予定はないのですか。検査を行わない場合、貴社の上ぶたにひび割れがないということを具体的に示してください。 (6) 渦電流探傷検査(上蓋管台部計15回)の実施主体となった業者を明らかにしてください。また、上蓋交換工事および炉頂部温度低減化工事を実施した業者を明らかにしてください。 6.上ぶた管台に関する圧力試験について (1) 期検査における上蓋部の検査は、通常の圧力と同じ圧力(100%)をかけた上での外観検査のみということでした。本当に100%の圧力しかかけていないのですか。通常の圧力よりも大きな圧力を加えて管台部での漏洩を調べるような検査は実施していないのですか。しないとすれば、それは何故ですか? (2) フランスのビジェ原発では、207気圧(運転時の設計圧力は155気圧。通常圧力の約134%)をかけて漏洩が確認されました。100%の圧力しかかけない漏洩検査ではキズは見つからないのではないですか。 7.運転時間について (1) 11機のプラントすべての現在までの運転時間を、○○時間という形で明らかにしてください。 8.上ぶた管台検査の内規について (1)現在供用中の上ぶたに関して検査の内規はあるのかないのか示してください。 9.バッフルフォーマーボルトについて (1)1・2号のバッフルフォーマボルトの取り替え工事を行った業者を明らかにしてください。また、バッフルフォーマボルトの検査と取り替えに伴う被曝線量(人・Sv)を、各々明らかにしてください。 (2) 11機のプラントすべての、バッフルフォーマボルトについて、本数、材質、固定方法について明らかにしてください。また、検査方法、取り替え工事の方法について説明してください。 グリーン・アクション 代表:アイリーン・美緒子・スミス 京都市左京区田中関田町22-75-103 TEL: 075-701-7233 FAX: 075-702-1952 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 代表:小山英之 大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル1階 TEL: 06-6367-6580 FAX: 06-6367-6581 |