青森県六ヶ所再処理工場におけるウラン試験開始に抗議する
必ずや起こる事故やトラブルを的確に捉え、
ウラン試験そのものを止めていこう



 日本原燃は21日の朝一番で、青森県六ヶ所村にある再処理工場において劣化ウランを使ったウラン試験を開始したと発表した。猛吹雪の中、再処理工場正門前では、県内外から集まった多くの市民によって抗議集会が行われた。私達は、反対の声を踏みにじったウラン試験の強行に断固抗議する。

 日本原燃は、ただただ年内にウラン試験を開始するということに固執した。今日のウラン試験開始とは、劣化ウランを保管区域から作業区域に移動させただけである。本格的な試験は来年以降になる。
当初の予定から約1年半も遅れたスケジュールを少しでも取り戻すためにも、また、長計策定会議における再処理政策維持の「確認」を生きたものとするために、政治的意図を最優先させた。青森県民の8割が再処理工場の稼働に不安を抱いていることなど、おかまいなしである。

 既に「再処理とめよう!全国ネットワーク」が11月16日付の青森県知事への要請・質問書で指摘したように、ガラス固化施設などではまだ化学試験が終わっていないし、保安規定も認可されていない。それにもかかわらず、ウラン試験を開始するとは、まったく無謀なことである。

 これまで日本原燃は、使用済み核燃料プールの水漏れ等を起こし、長期にわたって無様な姿をさらけ出してきた。そのためか、ウラン試験の中で様々なトラブルが起こることを自認し、予防線を張っている。しかし、このようなことが許されるはずがない。私達は、必ず起こる事故やトラブルをいち早く的確に捉え、地元住民や全国の人たちと共に、その責任を追及していく。ウラン試験そのものを中止させるために闘うであろう。

 再処理工場を稼働させても、出てくるプルトニウムの使い道などない。九州電力のプルサーマル計画には、近隣自治体からも反対の決議があがっている。九州、四国、新潟、福島、関西の反プルサーマル闘争は一層連携を強め、どこにおいても、プルサーマルなど決して実施させないという固い連帯のもとにある。

 ウラン試験の開始は、海流で放射能が流れ着く各地の人々に、新たな関心と改めての不安を呼び起こしている。青森県内の人々と全国の人々が連携して、再処理反対の力強い声を作り出すに違いない。
 そのために、必ずや生じる事故やトラブルを的確に把握し、監視の目を光らせていこう。それを通じて、ウラン試験そのものを止めていこう。

2004年12月21日
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会