2006年2月15日 |
六ヶ所再処理工場のアクティブ試験を憂慮する全国の市民 2月17日、青森県三村知事は電気事業連合会を訪ねます。青森県は、六ヶ所再処理工場のアクティブ試験で抽出されるプルトニウムの利用については、国の原子力政策大綱によって保証されているとしています。ではなぜ三村知事は電事連に行くのでしょうか。それは、英仏のプルトニウムを使う2010年度までの従来のプルサーマル計画について、電事連の「不退転の決意」を聞きにいくためだといいます。電事連が現在も撤回しない「2010年度までに16?18基の原発でプルサーマルを実施する計画」は実現不可能というのが常識です。三村知事が求める「不退転の決意」は青森県民を愚弄する空文句にすぎません。再処理できるのはプルサーマルが実施できる目処が立っている電力会社の使用済み核燃料だけのはずです。三村知事は六ヶ所再処理工場のアクティブ試験計画を認めるべきではありません。 国の原子力政策大綱があるからといって、六ヶ所再処理工場で抽出されるプルトニウムの利用が保証されないことは、1月6日に電事連が公表した六ヶ所再処理工場回収プルトニウム利用計画からも明らかです。計画は東京電力が地元自治体の反対により、利用場所となる原発の名前すら記載できませんでした。またどの電力もプルトニウムの使用開始時期も終了時期も明記していません。それでも国にすがろうというのが青森県の姿勢です。 他方で、わざわざ電事連に行ってまで決意を聞きに行くということは、青森県が国をまるまるは信頼していないということを示しているのではないでしょうか。あるいは、従来のプルサーマル計画が進んでいないことについて疑問を突きつけられた青森県が国に問い合わせたのに、それは電気事業者に聞いてくれと突き放されたのかもしれません。 それにしても、従来のプルトニウム利用計画というのは、英仏で取り出したプルトニウムを利用するものです。これについての決意を聞いたところで、六ヶ所再処理工場のアクティブ試験で取り出されるプルトニウムの利用が進むわけではありません。三村知事の電事連訪問は全く意味がありません。 その上、従来の計画についても、これが破綻していることは、現実をみれば明らかです。1997年に立てた1999年からの計画は全く進んでおらず、2006年の今になっても1グラムのプルトニウムも消費されていません。原子力委員会が、六ヶ所再処理工場回収分の計画公表を求めたのに、従来の計画について公表を求めなかったのも、計画が事実上消滅していることを認めているからでしょう。電事連の「不退転の決意」は空文句にすぎません。三村知事は電事連に「騙される」為に東京に行くのでしょうか。 このまま六ヶ所再処理工場のアクティブ試験を実施しても、取り出されるプルトニウムの使い道はなく、すぐさま国際公約に反する余剰プルトニウムとして青森県に留まるでしょう。国策に付き従うだけでは、使用済核燃料、高・低レベル核廃棄物、余剰プルトニウムから使用済MOX燃料に至るまで、青森県が核のありとあらゆる排泄物を背負い込むことになってしまいます。 以 上 六ヶ所再処理工場のアクティブ試験を憂慮する全国の市民(32団体) 牛小舎/核燃を考える住民の会/核燃から海と大地を守る隣接農漁業者の会/核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団/再処理工場について勉強する農業者の会/花とハーブの里/PEACE LAND/三陸の海を放射能汚染から守る岩手の会/柏崎原発反対地元三団体/原発反対刈羽村を守る会/みどりと反プルサーマル新潟県連絡会/脱原発福島ネットワーク/核燃やめておいしいごはん/核のゴミキャンペーン/グリーンピース・ジャパン/原子力資料情報室/原水爆禁止日本国民会議/ストップ・ザ・もんじゅ東京/東京電力と共に脱原発をめざす会/日本消費者連盟/ふぇみん婦人民主クラブ/福島老朽原発を考える会/浜岡原発を考える静岡ネットワーク/核のごみキャンペーン・中部/原子力発電に反対する福井県民会議/グリーン・アクション/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会/島根原発増設反対運動/原発さよなら四国ネットワーク/原発さよならネットワーク高知/からつ環境ネットワーク/脱原発ネットワーク・九州連絡先 |