【図1】 原燃hpで約10分毎に更新される図。6月10日16時10分現在のもの。 主排気筒のA1モニタが5187を示している。 【図2】 主排気筒A1モニタ指示値の変化[原燃hpより] 【図3】 原燃hpの図1の主排気筒A1モニタ値の時間的変化[当会作成] 図1は、6月10日(土)の16時10分頃に原燃hpに掲載されたものです。主排気筒A1モニタの値が5187cpmと表示されています(cpmは1分間当たりの放射線のカウント数)。使用済み核燃料のせん断によって大気中に排出された放射能としてはこれまでで最大の値を示しています。アクティブ試験開始当初の4月頃は最大でも3000cpm以下でした。これだけ放出量が多くなったのは、せん断する使用済み核燃料の燃焼度の違いなどによると思われます。 この図1は、10分毎に更新され、10分後には以前の数値を見ることができなくなります。例えば現在、下記をクリックしてみてください。現在の数値が示されているだけで、過去の数値を見ることはできません。他方、継続的な放出量を示しているのが図2です。 ○原燃hpのモニタ数値 この図2は、時系列で主排気筒からの放出量のcpmを示しています。しかし、グラフ縦軸のスケールが一目盛り20,000cpmと大きいため、地をはうようなグラフとなり、5000cpmも放出されたなどとはこのグラフからは分かりません。また、そもそも、年間放出量はベクレル単位で管理されているにもかかわらず、公表されている数値はベクレルではなくcpmのみです。これでは実際どれだけの放射能が放出されたのか一切分かりません。 グラフでは小さな山がたくさん並んでいますが、山3つの一組で、燃料集合体1体がせん断されたことを表しています。 図3は、当会が作成したグラフです。原燃のhpで約10分毎に更新される図1の主排気筒A1モニタを15時10分〜20時20分まで記録して作成したものです。こうでもしなければ、時間ごとの数値とその変化を知ることはできないのです。 原燃の情報公開のあり方には多方面から批判がでていますが、この放出放射能の情報の示し方もその一つです。 3月31日から始まったアクティブ試験の第1ステップでは、67体の使用済み核燃料を再処理することになっていました。第1ステップは、当初5月末頃には終了する予定でしたが、事故の頻発によって遅れています。その遅れを取り戻すかのように、原燃は6月7〜10日に猛スピードで31体もの燃料をせん断しました。夜中も日中もせん断作業を行い、6月10日に67体全てのせん断を終了しました(5月末までの2ヶ月間で36体せん断)。1体の燃料せん断に約2時間ほどかかっています。燃料せん断の状況は下記です。 6月末には、5月分の「報告書」が出る予定です。また、その後、第1ステップ全体の「評価」が行われることになります。原燃の情報公開のデタラメさを多くの人たちに知らせ、放出量や事故の実態を把握できるような情報の公開を要求していきましょう。 ●使用済み核燃料のせん断の状況(原燃hpの「A1主排気筒ガスモニタの指示値の変化」より(時刻はグラフから読み取ったもの)。
★関連情報 要望書 「放射能予報」を出してください アクティブ試験に関するトラブル情報の基準・公表様式及び運転・放射能放出情報の公表様式の改善について(2006年5月16日) http://www.jca.apc.org/mihama/reprocess/gennen_yobo060516.htm |