決 議 文
食の安全・安心を求める関西の立場から、六ヶ所再処理工場の運転に反対し
青森県知事が本格稼動の安全協定にサインしないよう求めます


 六ヶ所再処理工場が本格稼動しようとしています。
 そのことを憂慮して私たちはこれまで、映画上映会やトーク会、学習会や集会などの催しを、大小さまざまな規模で繰り返し、積み上げてきました。そこでは、食の安全・安心がテーマとして貫かれてきました。
 そして本日、それらの思いを一つに集めるべく、滋賀、京都、奈良、大阪、兵庫および和歌山の関西一円から一堂につどいました。ここに私たちは、食の安全・安心を求める生活者の立場から、六ヶ所再処理工場の運転に反対する意思を表明します。

 りんご、にんにく、長いも、ごぼう、おこめ。こんぶ、いか、かれい、まぐろ、ほたてなど。青森や三陸のたくさんの恵みが、関西でも日々食卓にのぼり、私たちの生きる力となっています。私たちはこのことに深く感謝しています。

 しかし、六ヶ所再処理工場が本格稼動すれば、日常的に放出される放射能で、大気や大地や海が汚染されます。実際、フランスのラ・アーグ再処理工場周辺では、野菜、牛乳、海藻や魚などから、自然界にはないセシウム、ストロンチウムやヨウ素などの放射能が検出されています。海の汚染に起因する小児白血病が多発しています。そこに、青森や三陸の明日の姿が見えていることに、私たちは深い憂慮の念を抱かざるを得ません。

 同時に、食の安全を求める関西の生活者の立場において私たちは、たくさんの小さないのちが放射能で傷つけられないよう、子どもたちが元気に、未来に誇りと希望をもって生き続けられるようにと、心から願っています。

 青森県の三村申吾知事が安全協定にサインさえしなければ、本格稼動に入ることはできません。
 青森県では食の安全・安心が強くうたわれ、知事自ら先頭に立って「攻めの農林水産業」を推進しています。再処理工場の運転容認は、明らかにこの立場に反するものです。

 人類の生存すら危うくなりつつある地球環境の中で、太古の昔から万民のものであった、いのちの大地や、宝の海、そして大気を放射能でこれ以上勝手に汚すことは許されません。

 知事の判断は、六ケ所のみならず、世界中の海に対し、大地に対し、空に対し、そこで暮らすすべての命あるものに対し、そして、未来の子供たちに対して責任をもつべきものです。

 同時に私たちは、再処理工場の放射能問題の基となっている核のゴミの排出に目を向けざるを得ません。核のゴミ問題は、関西に暮らす私たちにとっても、自らの暮らしを顧みるきっかけとなるものです。さらに、原発に依存したエネルギー政策のあり方を問い直す重要な契機となるものです。

 私たちは、再処理工場の本格稼動に反対します。試験運転の即時停止を要求します。青森県知事が本格稼動の安全協定にサインしないよう心から求めます。

2008年5月25日

「たべたいねん青森 いらんねん再処理」のつどい 参加者一同
(08/05/26UP)