原子力安全・保安院長 松永和夫 様 貴院は、1月14日に、六ヶ所再処理施設及び高レベル廃棄物管理施設のガラス固化体貯蔵建屋に関して、除熱解析に誤りがあることを日本原燃に指摘し、原燃はその誤りを1月28日に認めてその内容を公表しました。 それに対して貴院は同日に見解を記者発表しましたが、その中では重要な2点について、日本原燃の判断を紹介するだけで、自らの評価を示していません。その2点とは、 (1) なぜそのような解析の誤りが生じたのかという「原因」の判断 (2) 他の施設・設備で同様の解析誤りがないという確認の判断 です。この評価を示すことは規制当局としての当然の責務だと思いますが、なぜ評価を示さないのですか。 他方で貴院は、日本原燃が解析のやり直しに基づいて設工認申請の提出をし直すという方針については無条件に認めています。その線で、2つの建屋に関する原燃の4月18日付変更申請を受け取りました。根本的な問題を放置したまま、なし崩し的に設計のやり直しを認めるような姿勢には、深い疑問を感じざるを得ません。 私たちはこの問題で、4月22日に日本原燃に対して別紙のような質問書を提出しました。そこで特に問題にしているのは、第1ガラス固化体貯蔵建屋・西棟の2回の設計変更に伴う解析誤りです。1996年(平成8年)の設計変更時の解析誤りについては、1月28日公表資料で、日本原燃は曲がりなりにも経緯に触れています。しかし、第2回目の2001年(平成13年)の設計変更時の解析誤りについては、一言の説明もありません。設計変更が2回あったのに、2回ともガラス固化体の温度に何も変化がなかったことは、誰にも納得できることではないでしょう。貴院はこのことをどのように理解しているのか、明らかにすべきです。 そこで、私たちは次の点を貴院に申し入れします。 1.解析誤りに関する日本原燃の「原因」に関する判断及び他に同様の誤りはないという判断について、貴院はどのように評価しているのか、明らかにしてください。 2.私たちが日本原燃に対する質問書で提起した問題、特に第1ガラス固化体貯蔵建屋・西棟の2回の設計変更に伴う疑問について、見解を明らかにしてください。 3.これらの問題が明確になるまで、4月18日付の日本原燃の変更申請に関する審査は凍結してください。 2005年4月22日 再処理とめよう! 全国ネットワーク (〒039-3215) 青森県上北郡六ヶ所村倉内笹崎1521 菊川方 【再処理とめよう!全国ネットワーク・連絡団体】 花とハーブの里 みどりと反プルサーマル新潟県連絡会 グリーンピース・ジャパン グリーン・アクション 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 脱原発ネットワーク・九州 |