平成17年10月18日 ガラス固化体の貯蔵建屋については、ステンレス鋼、炭素鋼及びコンクリートで構成されている。今回の改造で追加するルーバ及び迷路板等は、耐食性に優れたステンレス鋼を使用することとしており、炭素鋼を使用する収納管及び通風管についてはアルミ溶射がなされており、耐食性を確保している。このことから構造物の長期的な健全性は、確保されているものと認められる。 事業者は、コンクリートの長期健全性の観点から、一般部のコンクリートの温度の設計目標値を65℃としている。事業者はモックアップ試験を実施し、解析の妥当性を確認しつつ、独自にコンクリート温度解析を行っている。その結果は、別図5−1から別図5−2に示す温度分布となっている。 また、事業者の行った解析では、別図6のとおり、収納管貫通部、出口迷路板部の一部のコンクリート温度が65℃を上回るとしている。 原子力安全・保安院としては、信頼に足りると判断した上で、事業者が行った一般部のコンクリート温度解析は設計目標を下回っており、健全性は確保されていると妥当と判断する。 また、収納管貫通部、出口迷路板部の一部のコンクリート温度が65℃を上回ることに関し、原子力安全・保安院としては、当該部位の割合が力の及ぶ構造躯体の体積に対して少なく、65℃を超え90℃以下となる部分が仮に劣化したとしても、構造物の剛性や耐力に大きな影響を及ぼさない範囲であることから、局部的な範囲と判断した。告示452号及び日本機械学会の規格では局部的な範囲については90℃以下であれば、長期健全性の観点から支障がないとしており、告示452号等を準用することには支障がないと判断する。 なお、原子力安全・保安院が行ったクロスチェックの解析結果においても、別図7及び別図8のとおりの温度分布となっている。 * 告示452号及び日本機械学会の規格:「コンクリート製原子炉格納容器に関する構造等の技術基準」(通商産業省 平成2年10月制定)解説及び「コンクリート製原子炉格納容器規格」(日本機械学会 平成15年12月制定)においても同様に一般部のコンクリート温度制限値は、65℃、局部については90℃以下と定めている。 |