11月22日15時から約1時間、事前に提出していた要望・質問(11月10日付)について原燃と交渉を行った。その際の回答とやり取りを、録音テープからできる限り忠実に再現して記載する。 *冒頭、六ヶ所村・花とハーブの里の菊川さんが要望書の前文を読み上げ、提出団体は全国から98団体であることを伝えた。 *原燃からは、広報地域交流室広報部総括グループ゚の鈴木副部長、松木課長、青木担当の3人が出席した。 市民側は、青森県内から5人、岩手から1人、首都圏から3人、大阪から2人、合計11人であった。 *原燃は、会議室に入る前、11人は多いと苦情。対面して座る者を6人として開始した。 *原燃側の回答は、鈴木副部長が行い、一通りの回答後のやり取りでは、松木課長も発言した。 (文章中、黒字は回答を、青字は回答後のやり取りを示す。不明箇所は●●で示した。また、< >内は、文責者の補足やコメントである。やり取りでの記述は、質問項目にあてはめて記載したため、実際の順序どおりではない。)「回答文章は今の段階で出せる状態ではないので、私どもが今の段階で確認してきた情報を口頭でお話させていただきます。」(鈴木副部長)として始まった。 Q1.(1)第2ステップの工程は9月半ば終了か? 確かに第2ステップの関係で遅れが生じていますが、私どもとしては着実に安全確保を優先しながら進めていくというスタンスで今やっていますので、何時までかかるかということについては、今の段階では答としては差し控えたいと思っている。 (市民)(1)のところは、このままの<質問に対する>答えになっていないと思うのですが。第2ステップは、7月7日にスケジュールが公表されておりますけれども、それによりますと工程のグラフのようなものがあって、それを見ると9月半ばか20日ぐらいに一応終了することになっていると思うのですが、そのこと自体は間違いではないですね? 【原燃】計画の中に載っている表がありますが、一応当初の予定ではそのように・・・。ある程度の期間を斜め線で示していますが。 (市民)斜め線については、第1ステップと照らし合わせてみると、第1ステップの場合は、6月26日に終わって8月12日までが斜め線になっていると思うのですが、大体のところ。<第2ステップでは>9月の半ばぐらいに斜め線の先端があるということは、そこで一応の工程が終わるという理解でよろしいか? 【原燃】大体その辺の理解ということで・・・・。 (市民)大体のところ、2ヶ月ぐらいは遅れているということですよね? 【原燃】その辺は、・・まあ言明しませんけれども。 (市民)2ヶ月遅れとの理解でおりますので。 【原燃】(返答も反論もなし)<返答をしないことで事実上認めている> Q1.(2)第2ステップの終了時期は? BWR燃料せん断につきましては、一応11月20日の段階で予定されていた60トンのせん断は終了したという状況にまで至っております。 Q2.(1)a 1ヶ月半のせん断中断の理由? せん断中断の理由ですが、分析再現性の確認試験を実施していたというのが理由となります。 なお、当初の計画では、第2ステップ期間中の中で、せん断・溶解・分離精製・脱硝等の主工程に影響されないところで、分析再現性確認試験を行うということにしておりましたが、第1ステップでの経験を踏まえて、分析再現性の重要性を考えて、そちらを優先的に実施したということでございます。そのためせん断の工程については、この間はこういう形をとらせていただいております。第1ステップの経験といいますのは、ある意味では第1ステップの期間中に起きました体内取り込みということがございまして、分析の試験については慎重にやっていこうということから当社の方針を固めたということでございます。 (市民)せん断の中断は、分析再現性試験のためであって、他の理由ではないという答えであったが。 【原燃】はい。 (市民)分析再現性の試験は、始めは独自で、他とは無関係にやろうとしていたが、重要なので、せん断を中断してそちらに取り掛かったという答えでよろしいか。 【原燃】内部取り込みなどもありまして、少し慎重になおかつ正確さを期してやっている。基本的には、せん断を終えて溶液を流して、それについて分析を行うという流れになると思うのですが、分析のところがスムーズに行けば溶液を流すということになのですが、分析のところをしっかりとやる、そちらの方を優先してやっているので、どんどんせん断して溶液を流しても分析試験のところで溜まる一方なので、せん断をやめたということでございます。 (市民)6体のせん断が終了して7体目にかかるところで中断したが、何か固着物の影響で中断したのか。 【原燃】私の聞いておるところでは、最初の段階から再現性試験に必要な溶液を確保するということで始まっていまして、7体目をせん断の機械の中に入れようとしましたが、そこで何か固着物で引っかかってしまったと。その段階で、6体目までの溶液の量を確認していたところ、もうこれで分析再現性試験はやれるという量は確保できていたため、そこで止めたと。 (市民)よそから伝え聞いたところでは、最初は9体せん断する予定であったが、何かに引っかかったので後の3体は戻したとかと聞こえてきていますが、それはないですか。 【原燃】それは私も色々と聞いているのですが、うちの中で正式発表しているのはそんなものはありませんで、多分社内で当初は色々の体制があったのだろうと思います、その中の数字の一つが、そういう形で・・お耳に入ったのかも知れませんが。当初予定していたというのは、我々としては再現性試験のための溶液の確保ということでありました。 (市民)6体と決めていたのではなく、溶液の確保として決めていたのか。 【原燃】はい。はい。 (市民)9体予定していた可能性もあったということですね。 【原燃】・・・・。 (市民)引っかかった原因が固着物だとするとその原因追求のために固着物を調べるのが普通だが、全くしなかったのか? 【原燃】しておりません。固着物の関係で引っ掛かることがあるというのはある程度想定している事象ですので、それについては取り除いたらまた同じ・・・。 Q2.(1)b A1モニター指示値が小さい理由? 核使用済み燃料の燃焼度、冷却期間、ウラン濃縮度等によって発生する●●<聞き取れない>の変動です。その関係で多少モニター指示値に大小が出たということでございます。 Q2.(1)c 固着物は何か? 固着物については特定はしていません。 Q2.(1)d 固着物の除去方法、作業者の被ばく線量は? 固着物の除去については砥石を使用してこういうようなことをやりました。最初の頃はワイヤーブラシ等でやっていたが、なかなかはかどらないということがあって、砥石を使って除去して、それを掃除機のようなもので吸い取って回収した。なお、除去装置は遠隔作業となっているので作業員に被ばくはない。 回収したものは固体廃棄物という形で処理をされていますので、回収したものの特定はしていない。 (市民)当初はワイヤーブラシを使ったがうまくいかなかったので砥石に変えた。予定を変えなければならないぐらいの固着物なのになぜ調べないのか。それはおかしい。 【原燃】砥石を使って除去しますので、それで・・・。 (市民)それはせん断機の中のどこかをワイヤーブラシでこすったということか。 【原燃】ひっかかりが生じて入らなくなったということなので。 (市民)おたくの想定集の中では、燃料が飛び散って固着するとか、そういうのはよく書いているが、そういうことではないのか。 【原燃】まあ同列のものだということです。 (市民)やはり燃料が飛び散って。燃料以外考えられないのではないか。 【原燃】まあそうですね。 (市民)燃料とか被覆管の破片とか、それ以外は考えられないですよね。 【原燃】はあ。 (市民)砥石で<せん断機の>どの部分をこすったのか? 【原燃】詳しくは知らないが、燃料集合体を<せん断部に>送り込む途中でひっかかりが起こって送れなくなったと聞いている。 (市民)2体目から4体目のところのグラフが小さいのは事実だ。あまりクリプトンが出なかったということ。普通で言えば、燃焼度や冷却期間の違うものが間(あいだ)にとつぜん入り込むことは考えられない。6月にせん断したものに比べて、8月は一般に燃焼度が高く、冷却期間が短い傾向にある。だから6月よりもクリプトンは多めにでる傾向にある。1体分でどれだけのクリプトンが出たかは、6月も8月も分かる。比べると(出たクリプトンの量が)8月は明らかに低いというのはおかしい。だから、せん断したものが溶解槽の中に落ちなかったことになる。その落ちなかった分がせん断機の中に残って、それが固着物になったとしか考えられないが、それは間違っているか。 【原燃】それはいまの●●<聞き取れない>ますんで分からないが。 【原燃】それは相当の量になるのか。 (市民)相当の量だ。計算してみると400kgぐらいの量になりますよ。 【原燃】ちょっとそれは確認をしてみるが、そんな量があるとは聞いていない。 (市民)あーそうですか。どれくらいあったかわかるか、だいたい。 【原燃】いや、●●<聞き取れない>自体取れちゃったような・・・。 (市民)まあ大雑把な計算だからわからないが、落ちなかったからせん断機内にたまって固着物になったと想像するが、その点はまた調べてお願いします。 Q2.(2) 10月9日〜16日のせん断中断は、核実験のためか? 10月3日からせん断を開始して、予定数のせん断が終了したので10月10日で一端せん断を終了したということです。北朝鮮の核実験とは関係がございません。 また次のせん断開始までは、溶解液の分析等をしており、次のせん断開始の目途がついたため10月16日からせん断を開始しております。 Q3.(1)a〜f Eモニターの異常指示の関係 色々と気象状況等についても推測されておられますが、私どもといたしましてはこの点については肯定も、同意もいたしません。私どもの見解といたしましては、堅いかもしれませんが、再処理工場から発生するクリプトンは、地上高さ150mの主排気筒からから放出されて、風下方向に向かって拡散、希釈されていくため、通常の気象条件の下では、敷地内、主排気筒の近傍ではその濃度はきわめて低いため、検出はされません。 一方、主排気筒から放出されたクリプトン85は、再処理事業所敷地上空に滞留する静穏時の気象条件においては、主排気筒の近傍の地上で一時的に検出される場合があります。その場合でもクリプトン85が地上に到達するまでは大気中で拡散、希釈されるため地上では十分低い濃度レベルとなり、また、クリプトン85は化学的に不活性なガスのため人体に蓄積されることはありません。線量は十分小さく問題はありません。 また、主排気筒から放出された放射性物質の大気中での拡散評価等については、国の定めました気象指針に基づいて適切に評価しております。気象指針の評価式では、風向きの変わり目など短時間の気象変化時に限った評価をするのが目的ではなく、一般公衆が1年間に受ける線量評価のため、施設の敷地内で1年間にわたり実際に観測された気象データを用いて年間にわたる影響を評価するためのものです。よって、短時間の気象変動についても、評価上問題ないという風に認識しております。なお、●●●<聞き取れず>として、今後とも周辺の環境モニタリングによって、一般公衆への影響が十分小さいものであるということの確認を行っております。 周辺地域のモニタリングステーションおよび境界付近のモニタリングポストにおいては、気体状のベータ放射能及び空間放射線量率の連続測定を行っておりますが、当該期間については前者のクリプトン85濃度は、定量下限値未満。後者の線量率は、当時の自然放射線による影響と区別できないぐらいの状況であります。 Q3.(2)10月19日の異常指示の理由? (2)については、いちいち、短期間についてどうのこうのということではなくて、先ほど言いましたとおり、1年間の気象条件の中で評価をしておって何ら問題はないという風に考えております。 (市民)<るる説明した後>吹き戻しで説明がつくが、どうですか? 【原燃】我々の方としては、吹き戻しとか短期間のそういった現象については考慮しないで、年間の平均の気象条件の中で評価して、それで周辺に影響のないことを確認しているので大丈夫です。 (市民)確かに「静穏の起こる」頻度はデータになっていて申請書の中に書かれているが、吹き戻しのようなものは一切書かれておりません。おたくの申請書を見る限りは。 【原燃】吹き戻しという現象自体は、気象条件の評価の中で、こういう評価をしなさいという国の指針に基づいてやっている評価を我々はやっているわけですから、一応それで周辺状況の安全が確保できているということでやっている訳です。 (市民)私たちは気象指針による評価だけではダメではないかといっている。国の指針に従ってやっているからそれでよいというのですね。 【原燃】はい。はい。 (市民)1年間のデータで安全評価をしているということは、一時的に濃い放射能が出ることを認めるということか。 【原燃】評価指針の話は先ほど鈴木が話したとおり国が定めたやつに則ってやっているだけで、それとは別にモニタリングによるチェックもやっておりまして、線量当量率とかその時の周辺施設でのモニタリングポストでのガス濃度とかからは、特に異常な値が認められていないところから、我々は危険な状態であったとは認識しておりません。 (市民)グラフを見れば、普段の倍ぐらいの高さになっているがそれは異常ではないのか。 【原燃】まあ、ある想定の範囲内ということで・・・。 (市民)排気筒からはどれぐらいの勢いで吹き出しているのですか。 【原燃】数字はチョット今覚えていませんが・・・。<市民側が70m/秒ぐらいと言うと> それぐらいと思います。 (市民)だとすると、静穏時では風のあるときよりも高く吹き出されると思うんだけど。静穏時で落ちてくるということは風のあるときだったらもっと落ちてやすいんですよね。 【原燃】・・・・。 (市民)風速が分母に来ているのですよ、高さの計算のときに。 【原燃】それが、さっき鈴木が申しておりました静穏時の・・・高さを求める式をそのまま使うと沢山上がっちゃうことになるんですが、実際は何百mも上がらないので、そういうことを含めて風洞実験でどれぐらいまで上がるかというのを、データを見て修正してるわけです。 (市民)気象指針に式が書いてあるのでそれに従って、静穏の場合の計算をすると地表のとこにはほとんど降りてこない。もう何百万分の一とか、そんなもんです。計算式でやると。 (市民)その計算式が実情と違っていると・・・。 (市民)全く違う。 【原燃】私どもは、それを風洞実験で・・・。 Q4.(1)(2)ラ・アーグでの実測値と気象指針の乖離、気象指針での過小評価など? 拡散計算式は、地形が平坦な状態の部分の評価となっておりますが、六ヶ所における拡散評価、線量評価では気象指針に基づいて拡散計算の式を単にそのまま用いるのではなく、建物や敷地周辺地形の影響を反映するために、縮尺模型を用いた実験によって補正した条件を用いて評価をしております。このことは事業指定申請書にも明示しており、国の安全審査によりその安全性は確保されています。従って、(質問にある)そのようなことは六ヶ所における評価の中で既に考慮済みであるという風に考えております。 (市民)縮尺模型でやっているということだが、これは多分吹き上りの高さを計算する式が気象指針の中にあってそれも使っておられるのですが、これで計算するとものすごい高さになるので、それを補正するために風洞実験を行っていると書かれているが、そのことですね。 【原燃】はい。 (市民)あれでいくと、排気筒の高さは10センチにも満たない縮尺ですが、そういうことですね。 【原燃】小山さんは風洞実験自体が余り有効ではないと捉えておられるのですか。 (市民)いや、吹き上げの高さを補正するのには多分それでいけるのでしょうが、全体の拡散の仕方まで、それでやっているとは思えない、おたくの方の書き方から見ると。 【原燃】私の聞いているところでは、風洞実験で周辺のところも、どれぐらいの落ち方をするかを見た上で有効高さを決めていると。それをご存知の上で・・・・。 Q5.(1)9月の海洋放出の公表? これは今データ等を確認しております。おっしゃる通り県会で公表しているということもございますので、近々何らかの形でデータをお示ししたいという風に考えています。 (市民)公表の仕方はどのようなことを考えておられるのか。 【原燃】社内の手続きがまだ完成していませんので、完成してからでないとお話ができません。途中段階なので。多分近日中にはお伝えできると思います。 Q5.(2)Rモニターは何を測定しているか? トリチウムやヨウ素等の放出放射能の規制物質の量については、放出をする前にその都度、液体廃棄物処理施設の放出前貯槽で資料を採取し分析しております。トリチウムの結果については、月単位で定期的にホームページでお知らせをしておりますので、そちらをご参照いただきたいと思います。 排水モニターは、開放放出管内を流れる液体廃棄物などのガンマー線を測定しており、放出の異常の有無を確認するために設けているものであります。 (市民)回答では、Rモニター設置の意味が薄いような内容だが、放出時のデータが分かるようなモニタリングをぜひお願いしたい。 Q5.(3)海底土のプルトニウムの公表の仕方 第1四半期の海底土の分布によるPu238の測定結果は、検出限界値未満となっておりました。 (市民)今後とも238と239+240と別々に表示してほしい。 Q5.(4)岩手県下の市町議会の決議 新聞報道によりまして、請願内容は、海洋への放出を一定期間停止するよう求める内容であることは十分認識しております。当社としてのコメントは控えさせていただきます。 なお、海洋への放射性物質の規制については、原子炉等規制法の関係法令で規制されておりまして、当社は環境への放出とともに規制を受けております。 Q5.(5)海洋放出の事前予報 海洋への放出については、1年間の放出管理目標値を設定し、放出の際、放出放射能を測定し、足し合わせて1年間の目標値と対比させながらこれを超えないよう管理してございます このため、当社としましては、月単位での合計放出放射能量を月末にホームページ上でお知らせすることにしております。何をどれぐらい放出するのかではなくて、出した放射能量で管理をして、結果を発表しているということでございます。 (市民)放射能の海洋放出ですが、危険なものを海洋に放出するわけですから、事前の情報公開を三つ、何時放出すると、こんな核種が入っていていると、濃度はこれぐらいだと、こういうのを公表して、その辺の釣り客とかいろんな人もいますので、子供たちが海で遊ぶとか、そういうこともありますので、これはやっていただきたい。 Q6.クリプトン、トリチウムの除去装置の設置 現時点では当社再処理工場のクリプトンは回収されておりません。回収、固定化技術、貯蔵に関する必要で適用可能な技術は確立していない、と認識しております。今後も技術開発の向上に注意を払い、技術開発に進展が見られる場合にはその適用可能性に関して検討を行います。 (市民)安全協定では、技術開発の促進に努めるとはっきり明示されているが、先ほどの回答は開発されているとは認識していないとのお話で、ということは、日本原燃の方では、こういう風な条件に関しての研究開発というものをやっているのかどうか? 【原燃】当社としては、ここは確認していないのですが、聞いている範囲で言いますと、適用可能性についての・・、技術開発の動向に注意を払っていきたいということでございます。私が知っている範囲では、JAEA(日本原子力研究開発機構)で、そういった開発が継続されているという風に聞いておりまして、その辺の動向を見ていきたい、と。<依頼しているかどうかは不明である> (市民)2006年3月に日本原研の●●の方が、クリプトンの除去技術はもう出来ていると、経済的理由で設置しないとこういう風にコメントされているのがあるが、これについては事実と違うのでしょうか。 【原燃】そこらへんは確認してみないと分かりませんけれども、今の段階では実用化できるような技術は確立されていない、というふうに聞いております。 (市民)実用化に向けての企業努力は、これは、青森の人々にとっても岩手の人々にとっても、まず放射能を極力低減してほしいというのは切実な願いなわけですよ。もうアクティブが始まったのですから。アクティブの前と違う。それに対してそんな悠長なことを言っていていいのかと思う。 <引用した新聞を原燃側が確認:2006年3月5日の東奥日報> すこぶる真剣にやってもらわないと、他のいろんな低レベルの貯槽だとか、今5種類ぐらい県議会の方でやり始めているみたいだがそんなものの前に、これだと思う。これをやらないことには、皆さんの誠意が伝わらないですよ。技術があるのに係わらずやらないということは、すごく青森の人々に対して、この辺に住んでいる人たちに対して、非常に誠意がないといえるのです。 (市民)関連してですが、原子力安全委員会の再処理施設安全調査プロジェクトチームの第17回会合の議事録の中で原燃の青柳技術部長さんが「海には100%トリチウムを放出するという算出をやっているが再処理工場全体の硝酸、いわゆるプロセス液にトリチウムがまだバランスがとれておりませんので、放出量としてはまだ計算値の10%にも満たない状況でございます」と、これは第1ステップの話ですが、・・・あまり外に出てきていないという話のようで、本当はこの10倍ぐらい出るはずのものがまだ出ていないという言い方に受け取れるが、これはそういう意味でよろしいか。また後で回答を。 (市民)もうひとつ、海底土のPu238について、238は検出限界未満ということであったので、今発表されているのは、239と240の濃度と理解してよいか。また、今後、238が検出された場合は、分けて発表するのか。 【原燃】分けて発表するかどうかちょっと分かりませんが、基本的にはお答えすることになっております。 (市民)他の原子力施設と同じように分けて発表すべきと私たちは言っているのだが、今の段階では答えられないということか。 【原燃】はい。 (市民)最後に一つ、JAEAにお宅の方で除去装置を開発してほしいとお願いしてやってもらっているのですか。 【原燃】お願いしているかどうかは分からないが、JAEAが再処理工場をやっていた頃なのでその関連でクリプトン関係の除去の開発研究をしていたということでございます。 (市民)ということは、安全協定でうたわれている技術開発の促進と低減措置の導入に関連してお宅の方では積極的に取り組んでいないとしか判断できないんですが、それでよろしいのでしょうか? 【原燃】動向を今注視しているというところでして、その結果いかんによっては取り入れるというようなことになると思いますがその程度だと思います。 【原燃】主体がやるとそのようなことになると思いますが、今のJAEAが、研究をずーとやっていた組織と旧サイクル機構と合併していますので、研究機構としての性格が国の中で持っているのではと思います。 (市民)お宅の方では主体的に係わっていないように聞こえますが? 【原燃】依頼がどうだとかというところはちょっと分からないし、当社で色々と再処理に係る研究なども恐らくしているだろうし、その中にその最先端のものが入っているかどうかは今明言はできないですが、我々が聞いている話では、大きな研究テーマとしてやっているのがJAEAでの開発研究ということを聞いているのです・ (市民)来年から始まろうとしているのに、そんなことでは安全協定での文章だけとしか取れませんが、一番切実な課題じゃないのですか。これ従業員の方も同じと思うのですよ、被ばくしますから。 【原燃】基本的には、安全評価の中で念には念をいれてやっていますので、そういうことはないと思います。 Q7.(2)〜(4)作業員の被ばく関係 放射線業務従事者の線量分布については、あらかじめ定められている内容を報告していますので、その報告内容でご確認を頂きたいと思います。 なお、この線量分布については、法令においても報告様式が規定されており、その基本は他の原子力施設と同等となっております。従って、それと異なる分類による集計の必要はないと考えております。 また、その線量については年度単位で集計し、その結果は原子力施設工程管理の報告書で報告されるため、そちらでの報告を探していただきたいと思います。 Q7.(5)第2四半期での内部被ばく者数は? 内部被爆者についてはおりません。 7.(5)ですが、私は前に、別の方がいらっしゃった時かもしれませんが、2mSvに達さないものは記録されませんとお答えしたのですが、外部から受けた放射線の影響については、2mSv以下でも、分かる種類については記録しているということでございました。訂正させていただきます。内部被ばくについては2mSv以下については記録しておりません。 Q7.(6)6月24日の内部被ばく事故時の空気中汚染濃度とマスク着用基準? 7.(6)ですが、6月20日10時から24日12時24分の期間採集したうちの測定の結果、当該採集期間のアルファ核種の平均濃度が、1.9×10-8ベクレルあったということであって、途中の期間の濃度については示していません。また、告示に規定される放射線業務従事者に係わる濃度限度はその濃度の作業場所で、1年間作業した人が吸入し続けた場合に、50mSvというのが許容値でありまして、3ヶ月間の平均濃度として規定されております。 従って、短時間の濃度と告示の濃度限度とを比較しても正しい答えは出てきません、ということです。当社においては着用基準は、作業時の放射性物質の吸入または経口摂取の恐れがある場合に着用するということにしております。 (市民)マスク着用基準について、我々が出している質問書には原発の基準を書いているが、先ほどの回答では濃度規制はなくて、吸入されるとか体内取り込みの恐れがあるときに着用するようにしているとの答えであったが基準はないのか。 【原燃】社内規定ではある。 (市民)社内基準に比べてはどうか。その基準はいくらか。 【原燃】公表はしておりません。 (市民)原発でも公表しているのに?! 【原燃】その原発というのは日本国内のですか?各電力とかではなくて・・。 (市民)各電力ですよ。東電は東電で聞きましたから。 【原燃】これは、関西電力か東京電力かどこかの1社のやつがこれですか。 (市民)ええそうです。 (市民)<質問書に記載した>7×10-8Bq/cm3に、比べてどうか。大きいのか小さいのか。数字は知っているのでしょう? 【原燃】今はちょっと数字は知りません。知らないし、答えられるかどうか・・。 (市民)他の原発でも答えているのだから、答えてください。 Q8.(1)混合酸化物生成開始情報の異常な扱い 核不拡散につながる我が国独自の脱硝物であるということ、それと国内での商業施設で初めてMOX燃料製造に適したウラン・プルトニウム混合脱硝酸化物の生産を開始し、これによって準国産レベルの生産が開始されたということから皆様方の関心があり、ホームページでお知らせした次第です。皆様の関心ということもございますけれども、プレスの方々からの関心もあるということでございます。 Q8.(2)a 核不拡散性に優れているとする基準? 低濃縮ウランとプルトニウムを混合した上で、酸化物としてできまして、最も爆発兵器に転用しくい状態、核不拡散に優れた状態となっております。これは、プルトニウムを核兵器として利用するための物的特性であるため、IAEAについては無関係であります。 (市民)これは、IAEAの基準で言っているのではないというお答えだったですよね。 【原燃】はい。 (市民)ということは、何に基づいて言われているのですか? 【原燃】えーと、物質の特性ですね。私が聞いているところでは、核爆発装置に転用するためには、プルトニウムとウランをまず分離するという風な必要があって、その分離したところからさらにプルトニウム単体を抽出して濃縮するという作業が必要となるということですので、酸化プルトニウムに比較しては核兵器に用いりにくいと・・・。 (市民)早い話が、プルトニウム単体ではないからということですね。 【原燃】はい。 (市民)ちょっと確認ですが、11月2日付で記者発表されているが、そこのところに「プルトニウム単体ではなく,核不拡散性に優れかつMOX燃料に適したウラン・プルトニウム混合酸化物粉末であります」と書かれているのですが、プルトニウム単体と比較した形になっていますが、これ「酸化物」という意味でよろしいですか。 【原燃】プルトニウム単体の意味ですか?これ私また間違ったこと言ったらなんですが、多分そうだと思います。 (市民)政府の見解でも、この位置は酸化物になっているんですよ、比較する対象が。比較の対象は、フランスとかイギリスのと同じやり方で比較するはずなので、酸化物と比較していると考えてよろしいですね。 【原燃】プルトニウム酸化物と比較していると。 (市民)とすると(b)のところの話しですが、これはお認めになったと思いますが、プルトニウム酸化物とMOXとは同じ1〜3週間という週単位で計る同じ範疇に入っているとこれは事実ですよね。IAEAは。[IAEAの基準に関する資料:「核情報」より] 【原燃】はい。 (市民)そこをもしプルトニウム単体、金属単体と比べた場合、カテゴリーが違ってきますので。 (市民)1週間から3週間のオーダーというのは・・・。 【原燃】1週間、3週間というのは私はちょっと分かりません。 (市民)IAEA基準で同じ転換時間の範疇にあるというのはお認めになるのですね。 【原燃】同じ範疇にある。 (市民)いま、IAEAは24時間査察に入っていますが何のために入っているのですか。 【原燃】核物質の移動を監視するため・・。 (市民)もっと大きい意味合いでは?核爆発装置に使われないようにしているかどうかということでしょう?その移動というのは。それなのに「核不拡散性に優れている」というのは言い過ぎではないか。IAEAの措置をよく考えていないのではないか、24時間査察に入っていることも含めて。到底やないけど、プルトニウム酸化物よりMOX燃料のほうが核不拡散性にすぐれているなどと見ることはできませんよね、同等と見ることはできても。 (市民)私は、すぐ核兵器を作るとかとは全然思っていないのですよ、そんなことは簡単に出来るものではないと思っていますが、核不拡散性に優れているというのは、1週間のものが3週間に延びる程度のものだというのが、同じ範疇に入っているという意味になるわけですよね、だから、1週間かかるものが3週間に、それだけ核爆弾にするのに延びるということだけのことで、同じ核拡散の可能性としてはほとんど同じ範疇に入っている。そういうものが、核不拡散性に優れているといえるのかという疑問がある。これは疑問として。 Q8.(2)b 酸化プルトニウムとMOXに本質的な違いがあるのか? IAEAでは酸化プルトニウムもMOX粉末もプルトニウム元素を含んでいるため、保障措置上の観点から、同じ区分で分類されております。ただし、核爆発装置への転用の観点からは、MOXについて燃料は酸化プルトニウムと比較しても転化しにくい状況でございます。 Q8.(3)50:50MOX燃料の安全性確認は? 六ヶ所のMOX燃料工場の粉末成形工程は、コジェマ社、現アレバの方でのMOX燃料技術でミマス法というのを採用しております。従って六ヶ所のMOX燃料工場で成形したMOX燃料のプルトニウムスポットのプルトニウム濃度はコジェマ社のMOX燃料と同様、50%ではなくて約30%になります。また、フランスやベルギーで同技術により製造されたMOX燃料は、既に多数の原子炉で使用されていますが、製造法が起因の不具合は報告されていません。 (市民)コジェマでいくと30%濃度になると言われましたが、コジェマの場合は、2段階混合になっていて、第1段階で30%濃度のMOXを作って、それに劣化ウランを混ぜてお客さんの好みのものにするわけですよね。日本で言うと9%ぐらいに。ところが、こちらの場合は、第1段階混合が50%になっているが? 【原燃】その辺は、持ち帰らないと分からないところもあるが、私の聞いているところでは、50%50%の粉末が再処理から出てきますが、それをMOX燃料側で第1段階の混合で30%にして、その後第2段階で顧客に応じたMOX燃料にすると。 (市民)そうなんですか、すると3段階ですか。 【原燃】MOX燃料側で言うと2段階。 Q9.(1)情報公開の基準 安定協定上の六ヶ所再処理工場におけるアクティブ試験等にかかわるトラブル等対応要領に基づいて、トラブルが発生した場合にはトラブルの原因、影響具合に応じて、ABC状況に整理して報告するとともに、試験状況や時々の運転状況も含めホームページにも掲載して、試験目的や当社の●●<聞き取りにくく、『事象』と言っているようである>への対応について広くお知らせしているところです。 Q9.(2)情報公開を改める予定は? 現在のところ、情報公開に対する方針については変更するつもりはございません。 以上 |