新潟県中越沖地震による原子力施設耐震評価の崩壊を踏まえた要望書 2007.8.24


青森県会議員             様

新潟県中越沖地震で原発の耐震評価は崩れ、不安が広がっています
六ヶ所再処理工場の耐震安全性も見直しを求められています
日本原燃自身が活断層の再調査などに踏み切りました

アクティブ試験第4ステップに入ることを認めないでください

 8月29日の青森県全員協議会では、耐震設計ミス問題の報告を受けて、アクティブ試験第4ステップに入ることを認めるかどうかが焦点であると伝えられています。しかし今は、その範囲にとどまって済ませられる状況にはないのではないでしょうか。
 新潟県中越沖地震が柏崎刈羽原発に与えた影響によって、原発の従来の耐震安全性評価は崩壊しました。地震が起これば原発はどうなるのか、全国の人々に強い関心と不安が広がっています。

 同じ耐震評価方法に立つ六ヶ所再処理工場でも耐震評価の見直しが求められています。日本原燃は8月20日、海の活断層調査を追加することに踏み切りました。また、柏崎刈羽原発での地震動を想定したときの耐震性を検討し、1ヶ月以内に報告することを打ち出しています。
 耐震性問題の結果が出ていない今、アクティブ試験の第4ステップに進むかどうかなど、まったく問題にならないのではないでしょうか。

 全国の原発から放射能が寄り集まってくる六ヶ所再処理工場の耐震問題は、個々の原発よりはるかに深刻です。6月末ですでに2270トンの使用済み燃料が集積しましたが、それは100万kW原発の炉内燃料の約20倍にも相当します。そのうち160トン分がすでに再処理されているので、高レベル濃縮廃液が約80立米つくられたと推測されます。これは、加圧水型原発の炉内にある死の灰のおよそ2倍が液体状で貯槽に入っていることを意味します(高レベル濃縮廃液が現在どれだけつくられているかを原燃に質問しましたが、「商業機密で答えられない」との不可解な回答でした)。この高レベル濃縮廃液は絶えず冷却し撹拌し続けなければ、放射能のだす熱で深刻な事態を引き起こします。地震で電源系統や冷却系統や排気系統が破損するだけで、恐ろしい事態が到来することになります。

 柏崎刈羽原発で起こった事態は、地震の揺れによるものだけではありませんでした。地面が波打って施設の不等沈下を起こし、それによって火災が発生しました。
 再処理工場には配管が縦横に走っています。もし地盤の揺れだけでなくズレが生じれば、配管が引きちぎられるようにして破壊されます。中から高レベル廃液やプルトニウム溶液などが流出すれば、壊滅的な事態が生じることになります。しかし、このような揺れ以外の直接的な破壊効果が、これまでの耐震評価で何か考慮されているでしょうか。ぜひ原燃に確かめてください。

 六ヶ所再処理工場の先駆けとなった英仏の再処理工場周辺には、大地震の巣はないと言われています。中越沖地震の震源域となった活断層の実態や、柏崎刈羽原発の被害の全貌はまだ明らかにされていません。
 アクティブ試験の継続をどうするかなどは、これらすべての調査が終了してから検討すればいいことではないでしょうか。それが安全優先の選択ではないでしょうか。

 安全第一を優先し、アクティブ試験第4ステップに入ることを認めないでください。

2007年8月24日

■呼びかけ団体(5)
花とハーブの里/三陸の海を放射能から守る岩手の会/グリーンピース・ジャパン/グリーン・アクション/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会

■賛同団体(24)
PEACE LAND/核の再処理はイラナイ・八戸の会/再処理工場について勉強する農業者の会/核燃止めよう浪岡会/豊かな三陸の海を守る会/NPO地球とともに/三陸・宮城の海を放射能から守る仙台の会(わかめの会)/みやぎ脱原発・風の会/みどりと反プルサーマル新潟県連絡会/原発いらない!ちば/核燃やめておいしいごはん/東京電力と共に脱原発をめざす会/ふぇみん婦人民主クラブ/日本消費者連盟/原発を考える品川の女たち/福島老朽原発を考える会/ストップ・ザ・もんじゅ東京/浜岡原発を考える静岡ネットワーク/核のごみキャンペーン・中部/放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜/たんぽぽとりで/脱原発ネットワーク・九州/九電消費者株主の会/Think プルサーマル

(07/08/25UP)