申 入 書
六ヶ所再処理工場による放射線被ばくは
「0.022mSvだから安全」という宣伝はやめてください


青森県知事 三村申吾 様

 六ヶ所再処理工場のアクティブ試験では、すでに使用済み核燃料18体のせん断に伴う希ガス等が大気中に放出され、4月28日には海洋へも600立米の放射性廃液が放出されました。これら放射能の環境への放出に対する不安が人々の中に広がっています。
 この問題に関連して、私たち3団体を含む16団体は3月28日に、新聞広告で出された阿部道子氏の見解に対する質問書を貴職に提出しました。それに対する5月8日付回答では、私たちが具体的に指摘した疑問点には何も答えていません。その代わりに、阿部氏の見解は「放射線等に対して必要以上に心配を持つことがないようにとのメッセージ」だと答えています。貴職は阿部氏とともに、安心して被曝をせよと人々に諭すのですか。国際放射線防護委員会の見解に照らしてもでたらめな阿部氏の微量放射線無害説を支持して、被ばくの危険に蓋をするのですか。県民の生命と健康を守るべき立場にある貴職が、どうして具体的な疑問にまじめに答えようとしないのですか。このような態度に対して強く抗議します。
 さて、私たち3団体は、日本原燃に対して被曝線量0.022mSvの根拠を問いただす質問書を3月7日に提出し、回答を4月14日に受け取っています。その質問書の中では、被曝評価に関する問題点を具体的に指摘し、それに対する見解を求めています。それにもかかわらず、まじめな答えが返ってきていません(別紙資料参照)。
 例えば、「三陸沿岸での評価は行っていません」と明確に答えながら、薄まるから大丈夫のはずだとの推測を付加しているだけです。また、放射能の年々の累積を評価しているかと聞いている質問に対し、直接には何も答えていません。ヤマセというこの地方特有の気象現象をどう評価しているかと聞いているのに、一般的な気象指針を持ち出すだけで直接の答えをしていません。また、集団被曝線量についてはまったく何も答えていません。

申し入れ事項

 日本原燃や国とは独自の、県民や人々の生命と健康を守るという立場に立って被曝線量を再評価してください。「0.022mSvだから安全」という宣伝は今後いっさい行わないよう強く申し入れします。

  2006年5月16日
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