2006年3月28日 |
青森県知事 三村申吾 様 志賀原発2号機では、「北陸電力の想定を超えた地震で原発に事故が起こり、原告が被ばくする具体的可能性がある」と3月24日の金沢地裁判決は判断し、運転の差止めを命じました。再処理工場の耐震性評価も、原発の耐震指針に依拠しているがゆえに、この判決は六ヶ所再処理工場の耐震性にも見直しを迫っています。また判決は「原子力安全委員会の安全審査を経ているからといって、当該原子炉施設の安全設計の妥当性に欠ける点がないと即断すべきものではない」と判断しました。すなわち、地震については、国が安全だといっても必ずしも安全だと保証されてはいないということです。貴職は、再処理工場の安全性の問題については、いつも「国が責任をもっている」と繰り返しています。しかし今回の判決は、国に頼るだけでは安全性は保証されないことを示しています。 原発の耐震指針の破綻は、1995年の阪神淡路大震災ですでに露呈したにもかかわらず、11年間も見直しを拒んできた政府に対して、とうとう判決は警告を発したのです。2000年の鳥取県西部地震では、地表地震断層が確認されていなかったにもかかわらず、指針が想定しているマグニチュード(M)6.5以上のM7.3の直下型地震が起きました。昨年8月に女川原発は、耐震指針を越える地震動が起こることを、ついに身をもって示しました。今回の判決は、現行の地震動の想定評価の基になっている、松田式、金井式、大橋スペクトルには妥当性がないと厳しく指摘しています。大きな犠牲をともなったこれら地震の事実を踏まえて、政府のサボタージュや電力のエゴを厳しく批判したものと受け止めるべきです。 この判決を受けて、ようやく原子力安全委員会は、耐震指針の見直しについて、今夏に結論をだすことにしたと報道されています。それまでの間でも、大地震によって大きな放射能被害が起こる可能性があります。判決に従うなら、すべての原発は直ちに停止すべきです。 日本原燃の六ヶ所再処理工場も例外ではありません。「再処理施設安全審査指針」の指針13によれば、「耐震設計評価法及び荷重の組合せと許容限界については、『発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針』のそれぞれの該当項目を適用するものとする」と規定されています。そして、金沢地裁判決は、現在の耐震設計評価法は信頼できないと判断しています。そうすると、六ヶ所再処理工場の耐震性にも信頼がおけないことになり、活断層や地震動の従来の評価について根本的に見直しを行う必要があります。 再処理工場では全国の原発から集められた使用済み核燃料が丸裸にされ、高レベルの放射性廃液の流れる長いパイプが縦横に走っています。六ヶ所再処理工場で地震により事故が発生し放射能が放出された場合、その被害は原発の比ではありません。周辺地域はもちろん壊滅的な打撃を受け、その影響は判決の指摘した700qを超えて京阪神にまで及ぶほどでしょう。 いまはとてもアクティブ試験を行えるような状況にないことは明らかです。 以上の趣旨を踏まえて、次の点を貴職に申入れします。 申 入 事 項 1.今夏に出される予定の耐震指針の見直し結果を待ち、それに基づいて六ヶ所再処理工場の耐震性の再検討が行われるまで、アクティブ試験の安全協定を結ばないでください。2006年3月28日 花とハーブの里 グリーン・アクション六ヶ所 牛小舎 核燃から大地を守る隣接農漁業者の会 グリーン・アクション グリーンピース・ジャパン ストップ・ザ・もんじゅ東京 核のゴミキャンペーン 放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜 核のゴミキャンペーン・中部 東京電力と共に脱原発をめざす会 浜岡原発を考える静岡ネットワーク みどりと反プルサーマル新潟県連絡会 福島老朽原発を考える会 プルサーマルいらない浜岡ネット 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(連絡先) (〒530−0047)大阪市北区西天満4−3−3 星光ビル3階 TEL:06-6367-6580/ FAX:06-6367-6581 |