「新聞広告で示された放射線の人体影響に関する阿部道子氏の見解について」の質問書への青森県の回答
「一度に200ミリシーベルト以上受けない限り人体への影響は確認されていない」との阿部道子氏の暴言は

「放射線等に対して必要以上に心配を持つことがないようにとのメッセージ」(青森県)


 アクティブ試験開始直前の3月28日、青森県内の諸団体を含む16団体の連名で出していた「新聞広告で示された放射線の人体影響に関する阿部道子氏の見解について」の質問書について、5月8日付で青森県から回答が送付されてきました。
 質問は、青森県商工労働部資源エネルギー課名で地元紙に出した1面広告の内容に関するものでした。その中では、県の顧問となった阿部道子氏の被ばくについての見解が重視されています。しかしそれは、科学的にも明かな間違いであり、また県民に被ばくを強要するような内容になっています。そのため、その内容について具体的に質問を出していましたが、今回の青森県の回答は、そのような具体的内容については一切ふれることなく、「阿部道子先生からは、放射線等に対して必要以上に心配を持つことがないようにとのメッセージをいただいたものと考えています」とだけ答えています。これでは、県民が「必要以上の心配を持たない」ために、デタラメな宣伝を行っていることを自ら白状しているようなものです。
 回答の最後では、「今後とも県民の目線に立った分かりやすい広聴広報活動の充実に努めて参ります」と答えていますが、こんなデタラメな広告が「県民の目線に立った分かりやすい広聴広報活動」だというのでしょうか。青森県民を愚弄するものです。
 また、阿部道子氏には「顧問料は支払っていない」とのことです。阿部氏はタダ働きで県民説明会等に出かけているのでしょうか。それとも「顧問料」とは別の名目で金銭を受け取ってこのようなハレンチな宣伝を行っているのでしょうか。
 下記が、連絡先としての当会に送られてきた青森県エネルギー総合対策局長名の回答です。
 尚、質問書の正文はこちらです。
  http://www.jca.apc.org/mihama/reprocess/aomori_q060328.htm

青エ総  96 号
平成18年5月8日

美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 殿

青森県エネルギー総合対策局長

質問事項に対する回答について

このことについて、別紙のとおり回答します。

(1)
[1]なぜ、「一度に200ミリシーベルト以上の放射線量を受けない限り人体への影響は確認されていない」と言えるのですか。
[2]その場合の「人体への影響」とは、ガン死や白血病死などの死に限らず、例えば免疫機構の低下などの影響もないと断定しているのですか。

(2)
[1]なぜ、「一般公衆の線量限度である年間1ミリシーベルト以下であれば、全く影響はありません」と言えるのですか。
[2]このような主張は人々に被ばくを強要する危険がありますが、なぜ安全側に立つのではなく、このような主張を敢えてするのですか。

(3)阿部道子氏に支払っている顧問料はいくらか明らかにしてください。

(4)阿部道子氏の主張の誤りを公的に明らかにし、同氏を解任すべきではありませんか。

答1 県では、県民に対して原子力施設についての情報提供や直接的な対話等を行うことによって、県民の幅広い知識の普及や理解促進を図ることを目的として、県内各地へ出向いての意見交換会や、県民を対象とした県内外の原子力施設における意見交換会を開催しているほか、新聞、テレビ等のマスメディアを活用しての広報活動やパンフレット等の配布などの広聴広報活動を年間を通じて継続的に実施しております。

2 ご質問の新聞広告は、意見交換会に参加された一般県民の方々の間で放射線や放射性物質への関心が高かったことから、広聴広報活動の一環として、去る3月17日に地元紙を活用して放射線や放射性物質に関する情報を広く県民に提供することを目的として実施したものです。

3 その中で、阿部道子先生からは、放射線等に対して必要以上に心配を持つことがないようにとのメッセージをいただいたものと考えています。

4 県としては、県民の安心と安全に重点を置いた対応の観点から、原子力施設の安全性等について、県民の理解がより一層促進されるよう、今後とも県民の目線に立った分かりやすい広聴広報活動の充実に努めて参ります。
  なお、阿部道子先生に顧問料は支払っておりません。