核燃料サイクル安全小委員会の委員のみなさまには、六ヶ所再処理工場の安全性を守るために日々努力されていることと存じます。 さて、6月11日付で日本原燃から提出されたガラス固化に関する報告書については、すでに貴委員会で6月13日に一度審議されております。その後、再処理ワーキンググループで6月20日、24日と検討され、さらに26日にも検討され、そして6月30日の貴委員会にかけられる予定になっています。 このような立て込んだ日程が組まれていることから、何がなんでも6月中に結論をだしたいという意図を私たちは強く感じます。6月30日の貴委員会では、日本原燃の報告書内容を承認することがすでに予定されているのでしょうか。 しかし私たちは、その日本原燃の報告書に書かれている内容は、とても貴委員会から出されていた宿題に対する答えにはなり得ていないものと考えます(この点詳しくは添付の見解を参考にしていただければと思います)。 (1)白金族の沈降・堆積という溶融炉にとって本質的に問題になった事象については、何も有効な対策が書かれていません。やってみないと分からないというのは、対策ではありません。 (2)アクティブ試験ではコールド試験と違って当然崩壊熱が問題になるのに、それを忘れていたということです。このようなおそまつに対して何か批判がなされたのでしょうか。責任がどこにあるかを問題にされたでしょうか。 (3)東海1号溶融炉では炉の手前に置かれていた濃縮器が、K施設ではコストを理由に設計段階で省略されています。その影響でしょうか、廃液濃度が低いことが問題になっています。このような設計上のミスを遡って問題にされたでしょうか。 (4)再処理工程で排出されるままの実廃液ではガラス固化できないことが明らかになったために、模擬廃液を混ぜて合成廃液をつくり、それをガラス固化の対象にするなどというのは、余りにも異常で、当初の目的からはずれているのではありませんか。 (5)試験を再開した場合、ボロがでる前に短期間で試験を終えるという意図が見えみえです。 いま、六ヶ所再処理の安全性を懸念する人たちの範囲がますます急激に広がっています。多くの人たちが、みなさんがはたしてどのように責任をもって判断されるかを注視しています。 現在の六ヶ所再処理工場のガラス固化技術には本質的な欠陥のあることが、すでに誰の目にも明らかになっています。この点について、どうか安易な妥協をされないよう、厳密な審査をしていただくよう要望いたします。 2008年6月25日 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会) |