パンフレット

六ヶ所再処理工場は
人々の安全を脅かす

−安全協定が結ばれてはならない




A4版 38頁
頒価500円
送料240円(冊子小包)
発行:美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
    グリーンピース・ジャパン



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修正点(2003年9月12日)

 六ヶ所再処理工場海洋汚染―海藻類による被ばくの再評価(2003年9月12日)




要 約
 プルサーマル計画が事実上破綻し、六ヶ所再処理工場が目的を喪失したにもかかわらず、使用済み燃料は相変わらず六ヶ所へ運ばれている。六ヶ所再処理工場の来年6月のウラン試験開始に向けて、じりじりと準備が進められている。この動きに具体的に歯止めをかけるために、安全協定に注目したい。
 安全協定では、日常的運転が安全であるとの根拠として放射能放出量の管理目標値が掲げられる。その値は設置許可申請書の放射能放出量と同等になると予想される。安全性の根拠は、その放出量での被ばく線量22μSvが原発敷地境界での線量目標値50μSvを下回ることにあるとされている。この判断基準は申請書に明記されており、その判断が政府によって許可されたため、この放出量と被ばく線量22μSvは、単なる数値ではなくすでに政治的性格を帯びている。
 この小論では、その放出量と被ばく線量22μSvが虚構であることを2つの方法で具体的に示す。第1に、申請書ではずさんな海流想定によって泊漁港の放射能濃度を低くし、そこで採れる海藻類による被ばくを不当に低く評価していることを示す。第2に、ラアーグ再処理工場での放射能海洋放出実績と比較すると、六ヶ所での海洋放出量が不当に低く見積もられていることを示す。この2点の批判的検討によって、海洋放出分だけで被ばく線量は約80μSvに跳ね上がる。これは、ラアーグと六ヶ所で扱う使用済み燃料の燃焼度の差を考慮しない控えめな評価である。
 他にも、セラフィールドの教訓から得られる貴重な批判的観点がある。プルトニウムなどが海洋に蓄積し移動し半永久的に広範囲な環境を汚染すること、および海から陸地へと風や泡に乗って舞い戻るという事実である。このような被ばくルートが申請書では考慮されていない。
女川地裁判決の考え方によれば、これらの具体的批判に日本原燃は答える義務がある。このような安全性判断に関する重要な欠陥と、そもそもの目的喪失という現実から、再処理工場の運転は停止すべきであると結論される。